しない・させない・させられない

Dans la vie on ne regrette que ce qu'on n'a pas fait.

USA50州・MLB30球場を制覇し,南天・皆既日食・オーロラの3大願望を達成した不良老人の日記

カテゴリ: オーストラリア旅行LIVE

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 これまで,行くことができなかった幻のオーストラリア旅行記を書いてきました。
 帰国は2020年4月2日の予定でした。ブリスベンを午前9時35分に出発して,成田着が午後5時55分。当日は成田空港近くの東横インに宿泊して,その翌日,気ままに自宅に戻ることにしていました。
 この旅のキャンセルを決めたのは,2020年3月10日のことで,この時点ではオーストラリアではまだコロナ禍の実感もほとんどなく,バランディーンのゲストハウスのオーナーからは,どうしてキャンセルするのか,オーストラリアでは問題になっていないのに,というメールが来たのですが,その後まもなく事態は急転してしまいました。
 現在,オーストラリアは新型コロナウィルスの感染はほとんどないのですが,今でも入国ができません。
  ・・
 …ということで,ここで書いた旅行記は幻となってしまいました。
 出かけていたら,果たして,どんな新しい思い出ができていたのでしょうか。
 再び行くことができるようになっても,幻になった今回のような旅をするかどうかはわかりません。というより,もし,次にオーストラリアに行くことができるのなら,幻となった旅行とは違って,もっと時間をとって,パースもダーウィンも,そして,アデレードも,すべて行ってみたいものです。


◇◇◇
Strawberry Moon.

6月の満月はストローベリームーン。
実際に月がイチゴのような色に見えるわけではありません。
しかし,昇りたてのお月さまは本当にイチゴのように赤っぽい色に見えました。
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 それにしても,これまで行ったことのあるさまざなま場所の多くは,私がずっと憧れていたところ,というより,偶然行ったところであることに,今さらながら驚きます。
 私は本当に幸運でした。
 アメリカには憧れていましたが,それでも,アラスカとハワイに行くとは思いませんでした。また,旅の途中で多くの友人ができたおかげで行くことができたところも少なくありませんでした。
 さらには,アメリカ以外の国にも足をのばせたのは,自分でも信じられないことでした。

 オーストラリアに出かけたのは,そもそも,南天の星空が見たいと思っていたのがはじまりでした。とはいえ,今から5年ほど前には,異国の夜に,どこに行けば南天の星空が見られるのかも皆目見当がつきませんでした。そのころ,ニュージーランドに行ったという知人がいて,それでなんとなくニュージーランドに行ってみようと思うようになって,見つけ出したのがクライストチャーチへの旅。ホテル代と航空券込みで1週間わずか20万円弱というのに引き付けられ,クライストチャーチがどこにあるのかも知らずに出かけ,しかも,テカポ湖まで足をのばしてしまいました。
 そして,念願の南天の星空を堪能しました。
  ・・
 帰国後,当時行きつけだった望遠鏡ショップのオーナーにその話をしたら紹介されたのが,南天の星空を見るのに最適なオーストラリアのバランディーンにあるゲストハウスでした。オーストラリアのほうがニュージーランドより近いじゃないか,というだけの理由で行ってみたのがはじまりでした。
 そのときには,バランディーンはもちろんのこと,ブリスベンすら知りませんでした。
 出かけてみて,病みつきになりました。それからは常連となって,毎年のようにオーストラリアに行くことになりました。
 そして,オーストラリアは私にとっては東京に行くようなもので,かなり身近な国となりました。
 
 これまでで最も思い出に残るのは,オーストラリアにすっかり慣れて遠出をするようになったころ,天文台巡りをしようと内陸部のナラブライ(Narrabri)のモーテルに宿泊していたとき,深夜に突然,母親危篤の知らせが来て,ブリスベンまで深夜のオーストラリア大陸を車で7時間走ったことです。
 オーストラリア大陸を深夜にドライブするなんて,想像もつきませんでした。
  ・・
 実際走ってみると,今日の写真のような道路が延々と続いていました。日本とは違って道路にムダな表示もなく,街灯はまったくないけれど,車のヘッドランプでセンターラインとエンドラインが照らされてとても走りやすいものでした。2時間から3時間,こんな真っ暗な道路を走っていくと,ポツンと明かりが見えてくるのですが,それがわずか数件だけの町だったりしました。
 オーストラリアは町も美しいし,道路も整備されていました。
 こんな世界を知ってしまうと,ゴミだらけ,ラインも消えかかったり,舗装もでこぼこ,路肩にいたってはガードレールが壊れていたりなかったりと,そういった整備の行きとどいていない日本の道路を深夜に走ると,絶望的な気持ちになってしまいます。
 特筆すべきは,そんな深夜のドライブの途中で,休憩するために停車したドライブインで眺めた満天の星です。ろうそくの光ひとつない360度の星空。それは,この世のものとは思えない美しさでした。


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 バランディーンから南に30分ほど走るとテンターフィールド(Tenterfield)という町に到着します。
 ボールドロック国立公園(Bold Rock National Park)へのアクセス道路のある町がテンターフィールドです。
 テンターフィールドは私のお気に入りの町です。この町にはきれいな広い観光案内所があります。町にはおもしろい施設がいろいろあります。
 そのひとつが鉄道駅を利用した博物館です。鉄道は1989年,というから比較的最近まで運行されていました。今は使われていない駅舎を博物館として整備して,レールがそのまま残っているので,往年の列車などがそこに停車されていて展示されています。貨車の中に入ることもできます。
 また,大きな美術館もあって,訪れる人もまばらで,静かに鑑賞できますが,この美術館は学校もあり,また,レストランが併設されていて,ここでの昼食はおすすめです。私は何度も利用したことがあります。
 また,町から少し出たところには,民家を改造した博物館もあります。いわば,郷土資料館,といったものでしょうか。
 また,町を一望することができる山があって,そこにはマウントマッケンジー(Mt. Mackenzie)展望道路で登ることができます。この道路のあたりは,牛が放し飼いにされていたりして,かなりののどかさです。

 また,郊外にはボールズロック国立公園があります。
 はじめに行ったときは行くことができたのですが,2度目に行ったときは国立公園は閉鎖されていました。理由は知りません。
 駐車場に車を停めて,国立公園の山を登ります。
 曲線で迂回すると1時間30分ほどで山頂に到着する道があります。また,直線距離で山頂まで行こうとすると40分以上かなりの急坂を歩くことになります。不思議なことに手すりも何もないのに,ここの岩山は滑ったりしないのです。しかし,かなり大変です。
 エアーズロックを登るより大変だと聞いていたのですが,その時点ではエアーズロックに登ったことはなかったので,よくわかりませんでした。その後,正真正銘のエアーズロックを登ったのですが,やはり,エアーズロックのほうがはるかに大変です。
 それにしても,知らなかったこととはいえ,オーストラリアでこんな岩山をふたつも私は登ったことになります。わずか数年前だというのに,今,そんな岩山を登る気力はありません。
 しかし,山頂の景色が特に素晴らしい,というほどのこともありません。ただし,ここもまた,大きな石がおかしな形で存在していました。
 オーストラリアの国立公園はどこもこんな程度です。
  ・・
 またいつでも行くことができると思っていたのですが,この先,再び行く機会が訪れるのだろうかと思うと,なにか寂しさを感じます。また,テンターフィールドをさらにさらに南に走るとシドニーまで行けるのですが,私はテンターフィールドから先,この道を走ったことはまだありません。

無題


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 今日は,宿泊するゲストハウスのあるバランディーンの町から,お昼間に日帰りで出かけることができるところを紹介します。
 これまで,ブリスベンからバランディーンに着くまでにあるウォリックとスタンソープについてはすでに書きましたので,バランディーンからさらに南にあるところをとりあげます。
  ・・
 アメリカの州については興味があったし,50州すべて行ったので,どうなっているかはよくわかるのですが,私は,オーストラリアの州はほとんど無知でした。はじめに行ったときは,ブリスベンがどの州に属しているかということすら認識がありませんでした。
 オーストラリアにあるのは,クイーンズランド州,ノーザンテリトリー,西オーストラリア州,南オーストラリア州,ニューサウスウェールズ州,ビクトリア州,タスマニア州,そして,首都のあるオーストラリア首都特別地域です。そして,私が行ったことがないのは,西オーストラリア州,南オーストラリア州,タスマニア州,オーストラリア首都特別地域です。
 ちなみに,ブリスベンも,その南のこれまで紹介してきたいくつかの町も,みな,クイーンズランド州です。そして,その先がニューサウスウェールズ州となるわけです。

 バランディーンから南には,まず,ギラウィーン国立公園(Girraween National Park)があります。車で20分くらいの距離です。
 ギラウィーン国立公園は奇妙な岩が点在しているのが売りです。広い駐車場に車をとめると,とめどもない川やら岩がころがるトレイルが延々と続いているのですが,ほとんど訪れる人もなく,トレイルといっても,まあ,一応整備されているだけで,どこをどう歩こうが自由なところです。オーストラリアの国立公園はアメリカの国立公園に比べたら未だ手つかずといった感じで観光地化されていません。アメリカのような入園料もありません。
 様々な形の大きな石やら岩が積み重なったものが見どころではあるのですが,だからといって,それだけのものです。とはいえ,その先にも別の何か巨石があるとなると,行きたくなるのが常で,それらを見るにはトレイルをずいぶんと歩く必要があるわけだから,けっこう運動にはなります。
 おそらく,ゲストハウスよりも,この国立公園で星空を見たり,岩をバックに写真を撮るほうがおもしろそうに思うのですが,お昼間にも人がいないこのような場所に深夜に行く勇気がさすがの私にもなくて,まだ達成していません。

 ギラウィーン国立公園への接続道路を過ぎてさらに南に進むと,右手にあった線路の橋が妙な形に壊れていて,これがかなり象徴的です。…といつも思いますが,通り過ぎるだけでなかなか写真を撮ることができませんでした。1度はと思って意を決してなんとか車を停めて写したのが今日載せた写真です。
 さらに進むと州の境クイーンズランド州からニューサウスウェールズ州に入ります。
 やがて町が見えてきます。この町がワランガラ(Wallangarra)なのですが,単に,家々がポツンポツンとあるだけのところです。
 気になるのは駅で,というか,この町唯一の見どころで,今は列車も来ないこの駅のホームは博物館となっていて,レストランもあります。こうしたところはとても落ち着く場所です。
 はじめに来たときには,ゲストハウスからここまで来るだけで,かなり遠出をしたように思えたのですが,5時間も6時間もオーストラリアの大平原を深夜にドライブしたり,エアーズロックに行った今となっては,それもまた,懐かしい思い出です。
  ・・
 ワランガラを過ぎると,続いてテンターフィールド(Tenterfield)という,これもまた,おそらく日本人の観光客には無縁のすてきな町があります。

無題


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 スタンソープを過ぎると,あたりはワイナリーばかりとなります。主要道路を離れると,小さな町の中に入っていって,それもまたおもしろいのですが,だからといって,その町には何もありません。
 そうした小さな町を過ぎていくと,まもなく,目的地のバランディーンに到着します。ここにあるのが,日本人の経営するゲストハウスです。私は,ここを常宿として,毎年,南半球の星空を見にきていました。
 バランディーンは小さな町です。タバーンというレストランが1軒,コーヒーの飲めるお店が2軒くらい,ホテルも2軒から3軒,それに郵便局とよろず屋さんしかありません。
 私は,タバーンには1回行って昼食をとったことがあります。ハンバーガーを注文したのですが,出てきたのはとんでもないビッグサイズでした。それ以外のお店には行ったことがありません。

 町には小学校と広いグランドがあって,週末にはナイターでサッカーをやっているので,空が照らされて星を見にきた私にははなはだ迷惑な存在です。どうしてわざわざ星が美しいのに夜に電気をつけるのか意味がわからないと,私などは思ってしまいますが,ここに住んでいる人は星なんて見飽きた風景なのでしょう。とはいえ,夜も10時には電気も消され,暗くなります。
 しかし,道路は深夜もトラックが通るので,そのときだけライトで空が明るくなってしまうのが欠点です。オーストラリアのトラックはトレイントラックといって,列車のように後ろに荷物車が接続されたものです。
 ゲストハウスがもう少し道路から奥まっていればいいと思うのですが…。

