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 5月23日に,すでにブログに書いたように,薄曇りの中,念願だったパンスターズ彗星(C/2017Y4 PanSTARRS)とおおくま座の三つの銀河との接近を写すことができました。
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 その1週間後の5月29日から30日にかけて,それまで自粛閉館をしていた,いつもお世話になっている木曽駒高原のゲストハウスが再開したので,旧街道歩きと星見を兼ねて行ってきました。
 29日はお昼間はさわやかに晴れて,人のまったくいない旧中山道の鳥居峠歩きを楽しんだのですが,夕方になって,天気予報に反して小雨が降ってきたのには驚きました。しかし,調べてみると深夜には回復するということだったので,それまで仮眠をしました。午前1時ころに晴れ上がるとのことだったのですが,午後11時に目覚めたら,すでに晴れ上がっていたので,慌てて準備をして外に出ました。こうして,満天の星空も堪能できました。
 実は,今年の3月はいつものようにオーストラリアに星見に出かけるはずだったのですが,入国ができなくなったので,オーストラリア行きは断念せざるをえなくなりました。
 私がオーストラリアで星見をするときに泊まるゲストハウスは,ブリスベンから約3時間ほど車で走ったところにあります。そしてまた,木曽駒高原の定宿も,私の自宅から約3時間程度で行くことができます。同じようなシチュエーションなのです。そこで,オーストラリアのような景色の美しさやのどかさはまったくないのですが,それでも,信州の山々を眺めながら同じような気持ちに少しは近づけるので,海外に行くことができなかったその代わりとして,それなりに楽しい星見になりました。
 
 この晩は,魚眼レンズや広角レンズで星空の写真を写すつもりでしたが,念のためにと300ミリの望遠レンズも持っていったのが結果的に正解でした。それは,今日の1番目の写真のように,300ミリ望遠レンズを使って写したパンスターズ彗星が,思った以上に長い尾をもった素敵な写真になったからです。やはり空が暗いというのはすごいものです。
 1週間前にあれだけおおくま座の三つの銀河に接近したパンスターズ彗星ですが,2番目の写真のように,この晩は銀河からはかなり離れてしまいました。北極星に近づいて一晩中見られたパンスターズ彗星も次第に暗くなっていき北極星方向からも離れていくので,そろそろ見納めです。
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 先に書いたように,この晩は深夜から晴れるという予報だったので,私は先に仮眠をとりました。予報より早く晴れ上がったのですが,準備をして望遠鏡をセットして星を見はじめたのは深夜の12時ころでした。この季節は夜が短く,午前3時には明るくなってきます。そこで,わずか3時間くらいしかなかったのですが,こうして,彗星の写真と,さらに,はじめの目的だった魚眼レンズや広角レンズによる星空の写真をたくさん写すことができました。その中の1枚が3番目の写真のような銀河の写真です。地平線に近いところに輝いているのは木星と土星です。
 午前2時30分過ぎ,空が白んでくる前に,この晩の締めとして,日周運動をはじめて写すことにしました。赤道儀のモーターを停止して,カメラを北極星に向けて20分露出したのが4番目の写真です。日周運動は簡単に写せるように思えるでしょうが,ディジタルカメラのような感度の高いものでは,実際は,都会のような空の明るいところだと1分も露出するとカブって真っ白になってしまいます。長時間露出してもカブらず大丈夫であるためには,空が暗いことが必要条件です。さらに,絞りやISOをどのくらいにすればいいかなど,試してみないとよくわからないし,試す時間もなかったのですが,なんとか写すことができました。これもまたやはり,空が暗いというのはすごいものだと改めて思いました。

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