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 4月4日の夜,NHKBSプレミアムで,醍醐寺の桜が生中継されました。出かけられない視聴者のために,来年来てください,桜はなくなりません,というコメントが何度も流れました。しかし,来年の春に新型コロナウィルスの流行が収まっていたとしたら,おそらく,すごい数の人が醍醐寺を訪れて,今年のような静寂な雰囲気で桜を愛でることなどできないでしょう。
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 さて,午前9時になったので早速拝観料を払って,まず,伽藍に行きました。一番乗りでしたが,静寂につつまれた醍醐寺は貴重でした。
 私は,仁王門をくぐり,五重塔,金堂,大師堂,弁天堂と進みました。
 桜の季節でない醍醐寺にはすでに来たことがあるので,目的を桜の咲く醍醐寺の写真を撮ることに絞りましたが,この日は思ったほど天気もよくなくときどき青空がのぞく程度で,風が強く桜の花びらがすでに舞っていて,少し残念でした。

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 醍醐寺は平安時代初期の874年(貞観16年),空海の孫弟子にあたる理源大師聖宝が笠取山頂上に開山し,「醍醐山」と名づけたことがはじまりです。醍醐というのは「大般涅槃経」などに尊い教えの比喩として登場する乳製品のことです。醍醐寺ははじめ上醍醐を中心にして多くの修験者の霊場として発展し,のちに醍醐天皇が醍醐寺を自らの祈願寺とし手厚い庇護を与え,醍醐山麓の広大な平地に大伽藍が発展しました。これが下醍醐です。応仁の乱で下醍醐は荒廃し,五重塔のみが残されましたが,豊臣秀吉による「醍醐の花見」をきっかけに再興しました。
 観光客が醍醐寺として訪れる下醍醐には,本尊の薬師如来像を安置する金堂や三宝院などを中心にした絢爛な大伽藍が広がっています。
 仁王門とよばれる西大門は豊臣秀頼が1605年(慶長10年)に再建したものです。仁王門をくぐると右手に国宝の五重塔が見えてきます。951年(天暦5年)に建立されたものです。醍醐天皇の冥福を祈るために第三皇子の代明親王が発願し,20年後に完成しました。高さは38メートルあります。のち,地震や台風で被害を受けますが,現在の姿は1960年(昭和35年)に修理されたものです。
 左手にあるのは,まず,国宝の金堂です。12世紀後半に後白河法皇の御願寺として紀州湯浅に建立されたもので,。豊臣秀吉の発願により移築し,1600年(慶長5年)に落慶しました。
 さらに進むと不動堂,真如三昧耶堂,祖師堂,鐘楼堂,観音堂と続き,弁天堂で下醍醐の伽藍はおわりです。
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 楓の青葉と桜が弁天堂とともに林泉(池)に映えて,とても美しい景観でした。
 この先は一度伽藍から外に出て,その先にある女人堂を経て,上醍醐への登山になります。
 私は,朝一番に下醍醐の伽藍に入ったのでほとんど人の姿もなく,満ち足りた時間を過ごすことができました。

☆ミミミ
4月6日の午後6時38分,ISS(国際宇宙ステーション)がプレアデスに接近中の金星の上空を飛んでいました。とても明るくきれいでした。
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