 以前はこの町には鉄道が通っていて,バランディーンには線路と駅の跡があります。バランディーンから南に向かって道路沿いにずっと鉄道の線路がつながっているのですが,ワランガラを過ぎたあたりで鉄道のレールが乗った橋が崩れているので,私はてっきり鉄道はすでに廃線なのだと思っていました。ある日,バンディーンの駅に,蒸気機関車が4両の客車を引いて煙を吹いて駅に向かってきたのには驚きました。聞いてみると,観光用に月に1回ほどの割合で機関車が北のウォリックから南のワランガラの間だけを運行しているのだそうでした。ウォリックからワランガラまでは今でも現役のようです。
 また,バランディーンには個人が作ったという小さなピラミッドがあって,敷地は柵があるので入れないのですが,柵の外の道路脇に車を停めてそこで写真を写すことはできます。私も一度,夜にそこに出かけてピラミッドと星空の写真をとっていたのですが,ふと振り返ると,となりにカンガルーが座っていて度肝を抜かれたことがあります。
 いいところですが,ここに住んでいたら,いったい毎日何をするの? と私は行くたびに思ったことでした。


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 ウォリック(Warwick)を過ぎると,オーストラリアの大平原が続き,やがて,スタンソープ(Stanthorpe)という町に着きます。ハイウェイA15 はこの町を通らずバイパスとなっているのですが,あえて,町の中心を走ってみます。
 これまで,このあたりは何度も走ったことがあるので,今,これを書きながら,遠い国のこととは思えないのが不思議なことです。
 町は,メインロードが1本あって,その道路の両側にお店があるだけです。町の北の入口あたりにはスーパーマーケットがあります。また,南側の入口あたりには広く美しい公園があります。

 興味深いのは,町のなかには信号機がないことです。そのかわり,町の中心にある交差点はラウンドアバウトとよばれるロータリーがあります。
 日本は,異常に信号機が多い国です。それに比べて,オーストラリアに限らず,私がはしったことがあるそれ以外のニュージーランドやアイスランドではロータリーがたくさんあります。アメリカには,さほどロータリーはありませんが,見かけないことはありません。
 日本でも,ロータリーを作ろうとしている場所があるのですが,なかなかうまくいきません。ロータリーは車が少ないと非常に便利ですが,車が多いとすぐに大渋滞を起すのです。
 これまで,私が驚いたのは,アイスランドで,2車線道路であるにもかかわらずロータリーになっていることです。さすがに,名古屋駅前のように,4車線も5車線もあるロータリーでは信号が必要です。

 ともあれ,スタンソープの町は,必要なものはすべて手に入る規模の便利な町ではありますが,きっと,こうした町の郊外に住んだとしたら,私はきっとものすごく退屈するだろうなあ,と思ってしまいます。


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 ブリスベンから南西に160キロメートルほど走ると,ウォリック(Warwick)という町に到着します。ウォリックはバランディーンに行く途中にある最も大きな町です。とはいえ,多くの日本人にはなじみがない町でもありますが,オーストラリアの町というのは,こうしたところのように思います。
 よく,ニューヨークはアメリカでない,とか,東京は日本でないといわれるように,およそどこの国も大都会というのはその国の典型とは思われず,このような中小都市こそが,その国を表しているようです。

 ウォリックはオーストラリアのクイーンズランド州にあって,人口は約15,000人ほどの中都市です。町の中心に教会があって,そのまわりに商業施設やらファーストフート店やら大きな病院やら公園などがあります。
 昨年大きなモールができたので,昔からあった商業施設は日本の中都市同様にずいぶんと痛手をうけているように感じます。また,有料駐車場ばかりのこの町も,モールの大きな駐車場は無料なので,便利というか,それまでに培われたこの町のルールのようなものが,このモールによって壊されてしまっているというか,いずれにしても,住民にすれば,便利になったと思われます。
 私はなぜかこの町を訪れると,日本の大垣市を思い出します。

 そのウォリックを走っていると,Queen Mary Falls という道路標示が見つかるので,町の近くにそうした名所があるのかな,とはじめてこの町を通ったときに思ったのですが,そうではありませんでした。
 2度目にウォリックに行ったとき,町の中心にある観光案内所で聞いてみたら,わかりやすい地図がもらえました。それは,ウォリックからさらに40キロメートルほど東に行ったキラーニー(Killarney)という小さな町からはじまるマクファーソン山脈(McPherson Range)の,その山並みに沿って整備された道路を上った先にクイーンメアリーフォールズはあるのでした。

 ウォリックからキラーニーまでは,オーストラリアとは思えない,むしろニュージーランドのような美しい景観がずっと続いていて,驚きました。どちらかというと,こうした青々とした景色はオーストラリアらしくなく,茶色の大地が多いのです。
 キラーニーはメインロードのまわりに数件のレストランや小さな宿泊施設があるだけの町ですが,キラーニーから山並みに沿って走っていくと,ブラウンズフォールズ(Browns Falls),ダックスフォールズ(Daggs Falls),クイーンメアリーフォールズと滝が続くのです。
 特に,クイーンメアリーフォールズは,滝へ至るトレイルの入口に駐車場があって,そこにはレストランもあり,なかなかいい感じの場所です。滝は駐車場から遊歩道を歩いて15分くらいのところにあります。
 ドライブウェイは滝の先もずっと続いていて,あたりは鉄条網すらない牧場が続いています。
 そこには,私の好きなオーストラリアの雄大な風景があります。


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 ブリスベン空港から高速道路を西に走っていくと,イプスウィッチ(Ipswich)という町に着きます。ここまでがブリスベンの市街地と考えればよく,この先はオーストラリアの広々とした大地を見ることができるようになります。
 私の行くバランディーンはここで南西に進路を変えるのですが,
イプスイッチを過ぎて進路をさらに西に行くと,トゥーンバ(Toowoomba),そして,おーストラリアが誇る天文台が転々とあって,さらに進むと,私の好きな町クーナバラブラン(Coonabarabran)に行くことができます。

 私は以前,この進路をとって天文台巡りもしたこともありますが,今回の,幻に終わったオーストラリア旅行は,寄り道をする予定もなかったので,バランディーン(Ballandean)に向かうことになっていました。
 イプスイッチから進路を南西に変えて,まずは,メインレンジ国立公園(Main Range National Park)を目指し,峠を越えることになります。
 イプスイッチを越えると,高原道路となり,すばらしい景色が広がります。こういった風景が極めてオーストラリアっぽいと私は行くたびに思います。道路の際には ユーカリの木もあるから,そこにコアラがいても不思議はないといつも思って期待するのですが,残念ながら見たことはありません。しかし,カンガルーはたくさんいて,道路には車にひかれれた姿をよく目撃します。

 オーストラリアの一般道は郊外は片側1車線で,制限速度は時速100キロメートルです。
 これはニュージーランドも同じなのですが,よくいわれるように,というか,私もそう感じるのですが,ニュージーランドの人たちの運転は日本と同じようにかなり乱暴で,オーストラリアの人たちの運転はおとなしいです。
 ということで,ニュージーランドでは時速100キロメートルなんて目じゃないほどスピードを出している車が多いです。私にはその塩梅がわからないから,アメリカでもオーストラリアでもニュージーランドでもいつも制限時速を守る安全運転をします。2車線以上あることがほとんどのアメリカはいうに及ばず,たとえ片側1車線であっても,ニュージーランドもオーストラリアも日本とは違って煽られることはありません。それは,数キロメートルごとに必ず追い越すために2車線道路が作られているからです。

 写真のような美しい景色の続く道路を走っていると,ときどき小さな町を通り過ぎます。今日の写真はそんな町のひとつアラトゥラ(Aratula)です。
 アラトゥラを過ぎると,次第に標高が高くなっていきます。いよいよ峠越えがはじまるのです。
 風景が雄大なのであまり感じないのですが,大型のトラックが走っていると苦しそうだから,かなりの勾配に違いないのでしょう。この峠のあたりがメインレンジ国立公園です。どこかに車を停めて,国立公園を散策したいなあといつも思いながら走っているのですが,この国立公園,展望台やトレイルがあるのかどうか,私にはわかりません。それは,何度走っても,それらしきものを見たことがないし,そういった道路標示もないからです。
  ・・
 峠を越えると,いよいよその先はウォリック(Warwick)という比較的大きな町です。


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 この旅では,アデレードからブリスベンに行き,ブリスベンで車を借りて約3時間走って,バランディーンの定宿で4泊することにしていましたが,実際は行くことができなかったので,これからは,これまでに行ったときの様子を書きます。
  ・・
 オーストラリアはどの空港もすばらしく,日本の成田国際空港とは比較にもならないほど豪華で立派ですが,シドニーの空港は私に広すぎます。その点,ブリスベンの空港は適当な大きさでとても快適なところです。
 ブリスペンでは空港ビルの一角にレンタカー会社のカウンタがあって,簡単に車を借りることができます。また,駐車場は空港ビルを出たところにあるので,長い距離を歩く必要もありません。
 オーストラリアは日本と同じで左側通行なので,日本で運転をしているのと同じです。

 空港を出て,道なりに進んでいくと高速道路に入ることができます。道路標示に従って走れば迷うこともないのですが,それが,空港を出てブリスベン市内に行くときとブリスベン市内から空港に戻るときとで,ともに道路標示に従って走ると,異なる道路を走ることになるのが不思議で,私は,何度走ってもどこを走っているのかが把握できません。さらに,あとで地図を見てもよくわからないのです。
 それに加えて,今でもよく理解ができないのが,オーストラリアの高速道路の料金の支払い方法です。日本のようにゲートがあるわけではなく,道路に設置されたカメラで自働に記録されるのですが,地元の人は,事前に車が登録されているので,そのまま料金が引き落とされるので問題がないのですが,レンタカーの場合,どういったシステムなのかがよくわならないのです。

 「地球の歩き方」にも,レンタカーとして事前に通行が登録をしてあるから,貸出し料金に含まれているとか,あるいは,個人で別にネットで支払わなければならないとか,さまざまなことがかかれていて,正解がわかりません。地元の人に聞いても,彼らは事前に登録してあるから,旅行者のことなど知らないといいますし,レンタカー会社のカウンタで聞いても,係によって違う対応をします。インターネット上にオーストラリアで日本人が経営しているレンタカー会社があって,そこにもいろいろ書かれてあるのですが,その説明もまた「地球の歩き方」とは違うことが書かれあります。
 こういうことがとてもオーストラリア的ないい加減さなのですが,私は,それが好きになれません。
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 散々調べた結果私がやっている方法は,料金を支払うためのアプリをインストールしておくという方法で,到着後,このアプリに借りた車の車両ナンバーを登録しておくと,通行したあとで,請求が来るので,ネットで支払うというものです。しかし,これもまた,いい加減というか,なんというか,請求が来たり,来なかったりするのです。
 また,レンタカーを返すときに,高速道路を走ったかと聞かれて,走ったと答えるのですが,で,そのあとなにかあるかというと何もないのです。レンタカーの領収書にも何も書かれてありません。ひょっとして,レンタカー会社と2重に支払っているのかもしれません。料金は日本と違って,数百円といったところなので,2重に支払ったところで大したことでもないのですが,問題は払わなかったときなのです。あとで巨額になった請求が来ても困ります。きちんとしたシステムを知りたいものです。
 また,それに輪をかけて,高速道路のどこが有料区間なのかもよくわからないのです。ずいぶん調べて,私は,どこが有料なのか書かれている地図を見つけたので,なるべくそこだけを避けて走るようにしているのですが,それもまた面倒な話です。
 私がオーストラリアで嫌いなのは,このことだけです。
 なお,有料の高速道路があるのは,ブリスベンとシドニーとメルボルンです。


