しない・させない・させられない

Dans la vie on ne regrette que ce qu'on n'a pas fait.

USA50州・MLB30球場を制覇し,南天・皆既日食・オーロラの3大願望を達成した不良老人の日記

カテゴリ:アメリカ合衆国旅行LIVE > LIVE・2020春

今日はまず,これまで書き忘れていたことを書きます。それは服装のことです。
2月の下旬,日本は冬でハワイは常夏。これが困るのです。昨年8月にフィンランドに行ったときは,涼しいと思っていたフィンランドが予想以上に暑くて,持っていった長袖が無駄になりました。また,6月に南半球に行くときも同様に困ります。半分ずつ持っていけばいい,というものでもなく,どちらかに決断しないと,滞在日数の倍の着替えを持っていくことが必要になってしまうのです。
おもしろいのは現地に到着したときで,空港では,ある人は夏服を着ているし,またある人は冬服,ということになります。
ハワイの場合,夏服だけを持っていけばで大丈夫です。そこで,出発する日と帰国する日の分だけの冬服を余分に持っていくことになりますが,重ね着で対応します。
また,今回は,深夜に星を見るにも半袖と短パンで大丈夫でした。しかし,昨年行ったマウイ島のクラは標高が高く夜は冷えて,半袖しか持っていかなった私は夜寝るときに震えていたので,今回行く前にずいぶんと長考して支度をしたのですが,結局,行きと帰りに夏用のズボンを履いていたことだけが誤算となりました。それは,特に行きの機内がとても冷えていて,夏のズボンでは寒くて仕方がなかったからです。機内が寒いことは当然知っているのですが,予想以上でした。

さて,帰国の日になりました。
来た時と同様,朝早い私は,コンドミニアムのオフィスがまだ空いていない時間にチェックアウトということになりました。もらったプリントに,ルームキーを部屋のキッチンの上に残してロックをして帰ればいいとあったので,その通りにしました。
コンドミニアムを出発して30分,夜も明けきらぬ空港に到着して,レンタカーを返しました。借りるときに言われた通り,ガソリンは半分の消費でした。もう少し付け足すと,返却するときに満タンでないと割高のガソリン代が請求されるのですが,借りるときに満タン返しにしないという契約にすると安価で満タン分のガソリンが購入できるといういうシステムだったのを拡大解釈して,事前に半分だけのガソリン代を安価に支払っておいたということです。
すでに iPhone でフライトのチェックインは済ませてあったので,空港ではセキュリティを通って乗るだけでした。ハワイからの帰国は,一度セキュリティを通ればホノルルで再びセキュリティを通る必要がないので,こうした小さな島から帰国するのはかなり楽です。特に,モロカイ島では30人程度の乗客しか飛行機に乗らないのだから,セキュリティはまったく並ばず,田舎の駅と同じようなものでした。
帰りのモロカイ島からホノルルまでのフライトはちゃんとジュースが配られましたが,飲んでいたらすぐに着陸態勢に入りました。
ホノルルに着きました。空港の窓からパーキングエリアにずらりと並んだリムジンカーが見えました。私はそんな見せかけの虚栄を見てすっかり現実に戻されて嫌になり,まっすぐデルタスカイクラブのラウンジに向かいました。このラウンジの場所が毎回わからず苦労していたのですが,さすがに今回はスムーズにたどり着きました。ラウンジまでのコンコースはいつもとおり日本人であふれていましたが,モロカイ島では決して見ることのない日本人のマスク姿が異様でした。

