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ニコンからZ8というカメラが発売されました。Z9に並ぶ,プロ用カメラの最高機器です。私には無縁の世界ですが,いいものには違いありません。
若いころは,身に着けるものは安くて用途にかなっていればいいと思っていたのですが,齢をとったからには不快な印象を与えないために多少は小ぎれいにしないといけないと思うようになって,いいものを買うようになりました。そこで気がついたのは,いいものは,買うときは値がはっても,結局は長持ちするということでした。
カメラもまた,今は売り払ってしまったので手元にありませんが,その昔,ニコンF3/TとニコンFMというカメラを使っていました。20年もすると,このふたつのカメラの材質の違いが歴然となってきて,やはり,高級品は違うということが身に染みました。ニコンFMは塗装が剥げてきたのですが,ニコンF3/Tはいつまでもピカピカでした。
いいものというのはそういったものなのです。しかし,スペックには現れません。
暇に任せて,カメラの新製品情報を掲載しているブログを見ることがあります。新製品情報自体はどのブログも,そのもととなる情報が同じだから大差ないのですが,ブログによってコメント欄が違うのがおもしろいです。そこで気づいたことがありました。
それは,紹介されるカメラによって,コメントを寄せる人の層が違うということです。プロ用の機器を紹介しているときは,コメントの内容もかなり専門的で,私には理解ができないことも少なくありません。そうした機器に求める能力がまったく違うからなのでしょう。しかし,そんなコメントに中に,時折,全くわかっていない人が混じっていたりするときがあって,それは場違いな感じがします。ただし,書いている人がそれに気づいているのかどうか?
それが,プロとアマの違いなのでしょう。
ここで問題だと思うのは,プロとアマ,その根本的な違いを知らない人が,プロの書いたコメントとアマの書いた場違いなコメントのふたつを同レベルのものと思って,その評価を鵜呑みにすることなのです。それは,たとえば,アマチュアのオーケストラを聴いて「よかったよ」というのとプロのオーケストラの演奏を聴いて「よかったよ」といったときに,このふたつのオーケストラの実力を同レベルだと思うことと同じようなものです。
このごろ,私は,何事も,自分の思っていた以上に奥が深いものだ,と思うようになりました。そうした奥の深さを知るには,やはり,自分が真剣にそこに向き合うことが必要なのでしょうし,自分に実力がないと,決して到達できないものでしょう。
だから,そんな天賦の才がない私が趣味を楽しむには,自分には何が相応なのかを知ることが最も必要なのです。でないと,身の丈を越えたものを買って,結局は使いこなせないという悲劇が生まれます。
私には,やっと使い方をマスターした,アマチュア用の,ニコンZ50とズームレンズNIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VRで十分ですし,日々,とても楽しく愛用しています。
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「しない・させない・させられない」とは
「Dans la vie on ne regrette que ce qu'on n'a pas fait.」とは