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 行くことはできませんでしたが,予定では,2020年3月29日日曜日の午前10時にアドレードを出発して午前11時50分にブリスベン着,その後,レンタカーを借りて,いつものようにバランディーンまで3時間かけて行き,3月29日から4月1日まで4泊して,4月2日木曜日の午前9時35分ブリスベンを発って帰国することになっていました。
 アデレードは行ったことがなかったから経験に基づいて書くことができなかったので,調べたことだけを紹介しましたが,ここからは何度も行ったことのある行程です。そこで,この先はこれまでに行った経験から振り返りたいと思います。
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 この旅を計画するとき,3月に星を見るためにバランディーン(ballandean)に行こうと,常宿に問い合わせたら,3月29日までは日本からの別のグループが宿泊するということでした。星を見るには月明かりがない時期を選ばなけれならないから,新月のころはどうしてもほかのグループと一緒になってしまうのです。しかし,多くの人は仕事があるので,普通は週末を挟んで休みを取ってくるので,日曜日を過ぎれば帰国しまうから,日曜日の夜からがねらい目です。
 私は,若いころと違って,知らない人と会うことが煩わしくなってきました。特に,星見は孤独のほうがいいのです。単なる趣味の世界なのに,日本人は仕事のようにストイックな人が多く,私にはついていけません。だから,話も合いません。私は,趣味にお金をかける気もなければ,新しい技術を追い求める気力もありません。

 バランディーンはブリスベンからオーストラリアの内陸部に向かって3時間ほど走っていった先にある小さな町です。途中に峠があって,それを越えると,のどかで雄大なオーストラリアが待っています。しかし,特に見どころもそれほどないから,私は,数回行って,バランディーン付近の観光施設はすべて制覇してしまいました。だから,今回もまた,星を見る以外に何をするの? という感じではありました。
 今こうして書いていて,もし次の機会があれば,バランディーンにこだわらず,オーストラリアの別の場所に出かけたほうがいいかな,と思います。
 さて,こうしてバランディーンの付近の観光地はすべて行ったのですが,なぜか,ブリスベン市内だけは観光をしたことがありませんでした。そこで,2019年の春に行ったときに,はじめてブリスベン市内のホテルに宿泊して観光をすることにしました。
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 おそらく,オーストラリアといっても,多くの日本人になじみがあるのはシドニーだと思います。2019年は2度オーストラリアに行ったのですが,1度目に行ったときにはシドニーにも行きました。シドニーもまたいい都会でしたが,ちょっと人が多すぎて,アメリカの大都会のようでした。
 それに比べれば,ブリスベンは日本から直行便があるのですが,それでも,日本人にはあまりなじみのある都会ではないと思います。実際に行ってみて,ブリスベン市内は思った以上に美しくすてきなところでした。
 また,ブリスベンから南に走るとゴールドコーストがあるのですが,ゴールドコーストの高級住宅街を歩いていたとき,ここなら住みたいなあと,こころから思ったことを覚えています。私が住みたいなあと思った町は,これがはじめてのことでした。


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 この旅の前半の予定は,2020年3月26日の午前10時25分にアデレードの到着して,3月29日の午前10時アデレード発午前11時50分ブリスベン着というものでした。そこで,アデレードに3泊,そのうち,3月26日と3月27日の2日間がアデレードの市内観光で,3月28日はカンガルー島への現地ツアーが予約してありました。
 しかし,行くことができなくなったので,航空券とホテルは無料でキャンセルできたのですが,現地ツアーについてはキャンセルができなくて,結局,お金を損してしまうことになりました。そもそも,今回の事態など完全に想定外だったので,まったく考慮していなかったわけです。

 カンガルー島は,南オーストラリア州の沖合い13キロメートルにあって,アデレードから飛行機で30分の場所にあります。カンガルー島にはオーストラリアの固有動物が数多く生息していて,グルメや壮大な岩層が楽しめるという場所です。
 カンガルー・アイランド・シーリンク(Kangaroo Island Sealink)へは南オーストラリア州本土からカンガルー島の主要な街のひとつであるペネショーまでフェリーが毎日運航されていて,フェリーの出発地はアデレードから車で南に90分のケープ・ジャービス(Cape Jervis)ということなので,ツアーに頼らずとも自力でもなんとかなりそうなのですが,調べるのもめんどうになって,ツアーを予約したというわけです。
 これまで私は,アイスランドで1日ツアーを予約したり,ニュージーランドのミルフォードサウンドでもツアーに参加したし,オーストリアでもシェーンブルン宮殿へのツアーと,ハルシュタットへの日帰りツアーに参加したことがあります。これらはなかなかよかったもので,やはり自分だけでは行くことが困難な場所でも,何とかなるものです。
 ということで,かなり期待をしていたので,残念でした。
 では,私が行くことのできなかったカンガルー島について調べたことを以下に書いておきます。

  ・・・・・・
 カンガルー島は,長さ155キロメートル,幅55キロメートルということなので,けっこう広く,ガイド同行のツアーやフェリーを利用して車で島を移動するか,島に到着してからレンタカーを借りるかとう手段をとることになるようです。
 カンガルー島の南海岸にあるシール・ベイ自然保護公園(Seal Bay Conservation Park)には,南オーストラリア州と西オーストラリア州にしか生息していない絶滅危惧種のオーストラリア・アシカが暮らしていて,コロニーの中を歩くことができる世界で唯一の場所ということです。
 また,安全な海水浴スポット が北海岸のキングスコート近くのエミュー・ベイ(Emu Bay),ストークス・ベイ(Stokes Bay)もあります。
 さらに,カンガルー・アイランド・ブルワリー(Kangaroo Island Brewery)でクラフトビールを飲んだり,ペンショー近郊のダドリー・ワイン(Dudley Wines),キングスコート近郊のベイ・オブ・ショールズ・ワインズ(Bay of Shoals Wines)などでセラードアを備えたワイナリーでワインを楽しんだり,カンガルー・アイランド・スピリッツ(Kangaroo Island Spirits)でオーストラリアのクラフトジン,ウォッカ,リキュールなどを試飲することもできるそうです。そして,アメリカン・リバーにあるオイスター・ファーム・ショップ(Oyster Farm Shop)で旬の牡蠣やアワビ,ダイオウギスなどが味わえるランチを楽しむことも可能です。また,島の真ん中に立地するマロン・カフェ(Marron Café)では淡水マロンとよばれるオーストラリアの淡水イセエビを試してみることもできます。
 カンガルー島には,オーストラリア固有の野生動物が数多く生息しています。
 島中いたるところで短いビードのハリモグラと大きなゴアナを見かけることができるし,アメリカン・リバー周辺の入り江には黒鳥が群れをなしています。キングスコートの波止場では,毎日午後5時になると何十羽ものペリカンが集うということです。
 カンガルー・アイランド・オデッセイ(Kangaroo Island Odysseys)のガイドのツアーに参加すれば,コアラ,カンガルー,ワラビーを,カンガルー・アイランド・オーシャン・サファリ(Kangaroo Island Ocean Safari)のボートクルーズで海へ出ればアザラシやクジラ,海岸沿いで遊ぶバンドウイルカを眺めることもできるということです。
 さらに,カンガルー島の西側にあるフリンダース・チェイス国立公園(Flinders Chase National Park)は,希少なタマーワラビーやめったに見ることがないカモノハシのような多種多様なオーストラリア固有の動物が生息する大きな自然保護区で,リマーカブル・ロックス(Remarkable Rocks)という,オレンジ色の地衣類に覆われ独特の形になった花崗岩の巨石が海辺に連なっていたり,アドミラルズ・アーチ(Admirals Arch)という,浸食された鍾乳石の橋に波が打ち寄せる光景は壮観ということです。
 カンガルーとタマーワラビーは,フリンダース・チェイス国立公園(Flinders Chase National Park)内のブラック・スワンプ(Black Swamp)やラタミ保護公園(Lathami Conservation Park)などの島内の保護区で簡単に見ることができるし,カンガルー島にのみに生息する絶滅危惧種のテリクロオウムなどの珍しい鳥を見つけることもできます。
  ・・・・・・


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 さて,この旅は,2020年3月25日水曜日の午後2時30分セントレア・中部国際空港発のANAで成田空港に向かい,成田空港では午後7時20分発,翌日午前7時55分メルボン着,そして,メルボルンから午前9時35分発,午前10時25分アデレード着のカンタス航空のチケットが予約してありました。また,アデレードでは,すでに,市内のホテルが予約してあって,ホテルまでは,レンタカーを借りる予定はなかったので,公共交通機関を利用することにしていました。
 アデレード。私はこの町のことを1年前までまったく知りませんでした。
 この旅の1年前にオーストラリアのエアーズロックに行ったとき,帰りにシドニーからの飛行機に乗ったとき,隣に座った女性がアデレードからの帰りだと言ったのが,私がアデレードを知ったきっかけでした。さらに,帰国後,アデレードに行ったことがあるという人の話を聞いて,興味をもちました。
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 という次第だったのですが,結局,行くことができなかった今,ぜひ行きたかったなあ! 残念だったなあ,何とかしていきたいなあ,という気はほとんどありません。つまり,まったく想い入れがないのです。しかし,もし,このとき実際に行っていたら,また,違った気持ちになっているかもしれませんが。

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 アデレード(Adelaide)は南オーストラリア州の州都です。オーストラリアの南部に位置し,南極海に面しています。都市の名前は19世紀のイギリス国王ウィリアム4世の王妃アデレードにちなんで名づけられていて,人口は約100万人,文化と芸術の都として知られています。
 この町に行って「必ずやっておきたいこと」がいくつかあるそうです。
 その第一は,アデレード中央市場(Adelaide Central Market)でショッピングをすることだそうです。
 その次に,ノース・テラス地区を散歩することだそうです。ノース・テラス地区はアデレードの重要な文化施設が集まる場所で,最も美しい建物のひとつである南オーストラリア美術館(Art Gallery of South Australia),隣接した南オーストラリア博物館(South Australian Museum),そこから20分の散策で植物園(Botanic Gardens),アデレード動物園(Adelaide Zoo)は必見だそうです。アデレード動物園では,コアラ,オーストラリアオットセイ,カンガルーなどのオーストラリアの固有動物に出会えるということです。
 また,アデレード・オーバル(Adelaide Oval)では,クリケットのガイドツアーに参加できます。さらに,ビーチへ行けば,白い砂浜が広がり,散歩道を歩いたり,フィッシュ&チップスを食べたり,海のプールで泳ぐことができまるそうです。
 さらに,足をのばして郊外に行くと,ワイナリーが広がっています。オーストラリア随一の冷涼性気候ワインの産地,アデレード・ヒルズ(Adelaide Hills)では,ブラウフレンキッシュ,グリューナー・ヴェルトリーナー,ツヴァイゲルト,サンクト・ラウレントなど,オーストリア種ブドウ栽培のパイオニア,ハーンドルフ・ヒル(Hahndorf Hill)や,受賞歴を誇るシラーズで有名なバード・イン・ハンド(Bird in Hand)など,60ものワイナリーがある地域です。
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 ということなのですが,ブリスベン郊外やシドニー郊外,さらに,アメリカのこのような地域を知る私は,どんなところか行かなくても想像がつきますし,特に,だから何があるの? と思うと,何もわざわざアデレードまで出かけるほどの魅力はあまり感じません。おそらく,こうした観光よりも,アデレードは何をするでもなく,のんびり過ごすところなのでしょう。


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 世界は広いのか狭いのか,いずれにしても,生きている間にすべてのところに行くことはできません。海外旅行も,はじめのうちは有名な場所に一度は行ってみたいという動機ではじまるのでしょうが,そのうちに,自分が何をしたいかということを自分に問いかけることになります。そして,そういった段階になると,さまざまな工夫が必要になってきます。
 私が痛切に感じるのは,母国語が日本語であるというハンディです。もし,母国語が英語であれば,もっと地球を狭く感じるでしょう。そして,気軽に世界に飛びだすことができることでしょう。さらに,ヨーロッパに行くようになると,もうひとつ,ドイツ語かフランス語ができたらどれだけ楽しいかということを感じるようになってきました。