  ・・・・・・
そもそも,ウィルスはマスクの目の大きさに比べてとても小さいのだから,マスクにウイルスを遮断する効果はありません。マスクは咳が出る人が,咳をするときに自分の飛沫についたウィルスが外に出て他人が迷惑を受けないようにするためにするものです。これが咳エチケットといわれているものです。また,マスクの目より大きい花粉から守るために花粉症の人がつけるものです。
つまり,そうした症状のない人が予防として(私には何に対する予防なのかわかりませんが)マスクをつける意味が理解できません。マスクをしてもうつります。そもそも,屋外や自家用車の中でマスクをしている人の意味がわかりません。
さらに不思議なのは,ホノルルからセントレアへの帰りの便で,食事が出たとき,マスクを顎にさげて食事をしている人がたくさんいたことです。あれは改めてマスクを口に戻したとき,顎についたばい菌を口に咥えることになるから,むしろ害以外の何物でもありません。また,食事などでマスクを外して手で折り曲げてポケットにしまうのもよくわかりません。手についたばい菌をマスクにこびりつけているわけです。さらに,マスクをしている人に限って,手をきちんと洗わないのです。私は分厚いマスクをしている人を見ると,紙おむつや雑巾を口に咥えているように思えてなりません。花粉症の人には申し訳ないけれど…。
こうした,本質を理解しないで「やったふり」をするのは,10年勉強しても英語ひとつものにならないような意味のない勉強をすることや,本音は金儲けなのに表向けの愛想だけを振りまくような「おもてなし」同様,日本人お得意のポーズだけ立派,まさに責任逃れの世界です。
マスクをしない人に対して「マスクをしないで武漢が歩けるか」という無知な人の口コミがありましたが,そういう人に私は「マスクをすれば武漢が歩けるか」。そもそもマスクにウィルスを遮断する効果はないのだから,ウィルスに接触して抵抗力がなければ,マスクをしてもしなくてもうつるのです。
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こうして私は3泊5日のモロカイ島への旅から戻ってきました。
モロカイ島は思った以上にさびれた島でした。そしてまた,思った以上に,私には気に入った島でした。
子供の頃,森村桂さんの書いた「天国に一番近い島」という,ニューカレドニアを舞台にした旅行記を読みました。また,岩波新書で畑中幸子さんの書いた「南太平洋の環礁にて」という本を読みました。これを書きながら,そういえば,私は,子供の頃,これらの本に書かれた,小さな何もない島に憧れたことがあるのを思い出しました。しかし,今,そうした島に行っても,おそらくは俗化されてしまっていて観光客であふれていると思うのです。それを考えると,今は,このモロカイ島こそが,私が夢に見た島なのだろうと思いました。
それとともに,私が行きたいと思っている鹿児島県の与論島や沖縄県の石垣島よりも,モロカイ島に行く方が雨も少なく,人も少なく,星もきれいだなあと思うと,増々,与論島や石垣島から足が遠のいてしまいます。
それにしても,結果的に,思いもしなかったのに,私はモロカイ島に星を見にいったようなものでした。ハワイ6島制覇まで,残すはラナイ島ですが,ラナイ島は上陸するだけならマウイ島に行った折に日帰りツアーで行けばよさそうです。そして,6島制覇が成ったあとは,再びモロカイ島に行ってみたいと思います。

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モロカイ島3泊目の晩。昨晩2時間ごとに起きて星の写真を写してすっかり満足したので,この晩は特に星を見る予定はありませんでした。しかし,体内時計がそんなサイクルになってしまっているので,午前2時過ぎに目覚めました。せっかくなので星空を眺めることにしました。今日の写真は昨晩写したものですが,この夜に見たのがこの星空でした。

