テンペリアウキオ教会を出て,次に向かったのがヘルシンキ市立美術館でした。入口に大きな鳥のモニュメントがあって,象徴的でした。この美術館はテンニスパラッチという大きな建物になかにあります。テンニスパラッチ(Tennispalatsi)というのは1940年に行わる予定だったオリンピックのテニス競技場として建造されたものです。
ヘルシンキに行くと,市内の北に,オリンピックで使われたという競技場の広い公園があります。そのオリンピックというのは,第二次世界大戦後の1952年7月に行われた夏季オリンピックです。ヘルシンキでのオリンピックは,現在,NHKテレビの大河ドラマ「いだてん」でとりあげられている1940年に東京で予定されていたオリンピックが日中戦争激化を理由に中止となり,その代替として繰り上げ開催される予定になっていました。しかし,第二次世界大戦の勃発により開催が返上され,12年後の1952年に開催されたものです。なお,この大会で日本が第二次世界大戦後初の,16年ぶり夏季オリンピックの参加となりました。また,1952年の開催では,テニス競技は行われませんでした。

この美術館での見ものはムーミンを描いたトーベヤンソンの原画です。
病院の壁にかかれたという絵は,ムーミンの挿絵を思い起こしました。また,「都会のパーティ」「田舎のパーティ」というふたつの大きな壁画はもともとは市役所のホールに描かれ,それが現在この美術館にあるものですが,この絵には,ムーミンが密かに描かれています。そのときのホールの照明もそのままここに移されました。
私は,この美術館で,ひとりの若い日本人の女性に会いました。彼女は会社の夏休みを利用して,1週間ほど,ふたり旅で来ていて,友達は買い物出かけたそうです。フィンランドでは,日本人の女性のひとり旅,ふたり旅によく出会いました。日本よりずっと治安がよいことと,北欧デザインなど,女性の興味をひくものがたくさんあることなどが理由です。話をしていると,フィンランドに来てみて,やはり,日本の鬱積した社会に不安や疑問を感じるようになったそうです。

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