 また,私の住む愛知県から海外旅行をしようとすると,セントレア・中部国際空港の不便さを感じざるを得ません。これまで何度も書いているように,アメリカは,とにかく,デトロイトへの直行便などいらないから,シアトルかロサンゼルスのような西海岸への直行便があればどんなに便利かなあ,と思います。そこで羽田空港でトランジットをすることになってしまいます。これはオーストラリアも同様です。シドニーでもメルボルンでもブリスベンでも,というか,ブリスベンがもっともいいのですが,そこまでの直行便があれば,どれほど便利でしょう。
 それに比べたら,フィンランドのヘルシンキまでの直行便のあるヨーロッパははるかに便利です。
 セントレアからは,ヨーロッパとハワイだけが,私には便利で,かつ,気楽に行くことができる外国です。が,空港までのアクセスもまた,延着やら不通になることが少なくない名鉄,また,車だと混雑する高速道路など,せっかくのインフラがこれではなあ,といつも考えてしまいます。


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 今から10年ほど前,私は,何かにとりつかれたようにアメリカを旅行していました。
 それに比べたら,歳をとったせいなのかどうか,オーストラリアのさまざまなところを旅行したいという気持ちはあまりありませんでした。それは,オーストラリアにはアメリカほど行きたいと思う魅力的な場所がないということもあるのですが,それ以上に,あえて行こうと決意しなくても,気楽に行くことができるから,ということでもありました。
 それでも,行くことが困難だから私には無縁だと思っていたエアーズロックにもなぜか行けたし,さらに,エアーズロックでは,今は登ることができなくなったのに,偶然,登ることができる期限に間に合って,しかも,天気に恵まれて登ることができたのは,これもまたいつものようにかなりの幸運でした。
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 今後は,毎年オーストラリアに星見に出かけた折に,さらに1週間くらい余分に日程をとって,さまざまなところを旅しようかな,と思っていたところでした。この旅で行こうと思っていたアデレードも,その一環でした。アデレードに行ったそのあとは,グレートオーシャンロードとか西側のパースとか北側のダーウィンとか,そういったところにも行ってみたいなあと,なんとなく思っていました。
 なかでも,グレートオーシャンロードは次に行ってみたいところの筆頭でした。メルボルンからアデレードまでをドライブしてその間にあるグレートオーシャンロードを走るのは,今でもぜひやってみたい夢のひとつです。
 いずれにせよ,私にとってオーストラリアは,南天の星空を抜きには語れません。

 2019年から2020年にかけての冬,というか,オーストラリアでは夏のことになりますが,オーストラリアは国全体に山火事が広がって大変な状況だったようです。アメリカもそうですが,こうした広い国では,山火事が最大の脅威となっているのです。アメリカもまた,夏から秋にかけて,モンタナ州やアイダホ州,カリフォルニア州などには頻繁に山火事が起きます。そして,日本で中国大陸から黄砂がやって来たときのように,空が灰色に染まってしまいます。
 今日の写真はエアーズロックで写したものですが,この写真のように,エアーズロックでは山火事を防ぐために,山火事が起きる前に燃してしまうといった風習がアボリジニーの人たちから受け継がれているように,山火事を防ぐためのさまざまな工夫がされていました。それでも,山火事が起きるのです。
 そこで,この旅で私が訪れることになっていたカンガルー島も,その多くが山火事で燃えてしまったというニュースがありました。この旅を計画した時点で最も心配だったのはそのことでした。しかし,行くことができなかったので,実際どうであったのか,私は知りません。


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 この旅は,予定では出発が2020年3月25日水曜日でした。いつものように,セントレア・中部国際空港から空路で成田国際空港に行き,そこで,カンタス航空に乗り替えて,メルボルンへ。メルボルンで乗り換えて,アデレードというルートでした。
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 オーストラリア,および,オーストラリア乗り換えでニュージーランドというのはとても楽な旅です。オーストラリアまではほとんど時差がないからです。オーストラリアからニュージーランドまでは3時間の時差があるのですが,国内線のような感じなので,苦痛は感じません。オーストラリアのブリスベンからニュージーランドのクライストチャーチまでは,まるで名古屋から東京へ行くようなものです。
 しかし唯一の欠点は,私の住む愛知県からオーストラリアへ行くには直行便がないということで,まず,成田空港や羽田空港まで行ってそこでオーストラリアへ行く直行便に乗り換える必要があって,これがめんどうなのです。

 セントレア・中部国際空港からはキャセイパシフィック航空を利用すれば香港で乗り換えでオーストラリアまで行くことができます。名古屋発でオーストラリアへ行くツアーはその手段を使うということです。成田乗り換えよりも香港乗り換えのほうが楽だと思って,私も一度それを使ってみたのですが,香港での乗り換えが思った以上に面倒なことと,乗客の多くが中国人なのと,オーストラリアに到着する時間がカンタス航空で日本から直接行くことに比べて遅くて,その時間の空港が異常に混雑していて入国が思った以上に大変だったので,一度で懲りました。
 また,成田空港からだとカンタス航空とジェットスターが,羽田空港からだとJALとANAがオーストラリアへ飛んでいます。ジェットスターには一度乗ったことがあるのですが,利用した結果,二度と乗りたくないと思いました。ジェットスターは格安航空という触れ込みですが,何かと別途お金がかかり,それらを選択すると逆に割高になってしまうのです。それに比べれば,カンタス航空はきわめて快適です。
 カンタス航空の欠点といえば,エコノミーコンフォートにアップグレードすることが面倒なことと,エコノミーだとマイレッジがつかないということです。どうも私は,そういったオーストラリアという国の,というか,オーストラリア人の,いわゆるO型的なあいまいさが,なぜか性にあわないのです。塩梅が多すぎて,いろいろよくわからないのです。実は,日本人のあいまいさも同類なのですが…。
 オーストラリアはいいところだしいい人が多いのに,どうも私にはいつも何かが引っ掛かり,それが理由で大好きになれないのですが,それは一体なぜなのだろう,といつも不思議に思います。


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 2020年も,私は5回以上の海外旅行を計画していました。
 その1回目は2月のハワイ・モロカイ島で,これは行くことができました。その様子はブログに旅行記も書きました。2回目は3月のオーストラリア,3回目は6月のフィンランド,4回目は8月のアメリカでした。この3回はすでに航空券が予約してあったし,ホテルなども必要なところだけは予約がしてあったのですが,コロナ禍で,すべて行くことができなくなりました。また,5回目は秋にチェコに行こうと考えていたのですが実現できませんでした。
 このブログは私個人の記録なので,行くことができなかったこれらの旅について「幻の旅行LIVE」を書いておくことにします。いつの日にか行くことができることを祈りつつ。
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 では,まずは幻となったオーストラリアの旅からはじめます。
 この「幻の旅行LIVE」には当然写真がないので,これまでに行ったときに写した関連した写真を載せることにします。

 この旅の目的は,いつものように星見でした。3月から5月にかけて,気候が反対の南半球は秋ですばらしい星空を見ることができます。今回は,その前に,3日間,アデレードへ行くことにしました。
 星見は,私が年に1度のペースで行っていたクイーンズランド州バランディーン(Ballandean)の定宿で,もう,何度も行ったので,特に今回何がしたいということもなかったのですが,何度見ても南天の星空は楽しいものです。ただし,この定宿は日本で知名度が上がってしまい,日本人と一緒になることが増えたのが欠点です。私は海外に日本からグループで(つるんで)やってきた日本人とは会いたくないのです。それは,いかにも日本人らしいストイックさと群れたがりが私には性に合わないので,一緒にいても楽しくないからです。一方で,海外に住んでいる日本人の多くはおよそ日本人らしくないので好きですが。
 このごろは星見だけでは,ということで,その前に,3,4日,オーストラリアの別の場所に寄ることにしていたのですが,今回選んだのがアデレード(Adelaide)でした。


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ブリスベンの市街地をブリスベン川に向かって歩いていきました。やがて,ブリスベンシティ・ボタニックガーデン(Brisbane City Botanic Gardens)に着きました。この辺りまで来ると市街地の喧騒がなくなるので,もっとさびれたところなのかと思ったのですが,予想が外れて,とても美しいそして落ち着いた場所でした。ボタニカルガーデンというのは文字どおり植物園で,1825年に造園されたガバメントガーデンが基になっている歴史ある庭園ということでした。
動物同様,南半球には北半球にはないいろいろな植物があって,見慣れない花などがたくさんありましたが,私は植物には詳しくないのでよくわかりません。もう夕暮れだというのに多くの人が散歩をしていました。また,植物園の隣には旧総督公邸(Old Government House)や美術館もあって,とてもアカデミックな場所でした。
いたるところに「QUT」と書かれた建物があって,若い人がたくさんいました。私にはこのQUTというのが何なのかよくわかりませんでした。歩いていても,QUITが何の略なのか,どこを見てもはっきりしませんでしたが,後で調べてみるとQUTというのはクイーンズランド工科大学(Queensland Univ. of Technology)のことでした。つまり,私が歩いていたのは大学の構内だったのです。
大きな建物の広いガラス張りの窓からなかが見えました。大きなディスプレイのあるコンピュータがずらりと並んでいて,そこに向かって調べものをしている若者がたくさんいました。どうやらそこは図書館らしいところでした。
私がショックを受けたのはその豪華さでした。
いったいどうしたことでしょう。これだけを見ても,日本の大学とは比較にもなりません。
こうして日本は大学の設備もまたどんどんと世界から遅れていっているのに,海外に出たことのない人はそうしたことをまったく知りません。海外に公費で視察に出かける議員さんたちはいったい何を見てくるのでしょう。そもそも,日本では,この情報化社会に,今でも公立の高等学校には安価なコンピュータが40台,コンピュータ室が1部屋しかないなんて,こんなことで教育ができるのでしょうか。日本は終わったな,と改めて思ったことでした。

地図には,この植物園の先にはブリスベン川が取り囲んでいて,川の向こうに行くには自動車専用の道路の橋しかないように見えましたが,実は,ここにグッドウィルブリッジ(Goodwill Bridge)という歩行者専用の橋が架かっていて,大勢の人が行き交っていました。私もこの橋を渡ると対岸に出ることができました。対岸はサウスブリスベンという場所で,サウスバンク・パークランド(South Bank Parkland)といわれる美しいところでした。
サウスバンク・パークランドは1988年に開催されたエキスポの跡地で,今は16ヘクタールを利用した公園と文化施設になっていて,園内には緑が茂り,川沿いは散歩コースでした。また,ブリスベン川を望むように造られた人工のビーチや,レストラン,フードコート,様々なショップが集まっていました。
時間はちょうど夕暮れでした。方角的に夕日は見られませんが,夕日がブリスベンの高層住宅に反射してとてもきれいに輝いていて,絶品でした。多くの人がイスに座って,夕日が反射するビル街の景色を眺めていました。晩秋なのに気候は20度くらい,そして,湿度が低いので,とても気持ちがよいのです。ブリスベンというのはなんと美しい街なのかと思いました。
私は,サウスバンク・パークランドをブリスベン川に沿って北西に歩き,朝行った観覧車のあるビクトリアブリッジを渡って,再びブリスベンの市街地に戻り,夜のブリスベン市内を散歩しながらホテルに帰りました。

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翌日帰国しました。
その後,すぐに自宅にもどることなく,成田空港近くのホテルに1泊して,その翌日,上野の国立西洋美術館でフェルメールを国技館の相撲博物館で稀勢の里展を見たことはすでに書きました。

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今日の空からの写真にあるように,ブリスベンの市街は蛇行するブリスベン川のV字の中にあります。その左の対岸にそって,美術館や博物館,観覧車などがあります。私はまず,博物館に行きました。博物館の常設展は無料でした。企画展は有料で,アメリカの宇宙開発をやっていましたが,私はアメリカの博物館ですべて本物を何度も見たことがあるのでパスしました。
そのあとで観覧車に乗ろうと思ったのですが,午前10時から動くということで,まだ停止していました。すると,観覧車乗り場の手前の船着場で,ブリスベン川のボートクルーズの乗り場があったので乗ることにしました。先日大阪に行ったとき中之島で同じようなボートクルーズに乗ったのを思い出しました。それにしても,何でも日本は規模が小さくて貧弱なんでしょう。日本はオーストラリアよりも人口も多く経済規模も大きいらしいのですが,何を見ても日本のほうがずっと貧弱です。
ボートクルーズはブリスベン川をずっと下って行って,1時間あまり,そこでUターンして戻りました。船上からみたブリスベンの街並みは本当に美しく,また,気候がよかったこともあって,気持ちのよい時間を過ごすことができました。