日本では,夏の南の夜空に,さそり座とその左隣のいて座くらいはなんとか見えます。しかし,黄道12星座のひとつで星占いでは有名なのに,てんびん座を見た人はほとんどいないでしょう。てんびん座は星の並びすらよくわかりません。私は,どうしてこれがてんびん座なのだろうと思っていました。
また,東の空に昇ってきた夏の大三角形といわれること座のベガ,わし座のアルタイル,はくちょう座のベガははっきりわかっても,この時期天頂付近に春の大三角形といわれるおとめ座のスピカ,うしかい座のアークトゥルス,しし座のデネボラがあることはよく知らないでしょう。これもまた,空の暗いところなら,すぐに見わけることができ,しかも,夏の大三角形とみごとに対比して輝いているのです。
さらに,空の少しは暗いところに行くと,この時期南西の方向にある,からす座の四角形はよく目立つのですが,その南に明るい星々がたくさん輝いているのは,日本ではほとんど見えません。しかし,そこには,ケンタウルス座とおおかみ座があるのです。
私は,この晩,モロカイ島の星空をずっと眺めていて,てんびん座とおおかみ座とケンタウルス座の星の並びにずいぶん感動しました。
  ・・
まず,てんびん座。
この晩私は,はじめてさそり座のあたまの3つの星の上にある明るい3つの星を,確かにてんびんのようにつなぐことができるのを発見し,てんびん座と名づけられていること納得しました。
てんびん座は,ギリシア神話では正義と天文の女神アストライアーが手に持っている正義を計る天秤だとされます。もともとはさそり座のはさみの部分だったものをてんびん座として独立させたのは紀元前1世紀頃と考えられています。
次に,おおかみ座。
この地味な星座は,日本では半分が地平線の下にあって昇らないので全くなじみがないのですが,全体が見える場所で星々をたどっていくと,しっかりとおおかみの形に見えるのです。そして,とてもかわいいのです。おおかみ座は古い星座で,古代メソポタミアでは,狂犬 (the Mad Dog) またはカバ男(Gruesome Hound)とよばれる人頭獣身の姿が描かれていて,バイソンマン(Bison-man)=現在のケンタウルス座(Centaurus)と対を成すとされました。一方,古代ギリシアでは,おおかみ座はケンタウルス座の一部とされていて,この動物を指す名がなく,単に野獣などとよばれていましたが,ビチュニア(Bithynia)のヒッパルコス(Hipparchus)が紀元前200年ごろにこの星座を分離させてテリオン(Therion) と命名しました。
最後に,ケンタウルス座。
紀元前5千年紀に成立した最も古い星座のひとつで,人頭牛身のケンタウルスは,バイソンマン(the Bison-Man)またはブルマン(the Bull-Man)とよばれます。
古代ギリシャでは想像上の動物ケンタウルスとみなされます。この星座には,有名なω星団やNGC 5128(ケンタウルス座A)=4番目の写真(私が日本で写したもの)があって,そのどちらも日本からは地平線すれすれまでしか昇らないので,日本に住むアマチュア天文家の憧れの天体です。

モロカイ島は何もない島,ではなく,こんな美しい星空を見ることができる島でした。

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夕食の時間になりました。
今日はこの旅の最後の晩なので,この島でもっとも贅沢だと思われるパドラーズインというバーを併設したレストランに行くことにしました。「地球の歩き方」には,この店で使えるクレジットカードがVISAだけと書かれてあったので,この旅ではVISAカードを持っていなかった私はそのレストランに行くのをためらっていたのです。しかし,結局,これまでほとんど現金を使わなかったので,というよりも,食事以外にお金を使うところすらなかったので,手元の現金はまったく減ることもなく,たとえ夕食を現金で支払っても大丈夫という見込みが立ったことにありました。
中に入ってみると,贅沢でもないふつうのお店でした。メニューも大したものはなく,いつものように,ハンバーガー。それくらいしか注文するものもありませんでした。私のとなりの席に初老の夫婦が座っていましたが,かれらはアルコールを選択していました。私は酒の席以外,お酒はまったく飲まないし,それをおいしいとも思わないので,そうした行為すら理解不能なのです。もう少し遅く来るとライブ演奏をやっていることもあるそうで,店内の端にはステージもありました。
食事を終えて支払いをするときに,このお店はVISA以外にもほとんどすべてのクレジットカードが使えることがわかりました。こんなことなら,はじめっからこのお店にすればよかったのにと思いました。

お店を出たとき,ちょうど夕日が沈むころだったので,お店の近くのカウナカカイ桟橋に向かいました。ここは到着した日にも行ったところです。桟橋には数台の車が停まっていて,みな夕日が沈むのをを今か今かと眺めていました。
ハワイ島のカイルアコナは夕日が海に沈むのが眺められるすてきな場所ですが,コナの海岸は泳げるので,水遊びをする子供たちの歓声が聞こえます。また,素敵なレストランは多くの人が食事をしていてハワイアンのライブもあります。とてもハワイらしいところです。しかし,モロカイ島は海が荒く泳げないし,オープンカフェもありません。ここは桟橋で沈みゆく太陽を眺めるだけなのです。その静かさがまた素敵でした。
  ・・
私が滞在した3日はすべて天気に恵まれました。
それがいつものことなのか,あるいは運がよかったのかはわかりません。調べてみると,2年前に期待して行ったのに天気が悪く -それは雨期である秋に行ったことも原因でしたが- がっかりしたカウアイ島のリフエの年間降水量が約1,000ミリメートル,ハワイ島の雨が多いというヒロが3,000ミリメートル,マウイ島のいつも天気がよいキヘイが300ミリメートル,そして,今回行ったモロカイ島もまた300ミリメートルということなので,天気はよいのでしょう。
ちなみに,東京は1,500ミリメートル,鹿児島の与論島も1,500ミリメートル,沖縄の石垣島は2,000ミリメートルなので,私が一度は行って1日中ボーッとしていたいと思っている与論島や石垣島に行くより,モロカイ島のほうがずっといいなあと今回思いました。こうしていつも私は日本の南の島に行く機会を逸してしまうのです。
夕日が海に沈むのを見ました。とても美しい景色でした。

