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 日本では海外からの旅行者が急激に増えているという報道がありますが,それは決して日本だけのことではなりません。世界的に旅行者が増えているのです,と前回書きました。
 その結果,有名な観光地は,どこも人がひしめき合っています。東京ディズニーランドやハワイのワイキキビーチはレジャーセンターだからともかくして,富士山さらにはエベレスト山まで,人であふれかえっています。地球上にひとつしかないところに世界中から人が押しかけ,しかも観光客の絶対数がふえているのだからどうしようもありません。裕福になった人が増えて,その結果旅行をする人たちが増大して,世界の名だたるところにだれもが行きたいと思うからこういうことになるわけです。
 こうした「オーバーツーリズム」のおかげで,これまでの観光地は,秩序もへったくれもなくなってしまいました。

 観光地としては,多くのお客さんに来てもらえれば潤うからよいのですが,それも度を越すと,それまでのよさがなくなってしまい,常連さんの足が遠のき,その先見捨てられることにもなりかねません。短期的な利益を追い求めることで,長期的には不利益になることは歴史が証明しています。
 また,行く側としても,何の知識も持たずに興味半分に出かける人は,観光地にとって,一時の利益をもたらしても,所詮リピーターにもなりえないのだから,迷惑な存在です。たとえば,天体観察ツアーで懐中電灯をふりまわす輩とか,コンサートホールで私語を辞めない輩とか,立ち入り禁止の場所にも入り込んだり,植物を無断で採集したりと,およびでない人たちが多すぎます。

 私が若いころは,たとえばニューヨークの自由の女神といえども,当日チケットを購入して入ることができました。しかし,今や,事前にネットで予約しておかないとどうにもならないようなありさまです。しかもたちが悪いのは,これまで穴場とされていたところさえ,情報網の発達で穴場でなくなり,どこかしこもが観光客だらけになってしまったことです。「アンダーツーリズム」を追い求めても,そのうち,というか今でもすでに「オーバーツーリズム」を避けて,そうした人の行かないところを追い求める人が増えてきつつあるから,そうなると今度はそうした場所までもまた観光客で一杯になってしまったら,もはや,地球上には出かけたい場所はどこにもなくなってしまうのでしょう。本当に若い人は気の毒です。