クルーズを終えて,改めて観覧車に乗りました。
ブリスベンの観覧車のおもしろいのは,乗るときに観覧車が停止することです。1台ごと停止しては客を乗せていくのです。そして,客足が途絶えたところで回転開始です。そこで,回転をはじめるまでにずいぶんと時間がかかるのです。
いよいよ回転がはじまりました。回転は日本の観覧車とは違ってスピードが速く,しかも1周ではなく7周もしました。こういう発想の違いがとてもおもしろいです。そこで,降りるときもまた,その逆に,1台ずつ停止しては客を降ろしていくのです。観覧車から見たブリスベンの街並みもまた格別でした。
海外に出かけると,日本で当たり前だと思っていることとまったく違うこうしたことに出会って驚くとともに,いろんなことを感じます。それにしても,行くたびにどんどんといろんなことが発展していく様にくらべて,相も変わらない,それどころか古びていく日本を嘆かわしく思うのですが,海外に出たことのない人や,ツアーでしか海外旅行をしたことのない人はそうした実感がないことでしょう。

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何度もブリスベンの空港には降りたのに,これまでブリスベンのダウンタウンに行ったことがなかったので,町の様子が想像つきませんでした。ブリスベンでは郊外に出るのにダウンタウンの地下を走る高速道路を使うので,街中の姿を見ていないのです。
都会を観光するのに最も心配なのが駐車場です。2か月前にシドニーに行ったときは大変でした。駐車料金もえらく高額でした。今回もまた同じようなことになるのかと覚悟しました。さらにまた,宿泊先を探すのにも苦労しました。なにせ,土地勘がありません。しかし,何とか予約したホテルは結構デラックスなものでしたし,便利な場所にありました。
ホテルの場所はブリスベンのダウンタウンから少し北東に行ったところでした。ただし,チャイナタウンの近くで少し風紀の悪そうな場所でもありました。とはいえ,治安が悪いという感じはありませんでした。到着したとき,隣接されているという駐車場が見当たりませんでした。フロントで聞いてみると,隣のビルだということでしたが,シャッターが閉まっていました。このホテルのシステムは,まずチェックインを済ませてルームキーカードを受け取って,受けとったルームキーカードをかざすとシャッターが開くというものでした。これではわかりません。
ということで,先に駐車場に入れず,チェックインをするまで一時車を停める場所を確保するのに苦労しました。この辺のいい加減さが極めてオーストラリア的な大まかさなのです。
さて,到着してみてはじめてわかったのは,ブリスベンのダウンタウンはどこも徒歩圏内で行くことができて,心配した駐車場もまた,車をホテルに停めたまま,ホテルからは歩いて観光ができるということでした。おかげで,都心に駐車場を探すという心配がなくなりました。

夜にホテルに着いたので,その晩はダウンタウンで食事をしました。そして翌日,ダウンタウンの観光をしました。ブリスベンという都会は思った以上にすばらしいところでした。とにかく町がきれいでした。食べるところにもまったく困りませんでした。
街の中心部はクイーンストリートとアンストリートという道に沿ったあたりで遊歩道となっていて,夜遅くまでにぎわっていました。私にはこうしたブランド品の並んだ店にはまったく興味がありませんので,ブリスベン川の橋を渡って対岸までいくことにしました。対岸には博物館や美術館,そして,観覧車などがあります。以前,EXPOを開催した場所なのだそうです。このあたりのことはまた次回書くことにしましょう。
橋のたもとにカジノがあったので,中に入ってみました。私は今から20年ほど前,アメリカのラスベガスに行ったとき,カジノ -といってもスロットマシンですが- を少しだけやったことがありまず。ビギナーズラックでおもしろいほど儲かりました。私はこうしたギャンブルにはまったく興味も魅力も感じませんが,せっかくなので,中に入ってその様子を眺めてみることにしました。カジノというと聞こえはいいですが,結局パチンコ屋です。朝から結構多くの人が遊んでいるのに驚きました。見ていても何がおもしろいのだろうと私は思ったのですが,カジノの風景自体は映画を見ているようでそれなりに興味深い場所でした。

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ブリスベンから南に海岸に沿って1時間ほど走るとゴールドコーストに至ります。名前だけは知っていたのですが,私はこれまで行ったことがありませんでした。ここは有名な海岸で,サーファーにとっては聖地なのだそうです。しかし,私のイメージは人も車も多い観光地。それであまり行きたいと思わないところでした。聞くところによれば,日本からゴールドコーストへ来た観光客が現地で行くのはテーマパークや土ボタル鑑賞だそうですが,私はそのいずれも興味がありませんでした。
私がオーストラリアに出かける目的は星を見るということなので,せっかく晴れているのに星の見えない都会にいるのがもったいないのです。そこで,これまでは,ブリスベンから一路,星の見える暗い内陸に行ってしまうし,帰りもまた,ブリスベンから帰国してしまうということばかりでした。

今回,ブリスベンに2泊することになりました。最終日は帰国するだけだったので,その前々日と前日にゴールドコーストとブリスベンの市内観光をすることになりました。私が星見をしたバランディーンからは約2時間30分でブリスベンに戻ることができるのですが,その途中に少し遠回りすればゴールドコーストなので寄ってみることにしました。
今回はじめて知ったのが,バランディーンからゴールドコーストに行く途中のシニックリム(Scenic Rim)というエリアでした。ここは美しい高原で,滝や湖がありました。オーストラリアには知らないすてきなところがいっぱいあるものだと改めて知りました。やがて,ゴールドコーストに近づくにつれて,これもまた美しい小さな町がたくさんありました。そしてついに,ゴールドコーストに到着しました。

予想と反して,ハワイのワイキキビーチとは違って海岸線にそって町があるのではなく,海岸から1本内陸にはいったところに都会が広がっていました。私は都会には興味がないので,まず,海岸に行ってみました。
季節が晩秋だったかからか,海で遊んでいるような人はほとんどいませんでした。若い女性が2人水着姿で日光浴をしていただけでした。私は無知なのでわかりませんが,夏になれば,多くのサーファーがここに来るのでしょうか? ともかく,私の行った時期はほとんど人のいない,そして,ごみひとつない砂浜が続いていました。混雑して古びたハワイの海岸なんてメじゃないと思いました。
その後,海岸の駐車場に車を停めて町に歩いていきました。そこには高級住宅がずっと続いていました。ここで私はこんなところなら住んでみたいものだとはじめて思いました。
時期がよかったからか,思ったほど混雑してもおらず,予想に反して,ゴールドコーストは落ち着けるところでした。オーストラリアの上空はオゾンホールがあって,紫外線が強いので,日焼けに注意です。そこで,この海で泳ぐなどというのは自殺行為だと思うのですが,そのこと以外は,これほど魅力的な海岸はほかにはないなあと思いました。
ゴールドコーストから1時間,ブリスベンまでの道路は車が多く,反対車線は大渋滞でした。

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ブリスベンから南西に160キロメートルほど走ると,ウォリック(Warwick)という町があります。オーストラリアは,シドニーとかメルボルンのような大都会以外は多くの日本人にはなじみがなく,どんな場所なのか想像もつきません。私も3年前にはじめてオーストラリアの郊外を走ったときは興味津々でした。
ウォリックはオーストラリアのクイーンズランド州にあって,人口は約15,000人ほどの中都市です。もっとずっと小さな町の多いオーストラリアでは比較的大きな町で,教会のまわりに商業施設が並び,ファーストフート店や大きな病院,そして公園などがあります。昨年大きなモールができたので,昔からあった商業施設は日本の中都市同様にずいぶんと痛手をうけているように感じます。私はこの町を訪れると,日本の大垣市を思い出します。

そのウォリックを走っていると,クイーンメアリーフォールズ(Queen Mary Falls)という道路標示が見つかります。まったくこのあたりのことを知らなかった3年前,近くに滝でもあるのかとその道路標示に従って行ってみたところ,一向に何もなく,仕方なく戻った経験あります。2度目にウォリックに行ったとき,町の中心にある観光案内所で聞いてみたところ,わかりやすい地図をもらいました。そしてはじめてクイーンメアリーフォールズに行くことができました。
ウォリックからさらに40キロメートルほど東に行くとキラーニー(Killarney)という小さな町に到着します。この町からはじまるのがマクファーソン山脈(McPherson Range)ですが,その山並みに沿って道路が整備されていて,そこを走っていった先にクイーンメアリーフォールズがあるのでした。
今回も,天気がよかったことと前回はゆっくりできなかったことで,クイーンメアリーフォールズに行ってみることにしました。

ウォリックからキラーニーまでは,オーストラリアとは思えない,むしろニュージーランドのような美しい景観がずっと続きます。私は,オーストラリアというとエアーズロックにみられるような茶色の大地を思い浮かべるのですが,ここはまったく違います。また,キラーニーはメインロードのまわりに数件のレストランや小さな宿泊施設があるだけの町ですが,こういうところに行くとなぜか旅愁が高まり泊ってみたいものだといつも思います。昨年6月に行ったアメリカ・カリフォルニア州のイニョカーン(Inyokern)という町もそうでしたが,こうしたところを魅力的に思う私がいます。
キラーニーから山並みに沿って走っていくと,まず,ブラウンズフォールズ(Browns Falls)という看板あります。そこには小さな公園があって,川に沿ってずいぶん歩くと滝に着くということです。小径は自然の道で結構歩くのが大変です。途中まで行ってみたのですが,その先まだまだたいへんそうだったので滝まで行かず途中で引き返してしまったので,どういう滝なのか今もってわかりません。
次にあったのがダックスフォールズ(Daggs Falls)ですが,この滝は道のわきにある展望台から見ることができます。
そして,いよいよクイーンメアリーフォールズです。ここは駐車場に面してレストランもあって,なかなかいい感じの場所です。滝は駐車場から遊歩道を歩いて15分くらいです。昨年は滝に沿って大変な思いで遊歩道を一周して滝の下まで行ったのですが,今回は滝を見下ろす展望台だけにしました。そのかわり,レストランで昼食をとりました。
この滝を巡るドライブウェイはその先もずっと続いていて,今回はじめてさらに行ってみたのですが,それはそれはすごいところでした。オーストラリアのド田舎という感じでした。牧場には鉄条網がないものだから,道路に牛は出てくるし,ずっと延々と牧場が続いていました。
日本人の知らないオーストラリアの姿を見たような気がしました。それにしても,こんなところに行く日本人もめったにいますまい。そしてまた,私の好きなオーストラリアの雄大な風景がそこにはあります。
きっと夜にでもなれば人工の明かりもなく満天の星空が広がっていることでしょう。

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ブリスベンは観光地としては無名に近く,オーストラリアといえば,多くの人が出かけるのはシドニーやメルボルン,グレートバリアリーフ,ゴールドコースト,そして,エアーズロックというところでしょうか。私も,生まれてはじめてニュージーランドに出かけたときにトランジットではじめてブリスベンという町を知りました。その後,私の定宿となったバランディーンのゲストハウスがブリスベンから車で2時間30分程度の場所にあったことから,ブリスベンの空港を使うことが増えました。しかし,ブリスベンという町自体は通り過ぎるだけで,ダウンタウンを観光することもありませんでした。
今回はじめてブリスベンのダウタウンを観光しました。このことはまた後日書きます。今日はブリスベン郊外にあるマウントクーサ展望台(Mt.Coot-tha Lookout)とローンパイン・コアラサンクチュアリ(Lone Pine Koala Sanctuary)についてです。