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旅をする目的とは何なのでしょう。名所旧跡を訪ねることなのでしょうか? 「何かをする」ために出かけるのでしょうか? あるいは,何もない海岸で,1日中ボーッと海を見ることなのでしょうか? それとも,その土地にしかないおいしいものを食べることなのでしょうか?
それは人それぞれなのですが,モロカイ島に名所旧跡を訪ねる目的で出かけても,おいしいものを食べるために出かけても,「何かをする」ために出かけても,おそらく期待外れに終わることでしょう。モロカイ島は,何もしないという時間の使い方ができない人が出かけたら,とまどうに違いありません。私も,モロカイ島に何もしないという目的で出かけました。
しかし,それだけではありませんでした。私の旅には時として満天の星を見にいくという目的もあるのですが,モロカイ島はそうした目的で行ったわけではありませんでした。ただし,星が見られる可能性があることを考えて,あえて,新月の時期に出かけましたけれど…。そして,奇しくもそれがかなったのです。
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話題を飛躍して,このあとは少し余談です。
日頃,仕事や子育てに忙しくしている人には想像がつかないかもしれませんが,そういった束縛から卒業した人にとって,何もすることがない時間を過ごすというのは耐えられないことなのでしょう。今忙しい人も,やがてはそうした日々がやってきます。
平日,趣味も楽しみもないのでしょうか,朝からボーッとしている老人の姿を見かけます。また,時間をつぶそうと,スーパー銭湯やスーパーマーケット,そして図書館,そうした場所には老人が列をなしています。そうした人たちが最も多くの老人の姿ですが,そうした現実がニュースとして取り上げられることはありません。
その一方で,貧困老人の日常はこれまでよく報道されてきました。しかし,実は,その逆に,使うお金に困らず,贅沢な旅に出て,帰った日にスポーツジムに行き,さらにライブハウスに行き,などと飛び回っている老人もいるわけです。そうした姿はこれまで知られることもあまりなかったのですが,奇しくもこの頃のコロナウィルスの流行で,一躍明るみに出ました。
このように,呪縛から卒業した人たちは,毎日を自分なりに生きるために右往左往しているのですが,今や,この国の人口の半数はそうした人たちなのです。そうした人たちがひとりでも多く心安らかに日々を過ごせる国であってほしいと思います。
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もっともっと話題を飛躍します。私は,動物園に出かけて動物たちを見ると,飼育員さんからエサが与えられることでエサをとるという根本的な日常を奪われた動物たちにとって,時間を過ごすことがどういうことなのかな,退屈しているのではないかな,生きている意味ってあるのかなと思って,切なくなったりします。動物に向かって,ご趣味はなんですか? とこころの中で問いかけたりもします。
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さて,旅の3日目。
今日は土曜日でした。土曜日は,朝,カウナカカイのダウンタウンでファーマーズ・マーケットをやっているということだったので行ってみることにしました。この,週に1回ほど開かれるというファーマーズ・マーケットはアメリカに行くとさままな場所で行われていて,これまでもいろんなところでそれを見る機会がありました。私はこうした場所で何かを買ったということはこれまで一度もなくて,ひやかし専門です。というより,必要のないものは,旅行先であり日常であれまったく買いません。
駐車スペースがないと困るからと早めに行ってみたのですが,私はこの島のことを,まだ,まるでわかっていなかったということに行ってみて気づかされました。まず,島民の絶対数が少ないこと,そして,マーケットといったって数軒の露店があるだけだったからです。車を停める場所なんていくらでもありました。やはりモロカイ島はすてきな世界です。
マーケットのの中央で,若い女性がふたりフラダンスをやっていました。また,軒下でギターを弾いている人がいたりして,ちょっぴりマーケットらしい雰囲気もありました。

その後,コンドミニアムに戻って,今日は,1日何もせず過ごすことにしました。
ファーマーズマーケットの帰り,カネミツ・ベーカリーでパンを買い,マーケットで飲み物を買って,準備完了です。今日1日,コンドミニアムの部屋のベランダで,あるいは庭で,ずっと海を眺めるのです。海にはクジラが泳いでいて部屋からそれが見えるのです。もちろんテレビなどつけません。私がハワイでこうした時間の過ごし方を覚えたのは,昨年マウイ島へ行ったときです。しかし,マウイ島に比べて,モロカイ島は人が少ないだけでもマウイ島よりもずっと快適です。
考えてみれば,私がはじめて海外旅行に憧れたのは,子供の頃,百科事典に載っていたナイル川のほとりにたたずんで川を見ている人の写真を見たときからです。おそらく,私はこころのどこかに,こうした旅にずっと憧れていたのでしょう。それは,観光客で一杯の名所旧跡やテーマパークをあくせくとまわるような旅とはまったく真逆な世界です。しかし,これこそがもっとも贅沢な旅なのでしょう。

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星が美しかったのに気をよくした1日目の夜は夜半には雲が出たようでした。
そして2日目の夜。この晩はずっと快晴という天気予報だったので,2,3時間ごとに起きて星を見ることにしました。せっかくこれだけ条件のよいところに泊って,しかも,お昼間にどこか遠出をする予定もなくのんびりできる場所なので,翌日の心配はありませんでした。この島ではこれが最高の贅沢だと思いました。また,徹夜するということでもないので,体にはこたえません。
ということで,今日は,この晩に写した写真をご覧ください。

まず,1番目から4番目の写真は魚眼レンズで2,3時間ごとに南の空を写したものですが,天の川の位置が変わっていくのがよくわかると思います。
1番目の写真にはオリオン座が空高く写っています。冬の天の川です。そして,2番目から4番目の写真には水平線すれすれを動いていく南十字星が写っています。このように,北緯21度のハワイでは南十字星はこの高さまでしか昇りません。また,4番目の写真のように,夏の星座が昇ってくる明け方の天の川が最も見事です。皮肉にも3番目の写真のように南十字星が南中するころの天の川は,水平線をはっていてほとんど見ることができず張り合いがありません。
そういえば,わずか4年ほど前のことなのですが,南十字星を見たく見たくて,はじめてハワイに行ったときを思い出します。たった4年の間に,それ以来私はもう何十回とハワイで,あるいはオーストラリアで,またニュージーランドで,南十字星を何度も何度も見ることができたのが不思議な気がします。
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5番目の写真は西に沈みゆくオリオン座です。残念ながら,今回,水平線に,つまり海に沈んでいくオリオン座や,水平線から,つまり海から昇ってくるさそり座といった写真をうつすことはできませんでした。モロカイ島では西側の海岸,あるいは東側の海岸が見られる場所に行けば,こうした,海に沈む,あるいは海から昇る姿を写すこともできそうなので,また,次回,挑戦してみたいものです。
6番目の写真は,私が最も好きな南十字星からηカリーナにかけての天の川の写真です。このあたりの星野は南半球に出かけると最もフォトジェニックな場所としてだれもが魅了されるのですが,ハワイでも十分に堪能することができるわけです。
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そうこうするうちに東の夜がだんだんと白んできました。そうすると,この時期は,東の空に,火星,木星,土星が昇ってきます。それが7番目の写真です。これまで,日本でこの姿をたくさん写しましたが,日本では惑星は見えても,その背後にあるいて座やさそり座の星々,そして天の川は見えません。特に,いて座の美しいM8,M20 といった散光星雲を同時に写すことができたのがとてもうれしいことでした。

やがて夜が明けて星が消えるころになると,それがわずか数時間前のことだったのに,この同じ空に満天の星空が輝いていたのが夢の出来事のように思えるのがいつも不思議なことです。