この2か所は昨年も行きました。ブリスベンからバランディーンに行く途中に寄ったものですが,今回もまた,到着した日にバランディーンへの途中に寄りました。成田からブリスベンまでの直行便は到着が早朝で,そのまま走って行ってもローンパイン・コアラサンクチュアリの開館時間である午前9時よりもずいぶんと早く到着してしまいます。そこでまず寄るのがマウントクーサ展望台です。
このブリスベン郊外の高台にある展望台からはブリスベンの町が一望出来て,本当に気持ちのよい場所です。展望台は前回来たときはまだカフェも閉まっていたのですが,今回は土曜日ということもあって,早朝からずいぶんと多くの人がいました。ここは夜景も美しいところなので,次回は夜来てみようと思いました。
ふもとにはブリスベンボタニックガーデンや科学館があります。展望台からの帰り道,植物園に寄ってみました。とても静かなところでした。時間をかけてゆっくり歩いてみたいものだともいました。ここにはユーカリの木がたくさんあって,コアラもいるという表示がありましたが,残念ながら見ることはできませんでした。
ボタニックガーデンには日本庭園があるということです。また,科学館にはプラネタリウムがありますが,今回もまた行くことができませんでした。

この展望台からもう少し郊外に行くとあるのがローンパイン・コアラサンクチュアリです。ここは1927年に開園した世界最大・最古のコアラ園です。この動物園は意外と狭いのですが,日本ではめずらしい動物,タスマニアンデビル,カモノハシなどがたくさんいます。特にコアラは130頭を越して,一杯います。ここはコアラを抱くこともできます。オーストラリアではコアラを抱くことのできる州とできない州がありますが,クイーンズランド州では抱くことができます。
また,園の奥にはカンガルーやエミューが放し飼いになっていて,おなかに子供がいるカンガルーも見たし,カンガルーに触ることもできました。
また,レインボーロリキートという色鮮やかな鳥の餌付けも見られました。
何度行っても楽しい場所です。

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今日は食事について書くことにしましょう。
食事の前にコーヒーの話題からはじめます。オーストラリアでもニュージーランド同様,フラットホワイトというコーヒーがあります。フラットホワイト(Flat white)というのはオーストラリアやニュージーランドで人気なエスプレッソベースのコーヒーです。エスプレッソにきめ細やかに泡立てたスチームミルクを注ぎ,エスプレッソと牛乳がよく混ざり合った飲みやすいコーヒーです。カフェ・ラッテやカプチーノと比べるとフォームの量が少なくエスプレッソ版のカフェ・オ・レとも言えます。ちなみに,オーストリアではメランジェ(Melange=「混ぜたもの」の意)が人気です。これはミルクを加えたコーヒー飲料を指す言葉で,オーストリアで日常的に飲まれているものは,エスプレッソにミルクを加えてその上からミルクの泡を乗せたものです。
あまりこだわりのない私は,このふたつの区別がよくわかりませんが,日本でコーヒーにミルクをたっぷり入れる私としてはこれで十分満足なので,いつもオーストラリアやニュージーランドではフラットホワイトを,ウィーンではメランジェを注文します。
朝食はコーヒーショップのような場所にモーニングメニューがあるので,そこで気軽に食べることができます。シンプルなものは写真にあるようなトーストです。

オーストラリアで食事をすることはとても簡単です。
少し豪華なレストランだと先に席に案内されて,そこに店員さんが注文を取りに来てくれます。この場合,支払いは食事のあとでレジに行って支払います。もう少しカジュアルな場所だと,先にレジでメニューを見て注文して支払いを済ませて,番号板をもらって空いた席に座っていると持ってきてくれます。
いずれにしても,チップがいらないので,アメリカよりもずっと気楽です。なお,無料の水は店のなかのどこかにおいてあるのでそこに行って自分で注いでくるか,あるいは水を入れたビンをテーブルに持ってきてくれる場合もあります。
当然値段はまちまちですが,およそ1,500円程度あれば十分に事足ります。
2か月前にエアーズロックに出かけたときはステーキばかり食べていましたが,今回はおおよそハンバーガーばかりにしました。ハンバーガーというと日本人はマクドナルドを思い浮かべるので,おやつ替わりのようなイメージになってしまいます。もちろんオーストラリアにもマクドナルドはあって,というか,書いていて思い当たったのですが,マクドナルドとサブウェイ以外のファーストフード店をオーストラリアではあまり思い浮かびません。
私が食べたのはマクドナルドでなくて,一般のレストランのハンバーガーで,写真のようなものです。実際,ハンバーガーというと,パンとお肉と野菜を安価にたっぷり食べることができる優秀な夕食となります。

ブリスベンのダウンタウンでは,日本食も食べられます。今回は,試しにお寿司屋さんに行ってみました。
「いらしゃいませ」という声に迎えられましたが,店員の女性は中国人でした。日本のクルクル寿司とおなじようなもので,テーブルが2列で回転していたのが日本とはちがうところでした。お茶は有料でした。回っていないときはタッチパネルで注文をします。メニューにはカレーライスもありました。
一般に海外では中華料理は安くボリュームがあります。それに比べて,日本料理は高いです。しかし,日本人がやっている場合よりも中国人や韓国人がやっていることのほうが多く,これをもって日本料理だと思ってもらっては困る,というくらいのモノのほうが多いのが実態です。
いずれにしても,オーストラリアでは食事はほとんど英語ができなくても何とかなるし,アメリカのように,チップ欲しさに途中で店員が「食事はどう?」などとしらじらしくきいてくることもないしチップもいらないので,とても気楽です。

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Thank you for coming 270,000+ blog visitors.

エアーズロックに登頂して早くも2か月経ちましたが,再び,オーストラリアに行きました。もともと今回のほうが先で,エアーズロックに行くことになったのが後の計画でした。
この季節,オーストラリアは晩秋ですが,最高気温は20度ほどでちょうど過ごしやすい季節です。また,天気もよいので星を見るにも最適,ということで,ここ3年間,この時期の新月のころ星見を目的に出かけています。今回は,いつものバランディーンにあるゲストハウスに3泊,その後ブリスベンに2泊して,ゴールドコーストとブリスベンの観光をすることにしました。これまではブリスベンに降り立ってそのまま郊外に行ってしまったので,ブリスベンという都会に足を踏み入れたことがなかったのです。
5泊7日くらいの日程で片道9時間ほどのフライトであれば,深夜バスに乗って東京へ数日でかけるのとそれほどの違いもありません。このブログでは「LIVE」として書いていますが,すでに帰国しているので,今回は日にちを逆追いで書いていきたいと思います。

いつも書いているように,名古屋近郊に住む私には,セントレア・中部国際空港から直行便のあるヘルシンキとホノルルはとても便利ですが,デトロイトしか直行便のないアメリカ本土と香港経由でしか直行便のないオーストラリアは不便です。それでもセントレアから成田,あるいは羽田までの国内線がもっと便利であれば問題がないのですが,いつも苦労させられます。特に帰り,帰国便が成田に着くのが遅いので,セントレアまでの便がありません。
香港経由は香港での乗り換えがわずらわしいので,今回もまた往復成田空港からブリスベンまでの直行便を利用しました。行きはセントレアから成田空港までJAL便に乗りましたが帰りは便がないので,今回は成田で1泊をして翌日東京から高速バスで帰ることにしました。成田の東横インの宿泊代が約5,000円と少し,東京から名古屋までの高速バスが3,000円と少しなので,成田から直接新幹線で帰るより安いのです。

帰国して成田に宿泊した翌日,私は午前中に両国国技館の相撲博物館で開催されている稀勢の里展と上野の国立西洋美術館常設展にあるフェルメール「聖女プラクセディス」を見て,午後のバスに乗ることにしました。前回東京に行ったときは夏場所の開催中だったので,チケットを持っていなかった私は相撲博物館に入ることができませんでした。そして,上野も何度も足を運んでいるにも関わらず,特別展をやっていたりしてなかなか常設展を見る機会がありませんでした。
稀勢の里展での最大の見ものは5組すべてがそろっていた三つ揃いの化粧まわしでした。受付にいた女性がこれをすべて集めるにどれだけ苦労したことか,と言っていましたが,私はその苦労がわかるので,共感しました。ついでに,夏場所で優勝力士に渡された通称「トランプ杯」も見ることができました。
フェルメール「聖女プラクセディス」は,フェルメールの真筆かどうか議論のある作品ですが,私は,それでもたった1作しか日本にないフェルメールということと,作品になにかオーラを感じて,とても感動しました。
そんなわけで,オーストラリア旅行よりも? 有意義な時間を過ごし,雨の降る東京を後にしました。
それにしても不気味だったのは,JRに乗っても,バスを待っていても,この国の人は無口で無表情であることです。混んだ電車の車内で人をかき分けて通るときに「済みません」の一言も発しないのは,何か恐ろしい世界に舞いもどった気がしたものです。

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ホテルにチェックインしてから,夕食をとるために国際線ターミナルまで歩いて行ってみました。ターミナルには多くのレストランがあるからです。徒歩で2~3分という距離でした。
国際線ターミナルではこの日の晩に日本に向かうANAのフライトのチェックインをしていました。ここで私は夜に日本に行くフライトがあることをはじめて知って,それならばあえてシドニーに1泊する必要もなかったなあと少し後悔しました。それはともかくとして,広い国際線ターミナルのチェックインカウンタを通り過ぎると,その向こうに多くのショップが軒を連ねていました。そのほとんどはブランド品の売り場で,ここは空港でなく銀座のような感じの場所でした。私は昨年の秋にニュージーランドからの帰路,シドニーでトランジットをしたのですが,そのときにはじめてここに来てその規模の大きさに驚きました。

私が目指すのはブランド品ではなくレストランです。
シドニーのターミナルは,このようにやたらと規模が大きくたくさんのショップがあるにもかかわらず,ラウンジが少ないのです。昨年,搭乗までの時間をつぶすためにラウンジを探したときにはアメックスのゴールドカードで入ることができる狭く混雑したところしかなく,仕方なくそこを利用しました。せっかくのプライオリティパスを持っていても使えるラウンジがないので,その代わりに,プライオリティパスは指定されたレストランで3,500円程度の金券として使えるのでした。しかし,そのレストランで聞いてみると搭乗券がないとダメということでした。この晩は明日のフライトのチェックインがまだできないので私は搭乗券がなく,プライオリティパスの利用を断念して,お金を払って軽く食事をしました。それだけではまだ夕食には足りなかったのですがこのくらいにして食事を終えてホテルに帰ろうと歩いていると,ターミナルビルの出口付近にマクドナルドがあるのを発見,そこで飲み物とサラダを購入しました。すでにストローは紙製になっていました。
このように,いろんな意味でオーストラリアというのは何かアンバランスで,そこがまた田舎じみていて洗練されていないというか,そこがオーストラリアのいいところなのでしょう。

さて,帰国の日。
昨日見たANAのチェックインカウンタはターミナルの一番奥の他社便と共有の急ごしらえのものだったのですが,JALのチェックインカウンタは1番手前の常設でした。さすがにJAL,というか,やはりJALとANAはこういうところで差があります。チェックインをしながら日本人スタッフと久しぶりに日本語で軽く雑談しました。搭乗券を手に入れたので,昨日行ったレストランに再び行きました。今度はプライオリティパスを利用して無料で朝食を食べることができました。毎回海外旅行ではこのプライオリティパスはとても重宝します。何はなくともプライオリティパスです。
やがて搭乗時間になったので,ゲートに行きました。
搭乗を待ちながら窓から外を見ていると,エミュレーツ航空のエアバスA380が見えました。この旅客機は昨年,ニュージーランドからシドニーまでのフライトで乗ったものと同じです。現在,JALやANAがA380を導入したと大きく宣伝をしていますが,私はもう乗ったことになります。しかし,このA380は大きすぎてあまり需要がなく,すでに製造中止になってしましました。
世界のトレンドはもう少し小さいA350です。このA350はデルタ航空やフィンランド航空でも導入をはじめていて,私が今後行く予定のロサンゼルスやヘルシンキへの便はともにこの新しいA350だそうです。

私はJALの国際線に乗るのは久しぶりでした。JALやANAは航空運賃も高く,乗客のほとんどが日本人なのであまり気乗りがしませんでした。しかし,今回乗ったフライトの乗客の多くは日本人ではなく,オーストラリアからの観光で日本に行くオーストラリア人でした。
機内では,日本食が出たりディスプレイでは「チコちゃんに叱られる」が見られるなど,日本の航空会社ならではでした。それにしても,JALの客室乗務員は始終やたらと忙しそうに動き回っていて落ち着きませんでした。仕事がないと通路の掃除までしていました。外国の飛行機に乗りなれた私にはちょっとやりすぎだなあと思うことが多く,座っていても気になります。機内のトイレには歯ブラシまで用意してありました。そもそも,日本人のやることなすことの90%はやらなくてもいいことばかりなのです。これが日本という国の労働者の姿なのです。こういうのを日本人は気配りだのおもてなしだのと勘違いをしているのです。
パプアニューギニアの上空を通るとき,窓からバタフライアイランドが見えました。帰国してから調べてみると,私の乗ったJAL便では,機内からこのバタフライアイランドが窓から見るというブログがたくさん見つかりました。私はそんなことも知らずに乗っていたのですが,見ることができて幸運でした。以前,冬に北極回りでパリに行ったとき,機内からオーロラを見たこともありますが,こういった思いがけない幸運はうれしいものです。
やがて,成田に着いて入国を済ませ,セントレアへのフライトに乗り換え,予定通り帰宅しました。
  ・・・・・・
こうして,今回の旅も終了しました。行きにケアンズでエアーズロックまでのフライトに乗り遅れたときはどうなるかと思いましたが,あとは予想以上にツイていて,登れると思ってもいなかったエアーズロックにも登頂できたし,満天の星空も見られたし,なかなかおもしろい旅になりました。

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シドニー天文台の庭からは,シドニー湾が美しく見えました。天気もよく,すばらしい景観でした。ただし,オペラハウスは見えませんでした。私は大都会には興味がなく,シドニー観光をする予定もなく,唯一行きたかったシドニー天文台に行くことができたので,それで満足でした。ただし,あまりにも有名なシドニーのオペラハウスの外観だけは見たい,というよりも,どこにあるのかな,という好奇心がありました。
シドニーは今から36年前に一度訪れたことがあって,その時にオペラハウスも見たことがあります。そのオペラハウスがどこにあるのだろう,と思ったわけです。シドニー湾にあることは知っていたので,おそらく近くだろうと思って調べてみると,やはり徒歩圏内だということがわかったので,歩いて行ってみることにしました。
およそ15分くらい坂を下って歩いていくと,やがてオペラハウスが見えてきました。
この旅はこれまで人の少ないところばかりに行ったので,シドニーの都会,特にオペラハウスの近くにあまりに多くの観光客があふれていてびっくりしました。

シドニーのオペラハウス(Sydney Opera House)は20世紀を代表する近代建築物で,オペラ・オーストラリア,シドニー・シアター・カンパニー,シドニー交響楽団の本拠地です。設計者は建築家ヨーン・ウツソン(Jorn Utzon)というデンマーク人です。独創的な形状と構造設計の困難さなどで工事は大幅に遅れ,1959年に着工したものの竣工は1973年となりました。今は世界で最も建造年代が新しい世界遺産です。
それにしても,このオペラハウス,建物はあまりに有名ですが,このホールで演じられるオペラというのを私はほとんど知りません。それが,昨年私が行ったウィーンの国立歌劇場とは大きく異なる点です。そもそもシドニー交響楽団,というもの自体が無名です。というのは私の認識不足なのでしょうか…。
湾の向こうに美しいオペラハウスが見えて,その前を船が頻繁に行き来していました。そして,港にはたくさんのオープンカフェやレストランがありました。
話は飛びますが,アメリカのフィラデルフィアに,映画「ロッキー」で有名になったフィラデルフィア美術館があります。この美術館に至るロッキーステップとよばれる階段もまた観光地で多くの観光客であふれていますが,美術館に入る人はまれです。これとよく似た感じでしょうか?

オペラハウスを見終えて,私はすっかり満足しました。これで簡単なシドニー観光は終わり,ホテルに行くことにしました。この旅もこれで終わりです。この日の晩に宿泊するのはシドニー国際空港の国際線のターミナルからほど近い場所にあります。そこで,先にレンタカーを返して歩いてホテルに行くことにしていました。
まず,空港の近くのガソリンスタンドに行って給油をしました。そして,レンタカーを返却しました。レンタカーの返却はシドニー国際空港の国内線ターミナルにあるのですが,この空港は,国内線と国際線のターミナルがかなり離れているのです。何でも,以前はこの国際線と国内線のターミナル間の移動手段であるシャトルバスは有料!,しかもかなり高く不評だったそうです。今は無料ですが,私はこのこと自体が信じられず,これではターミナル間の移動が不便な成田空港や羽田空港のことを悪くいえないなあと思ったことでした。アメリカの空港に慣れた私には,ターミナル間の移動というのは無料の地下鉄があるのが常識だからです。
バスを探して乗り込んで国際線ターミナルに移動してバスを降りると,目の前にホテルがありました。確かに便利な場所にあるホテルでした。さっそくチェックインをしました。すばらしいホテルでした。ホテルのスタッフの女性はカナダ生まれで,日本に住んでいたことがあるということを言っていました。

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この旅も最終章です。
朝クーナバラブランを発ってシドニーへ行き,シドニーで1泊して次の日の朝,JALで日本に戻ります。1泊しなくても夜シドニーから成田に行くANAのフライトがあったのですが,私はそれを知りませんでした。ここ3年で6回もオーストラリアに行ったのに,日本とオーストラリアを結ぶフライトは何が便利か,どの都市を結んでいるのか私にはよくわかりません。いずれにせよ,私が利用したくないのはセントレア発であれど香港乗り換えのキャセイパシフィック航空です。それは香港の空港が生理的に嫌いだからです。香港で乗り換えるくらいなら成田や羽田で乗り換えるほうがずっと楽です。
シドニーから成田までの帰国便をカンタス航空が運用していると思っていたのですが,探しても見つからず,結局,私にはめずらしくJALになりました。シドニーから日本に行くカンタス航空のフライトは成田空港着ではなく羽田空港着だったことをあとで思い出しました。昨年利用したばかりなのにうっかりしていました。しかし,そんなフライトを運用するくらいなら,成田だの羽田だのといわず,1便くらいはセントレアに飛ばせばいいのにと思ったことでした。名古屋からオーストラリアへ直行便がないのが本当に不便です。

クーナバラブランのモーテルで朝食をとり,チェックアウトをしてシドニーに向けて出発です。クーナバラブランからは5時間くらいでシドニーに到着するので,シドニーに着いたらホテルにチェックインする前に少しだけシドニーの観光をしようと思いました。私がシドニーで行きたかったのはシドニー天文台です。
私がシドニーで借りてクーナバラブランまで乗ってきた車は三菱のSUV,ピッカピカの新車でした。この車はiPhone を接続すると車のディスプレイに iPhone の画面が同期されて,iPhone の Google Map がそのままカーナビになりました。私はこれまで海外旅行では電話やインターネットでさんざん苦労していましたが,この2月にハワイに行ったときからは Glocalme という Wifi ルーターを使っています。このWifi ルーターは現地でスイッチを入れるだけで常時私の iPhone がインターネットに接続されるので,ものすごく便利です。こうするとIP電話も常に利用できるので,電話も困りません。このように,旅をするたびに便利になっていきます。

昨年2月にオーストラリアに来たときにもクーナバラブランまで来たのですが,そのときはクーナバラブランから2時間くらい北に行ったナラブライに宿泊しました。ナラブライで1泊してからバランディーンまで戻りそこで3泊してからブリスベン経由で帰国する予定だったのが,急用ができて急遽帰国することになってしまいました。そこで,ナラブライから深夜のオーストラリア大陸を7時間走って早朝にブリスベンに戻ったので,真っ暗な中を走っただけでほとんどオーストラリアの風景を見ることができませんでした。今回はお昼間に5時間かけてシドニーに戻るので,オーストラリアの風景を味わうことができる楽しみがありました。
途中,何度か小さな町で休憩をしながらのどかなオーストラリアを走り,やがてニューカッスルというオーストラリアの西海岸にある街に到着しました。ここから海岸に沿って南にハイウェイを走り,シドニーに向かいました。大都会シドニーに近づくにつれて車も多くなり,ついにシドニーの高速道路に入りました。

シドニーのダウンタウンに入りました。こうなると車を停めるのにひと苦労です。どの町もそうですが,旅行者にとっては特に都会で路上駐車をしたときパーキングメーターのシステムがよくわからないので困ります。私は面倒なので駐車場を探して停めることにしましたが,シドニーの民間駐車場の法外な値段には驚きました。わずか数時間で何千円もしたのです。
駐車場に車を停めて歩いて天文台に向かいました。
シドニー天文台はNHKBSで放送されている「コズミックフロント☆NEXT」という番組で知りましたが,その番組を見たときはシドニーに行く予定すらなく,「まさか」そこに来ることができるとは,そのときはまったく思いませんでした。エアーズロックもそうですが,この旅では,こんな「まさか」ばかりです。

シドニー天文台はシドニー湾に沿ったシドニーの中心部ハーバーブリッジの側の丘の上にあって,その近くには有名なオペラハウスもあります。この天文台はオーストラリアで最も古い天文台で,シドニーの砂岩を使いイタリア式の建築で作られています。
1858年に作られて,実際に天文台として使用されていましたが,都市の近代化で天文台としての役割を果たすことが難しくなって,1982年以降は博物館として運営されています。天文台として使用されていた当時は,天文台としての役割のほかに,19世紀から20世紀初頭にかけて世界の港湾で船舶に正確な時刻を知らせる目的で設置されていた「報時球」(Time ball)として,ここも重要な役割を担っていました。今でも屋根の上にその十字の棒と丸い玉を見ることができます。
天文台は,展示を見るだけなら無料ですが,有料のプラネタリウムや観望会もあります。日本でいう科学館みたいな場所です。私は,別ここでプラネタリウムを見たいとも思いませんでしたし,星が満足に見られないシドニーの都会で星を見る気もないので,無料の展示だけを興味深々でたっぷり見学しました。

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大雑把に言って,オーストラリアには3つくらいのタイプの町があります。ひとつ目はシドニーとかブリスベンのような大都会です。ふたつ目はもう少し規模の小さな都会です。こうした都会,というか街は,中央に片側2車線から3車線ほどの道路が走っていて,そのまわりにレストランや商店があります。街の中央に教会や役所,そして公園があります。さらに,モールがあります。
そして,それより小さないわゆる町ですが,こうした町は,片側1車線ほどの道路の両端に商店が並んでいて,町の中央は大概スクランブル交差点となっています。道路の端は駐車帯です。町の端から端まで歩いてもさほどの距離があるわけでもなく,そうした町の商店には生きるのに必要なものが最低限あるだけです。
クーナバラブランもまた,そうした町のひとつです。

こうした町に生まれた人がどういう生活をしているのか,私にはイメージがわきません。お店の営業時間は午前9時から午後5時までとかで,休日はお休み。仕事をしていないとき,そうしたお店で働いている人は何を楽しみに生きているのでしょう。テレビ番組だって,おもしろそうなものがあるわけでないし,プロスポーツもそれほど盛んということもない。
逆に言えば,そういった,時間がゆったりと流れる世界で毎日をおくることこそが,人が生きるということであって,日本のように,早朝から深夜まで働いて,満員電車で通勤して,帰りに酒を飲む,などというのは異常なことなのでしょう。学生も,毎日課題やらテストに追われ,休日となれば「ブカツ」。だからといって,暇な時間があればゲームをするかアニメを見るかくらいで,本を読むわけでもなく,何かを作るでもなく,そうした日常からは「学歴」というメッキの「ブランド」を手に入れるだけで,実際は何もできず,何も知らず,人とコミュニケーションすら満足にできない…。
こうした場所に来ると,私は,生きるという根本的なことがわからなくなります。