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カラウパパ展望台とファリックロックへ行った帰り,モロカイ・ミュージアム&カルチャーセンターという博物館を訪ねました。 ここは,1878年から1889年の11年間稼働していたハワイで最も小さいシュガーミル,つまりサトウキビ工場の跡が博物館として公開されているところです。マウイ島にもアレキサンダー&ボールドウィン砂糖博物館というものがあって行ったことがあるのですが,比べものにならないくらいちいさな博物館でした。そもそもモロカイ島で博物館といっても,ここしかありません。入館料をはらって館内にはいるとシュガーミルについてのビデオの上映がはじまっていました。それを見てから庭の向こうにあったシュガーミルの建物を見学しました。残念ながらここは撮影禁止だったので,写真はありません。モロカイ島の観光名所といっても数えるほどしかないので,ばらばらとですが観光客が途絶えることはありませんでした。
次に行ったのがプアディーズ・ナチュラル・マカダミアナッツ・ファームでした。
クララプウという小さな町のはずれにある農場です。わずか5エーカー(1エーカーは陸上トラックの内側の半分くらい)の土地に50本のマカダミアナッツの木があって,オーナーのプアディーさんというユニークな人が,マカダミアナッツの実のつき方を紹介して,最後に試食をするということを無料で行っていました。以前,ハワイ島のコナでロイヤル・コナコーヒー工場&博物館というところに行ったのを思い出しましたが,ここもまた,それとは比べものにならない規模でした。

来た道を少し戻って,次に目指したがモロカイ島の西の端,右向きのアユでいえば尾ひれのあたりでした。
まず,西側の内陸部を走る州道460号線を終点のマウナロア(Maunaloa)とい町に向かいます。その途中にモロカイ空港があるのですが,モロカイ空港の手前に,クムファームという有機野菜をつくっている農園があって,それをショップで販売しているというので寄ってみました。小さな市場でお客さんが1組いました。私には買うものもないので,ただ眺めるだけでした。
さて,そのあと,マウナロアの町をめざします。マウナロアは,かつて島の西部の大部分を占めるモロカイランチにドール社がパイナップルプランテーションを広げていたとき,その中心となった町です。ドール社は撤退してしまったので,今は死んだような町となってしまいました。ほとんどの店は閉店し,その町にあったのは,1軒のスーパーマーケットと手作り凧の店だけでした。住んでいる人は何を生業としているのでしょう?

マウナロアから少し州道460号線を東にもどると,左折する道路があります。目立たない看板があると「地球の歩き方」には書かれてありましたが,目立ちました。
その道路を下っていくと,島の北西の海岸線に出ることができました。そこにあったのがケプヒ・ビーチリゾートで,一応,遠くから見ると,マウイ島にあるような立派なコンドミニアムが立ち並び,プライベートビーチもありました。私は,ビジター用の駐車場の車を停めて,歩いて海岸まで行ってみました。しかし,ほとんど客もおらず,ビーチも閑散としていました。それにしても,このリゾートは,レストランすらなく,ショップが1軒あることにはあるのですが,「OPEN」と入口にはあれど中は真っ暗で入る気になりませんでした。ここに宿泊していったい何をするのだろうと思われるほどさびれていました。
私は,さらに島の西側を海岸に沿って南に走って,パポハクビーチ(Papohaku Beach)に行きました。
パホハクビーチはハワイで最も長い白砂のビーチです。風が強く波が高く潮の流れも速いので泳ぐことはできないのですが,ボーッとするには最適な場所です。というか,ボーッとするほかすることもありません。広い駐車場とバーベキューエリアがありましたが,駐車場に空きスペースがないほど車が停まっているマウイ島のマケナビーチとは雲泥の差で,停まっている車は数台でした。私がビーチに行ったとき,1組のファミリーだけが砂浜に寝転んでいました。

モロカイ島にあったのは,これだけでした。どこもさびれにさびれていて,それがまたいいというか,これもまたハワイなのだろうか,というか…。これはある意味最高です。そのうち,どこかの大きなリゾート開発会社がこの島に進出して,こうした素朴さをすべて壊してしまうことがあるかもしれませんが,いまのところ,ここは地球に残された「最高の」秘境です。なにせ,30分飛行機に乗ればホノルル,つまり,だれでもすぐに行くことができる場所なのです。この島がずっとこの状態であることを私は祈ります。
カウナカカイの町に戻って,私が宿泊しているコンドミニアムから少し東にある公園に寄ってみました。この公園は海に面していて,広いグランドもありました。居たのは馬に乗った人がひとりでした。ここなら夜になると満天の星空が見られるだろうと思いました。
この日は前の日に行ったモロカイバーガーのとなりにあったモロカイピザカフェで夕食をとりました。ここのピザはハワイ6島の名前のついたいろんなトッピングが楽しめるということでした。私はピザが苦手 -とはいっても食べられないということでないのですが- で,海外に行ってもピザショップには入ったことがないのですが,この店のほかに選択肢もほとんどないので入ってみました。しかし,このレストランは決してピザだけではなく,いろんなメニューが選べたので助かりました。