お昼は,クーナバラブランの端にあるレストランにしました。ここは前回来たときにも入りました。というより,このお店しかない,というべきでしょうか。ここは気持ちの落ち着くいいお店です。
午後は,クーナバラブランから少しドライブしてバランディン(Barandine)というところまで行ってみました。バランディンなんて,ほんとうに小さな町だったのですが,そこにはなぜか無料の立派な博物館がありました。中に入ると,学芸員のような女性がいたので,話をしました。こんなところに来る日本人はいない,と言っていました。
クーナバラブランでも十分に時間を持て余すのに,この町に住んだら,いったいどうやって時間を費やすのでしょう? クーナバラブランに戻って,この日の夕食もモーテルのレストランにしました。
私のクーナバラブランでの日々はこうして過ぎました。

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ワールンバングル国立公園の入口,とはいってもゲートがあるわけではないのですが,そこに進む道路を走っていくと,サイディングスプリング天文台の大きな案内板のある三叉路に出会います。その三叉路を案内標示に従って右折すると,やがて少し険しい山道になって,それがサイデンスプリング天文台に向かう道路です。
進んでいくと,この先,天文台のゲートがあるわけではなく,直接,一般見学用の駐車場まで行くことができます。このように,いろんな面でオーストラリアというのはゆるい国です。
サイデンスプリング天文台は昨年の3月にも来ましたが,こんな不便な場所にまさか1年後に再び来るとは思いませんでした。

私の手元に「天体写真NOW No.1」という本があります。この本は1978年(昭和53年)に発行されたものですから今からかれこれ40年も前のものですが,この本にサイデンスプリング天文台の主砲3.9メートルアングロサクソン望遠鏡が特集として載っています。この望遠鏡は1973年に完成したものです。馬蹄形の赤道儀架台は日本の三菱電機が作りました。また,大きな反射鏡を作ったのは岡山にある188センチメートルを作ったのと同じイギリスのグラブパーキンソン社です。その当時,南半球には大きな天体望遠鏡がありませんでした。オーストラリアは電波望遠鏡の分野で華々しい成果をあげていたので,新しく作られた光学望遠鏡の分野でも大いに期待されたものです。
この望遠鏡は今も現役です。ただし,現在,南半球の天体望遠鏡の多くは南アメリカのアンデス山脈に続々と設置されて大活躍をしていて,オーストラリアの影が薄いのはどうしてなのでしょう。いろんな事情があるのでしょうが,アメリカやヨーロッパからなら南アメリカは遠くないのですが,日本からだと南アメリカよりもオーストラリアのほうがずっと近いので,こうした場所に日本の天文台が作られててもよさそうに思います。ハワイは北半球なので,南半球に天文台を作るのも必要です。しかし,アンデス山脈は遠いし,オーストラリアなら天候も悪くなく,条件がよさそうに思うのですが……。標高が低いこと,そして,シドニーから車で5時間もかかるという点がネックなのでしょうか?

前回来たときは,開館している時間だったのにもかかわらず,なぜかビジターセンターが閉館していました。しかも何も表示がなく,閉館していた事情がさっぱりわかりませんでした。今回はちゃんと開館していたので,ビジターセンターにある展示を見ることができました。ここにはレストランもあるのですが,お昼には早かったので,残念ながら利用する機会はありませんでした。
展示を見てから,望遠鏡のドームに行きました。これは昨年も見たものです。階段とエレベータがあって,5階まで登ると見学ブースがあって,ガラス窓越しに巨大な望遠鏡を見ることができます。この望遠鏡は,現在世界中で作られているデジタル新時代の望遠鏡とは設計が本質的に異なっていて,古いのは否めません。
日々発展する科学技術は,巨額な費用を使ってこうした機器を作っても,技術の進化が早すぎてそれが十分に活躍できるのはわずか数十年にすぎません。なかなか大変な時代です。

おもしろいのは,こうした,山の中にあってしかも都会から決して近く施設なのに,けっこう多くの見学者が訪れていることです。日本では,わずか2~3時間で行くことができるこうした天文台のような施設でも,ほとんど見学者もいないし,ビジターセンターにも大した展示がない,ましてや,レストランどころか喫茶コーナーすらないことです。
このことは何も天文台に限りません。海外から有名な絵画が来たときだけ異常に混雑する美術館や,観光バスで大挙して訪れる正倉院展などには,日ごろは絵画や歴史にほとんど興味がないような人が押しかける反面,地方にある常設の博物館や美術館にはほとんど人がいません。日本人というのは,もともと知的好奇心がないのでしょう。そして自分というものがないものだから,宣伝に踊らされると大挙して同じ行動をとるのです。これが人と比べることと点数をとるだけが目的の,本当の文化を育んでいない教育の成果なのかもしれません。

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このモーテルには無料の朝食が用意されていました。このように,このモーテルは,部屋は広いしレストランは併設されているし朝食は無料だし……,というように,きわめて快適でした。朝,宿泊している人たちが三々五々この食堂に集まってきて食事を楽しみました。
日本で私がよく利用する「東横イン」には無料(というか宿泊代に含まれている)の朝食があるのですが,宿泊者の数の比べて食堂が決定的に狭すぎて長蛇の列になります。朝からこんなせわしいことはサービスでなく苦痛です。そんなサービスなら有料にして宿泊代を値下げすべきです。こういうのが日本の「おもてなし」の実態ですが,このオーストラリアのモーテルだけでなくアメリカのモーテルでも,混み合って食べるのが苦痛といった,そんな無料の朝食はありえません。

クーナバラブランに2泊する私は,この日が終日クーナバラプラン観光のできる1日となります。そこで,まず,昨年来たときには日帰りで行くことのできなかった,ワールンバングル国立公園に行くことにしました。
オーストラリアには国立公園が数々あれど,そのほどんどは岩山があったり展望が効いたりする程度で,アメリカのグランドキャニオンのようなものではありません。別の見方をすれば,こうした国立公園でキャンプをして,自然とともに過ごす,という楽しみをする場所なのです。日本にはそうした場所がないので,多くの日本人はこうした楽しみができません。2月に行ったハワイのマウイ島マケナビーチもそうですが,一日中海岸でのんびりすごすというような楽しみこそがバケーションなので,せわしなく名所旧跡を巡るというものではないのです。
この国立公園も,展望台から見た景色は山並みが続いているだけのものでした。しかし,その山並みは大昔の火山活動の跡であり,地質に興味がある人にはどれだけ見ていても見飽きる場所ではないのでしょう。
さらに進むとビジターセンターがありましたが,そのビジターセンターはできたばかりの新しい建物で,この国立公園ついての詳しい展示がありました。係の女性がいたので,いろんな説明を聞きました。

さらに進んでいくとキャンプ場がありました。
多くのキャンピングカーが停まっていて,ここで過ごしていました。夜にでもなれば満天の星空が見られるでしょう。日本にもオートキャンプ場はあるのですが,狭く混雑していて,しかも自動販売機があったりと,あれは単なるテーマパークなので,比べ物になりません。そもそも,生まれてからの環境が違いすぎるのです。日本に生まれたというのは別の惑星に生まれたようなものです。
このあたりには多くのカンガルーもいました。カンガルーたちは車の音がすると立ち止まります。道に飛び出てくることもなくはないので注意が必要ですが,大概は車を警戒していて,車が通りすぎるのを待って横断します。かわいいものです。
さらに行くと国立公園は終わり,今日の一番下の写真のように,一本の道が続くだけになりました。地図を見ると,この道を進んでいくと再びクーナバラブランに戻ってくるようでしたが,私はここで引き返すことにしました。

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私はこの町に2泊します。
私はこのような町が大好きで,こうしたところに来るたびに泊ってみたいなあと思うのですが,この旅ではその夢が実現しました。オーストラリア,ニュージーランド,ハワイ,アメリカなどには似たような町がたくさんあります。ときどきそんな町の景色がふと浮かんではそれがどの国のどの町だったのか思い出せず混乱してきます。どの町も特に何があるというわけでもないのですが,そんな小さな町を訪れたとき,夕暮れどきに散策すると癒されます。こんな町に住んでみたいものです。
クーナバラブランは小さな町で,残念ながら夕食をとるレストランもほとんどありませんでした。そこで,この晩は宿泊したモーテルに併設されたレストランで食事をとることにしました。中に入ると,2組ほどのお客さんがいました。広い店内はとても落ち着きました。日本にはこうした落ち着くお店はありません。
この日もまたステーキを注文しました。贅沢にも毎晩のようにオージービーフを食べています。

前回書いたように,この町の郊外にはサイデンスプリング天文台(Siding Spring Observatory)という研究施設がありますが,そのほかにも,ミルロイ天文台(Milroy Observatory),ワールンバングル天文台(Warrumbungle Observatory)といった一般向けに公開されている民間の天文台があって,予約をすれば大きな望遠鏡で星を見せてくれます。また,サイデングスプリング天文台からさらに山奥に行くと,ワールンバングル国立公園(Warrumbungle National Park)もあります。
民間の天文台で望遠鏡をのぞかせてもらうのももちろんおもしろいのですが,惑星などは何も南半球でなくても見ることができます。また,南半球の星空で見どころである星雲や星団はすでに見せてもらたことがあるので,今回わざわざ予約をして望遠鏡で星を見せてもらうことには興味がありませんでした。それよりも私は,クーナバラブランという星の美しい場所で満天の星空がどのようにみられるかを肉眼で確認してみたいと思っていました。
ただし,クーナバラブランの市街地は,小さな町とはいえ街灯があって,満足に星が見えません。オーストラリアであれば,どこでも星が見られると思うかもしれませんが,街中は街灯があるし,郊外に出かけても日本のような田んぼのあぜ道があるわけでもなく車道がずっと伸びているだけなので車を停めることも難しく,あてもなく出かけても星を見る場所を見つけるのは思ったほど簡単ではありません。

このクーナバラブランには小さな空港があります。というか,ありました。詳しいことは知りませんが,以前はこの空港に発着する定期便もあったようです。今は使われていないようですが,この空港は今も存在しています。そこが星見の絶好の場所だということは知っていました。そこで,夕食後,クーナバラブランから車で10分ほど走って空港に行ってみました。今日の写真からもわかるように,オーストラリアでは夕方まで結構雲があるのに日が沈むと快晴になることが多いのです。
道路標示に従って,一般道を右折して狭い道路を走っていくと高台になってきて,その先に広い滑走路が見えました。やがて待合室のような小さな建物がありました。もちろん滑走路には入ることができませんが,空港の駐車場はオープンスペースで利用することができたので,そこに車を停めました。空港のあたりは一面のどかな草原が広がっていて,日が沈み空が暗くなっていくと,やがて満天の星空になりました。
この時期,日没後の夜空には天の川が天頂に向かってまっすぐ伸びていて見栄えがします。ただし,天頂に向かって広がっているのは冬の星座です。北半球とは違ってオリオン座がひっくり返って見えて,天頂に輝くのはりゅうこつ座のカノーブスです。そのあたりの天の川は夏の天の川とは違って冬の天の川なのでとても薄く,南の空の南十字星のあるあたりの明るい天の川は天頂に向かって貧弱になっていきます。

数日前,エアーズロックで星空を見たときの写真をブログに載せましたが,そのときはこの晩よりもう少し時間が遅かったので,日周運動で天の川がもう少し斜めに傾いています。今日の写真のように縦に伸びているほうが見栄えがします。また,昨年の秋にニュージーランドのテカポ湖で写した星空の写真もプログに載せましたが,その写真はこの晩とは逆で,天頂に向かって夏の星座が広がっていたので天の川が天頂になるにつれて濃くなっていって,この時期の天の川よりずっと豪華に見えます。
いずれの季節であっても,南半球は,日本の濁った夜空とは違って暗く,しかも,水蒸気が少ないので澄んでいて,それだけでもすごいのに,天の南極あたりには多くの明るい星々や星雲・星団,そして変化に富む天の川の姿が見れるので,いつ見てもすばらしいものです。

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特別編・2018秋ニュージーランド旅行LIVE④

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