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午前9時ころ,カウナカカイに戻ってきました。昨日はもう遅かったので多くの店が閉店していました。そこで,今日はウィンドウショッピングです。とはいっても,お店など,数えるほどしかありません。
私が行きたかったのは,カネミツ・ベーカリー&コーヒーショップでした。このお店はモロカイ島唯一のパン屋さんです。「地球の歩き方」によると,翌日の朝に並べるパンを仕込んでいる夜の時間帯に,焼き立てを求めて店の裏側にまわって行列を作るのだとか。私は別にそんな行列を作る気はなかったのですが,朝7時から店内のカフェスペースで食事ができるということで,朝食をとるために入ってみました。店内には地元の人がたくさんいて,みんな知り合いのような感じでした。
私はモーニングセットを注文して,ともかく朝食を終えました。モロカイ島の夜は開いているレストランも限られていますが,お昼間はこうしたお店がほかにもあるにはあります。店を出るときにドーナッツを勧められたので,ひとつ買いました。

お店を出て,今度は島の西側に向かいます。右を向いたアユに例えれば尾ひれの部分です。しかし,西側は南の海岸線には道路がなく,まずはカウナカカイから北上して北の海岸に行きます。その途中にあるのが,この島の空港です。2日目にしてやっと位置関係がわかってきました。
空港を左手に見てさらに北に進むと,クアラプウ(Kualapuu)という町があって,その先にモロカイ・ミュージアム&カルチャーセンターという博物館がありました。帰りに寄ることにしてそれを過ぎると,突き当りがパラアウ州立公園(Palaau State Park)の駐車場で,そこには2,3台の車が停まっていました。車を停めて少し舗装した道を歩くと,カラウパパ展望台(Kalaupapa Lookout)に到着しました。展望台からは右手に突き出した半島が眺められますが,この半島がかつてハンセン病患者の人たちを隔離したカラウパパです。
カラウパパに行く道路はないので,そこには,海から行くか狭い山道をカラウパパ・ミュール・ツアーに参加してミュールに乗っていくかしかないそうです。ミュールというのは,馬とロバを交配させて生まれた動物で,それに乗って5キロくらい行くのだそうです。しかし,私が行った時期はシーズンオフで,ツアーも実施されていないようでした。
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駐車場に戻って,今度は左手の別のトレイルを行きました。そのトレイルは松林のなかの舗装されていない山道で,5分ほど行くと,高さが2メートルほどあるファリック・ロック(Phallic Rock)に出会います。この岩の別名はナナホアのペニス(Ka Ule O Nanahoa)といって,子供に恵まれない女性がこの岩に触れると望みどおりの子宝に恵まれるそうです。こういうのは万国共通なのだなあと思いました。

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モロカイ島2日目の朝が来ました。
今日は島を巡ることにしました。東西に長細い右を向いたアユのような形をしたモロカイ島は,中央の南の部分が若干の平地となっていて,そこに島唯一の町カウナカカイ(Kaunakakai)があります。東には南の海岸線にそって先端に向かって道が伸びていて,先端近くの海岸がクミミビーチ(Kumimi Beach),そこから島の東の端までは山を登っていって,北東の果てがハラワ渓谷(Halawa Valley)です。まずは東にハラワ渓谷まで行ってから,帰りに見どころを見つけたら車を停めることにしました。
まだ夜が明けきっていなくて,白んだ空を右手に海岸線の片側1車線の道路を走っていきましたが,ほとんど車は走っていなくて,時折すれ違うのはこの辺りに住む人のピックアップトラックだけでした。
コンドミニアムから20マイル,32キロメートルほど走ったころ,先ほど表現した右を向いたアユでいえばエラのあたりで夜明けを迎えました。ちょうど海を眺められる駐車スペースがあったので,車を停めました。幸運にも,今まさに太陽が海から昇るところで,運よく日の出を見ることができました。ハワイというのは夕日が沈むのを見ることができる場所は多いのですが,日の出が海から昇るのを見られる場所は意外とありません。私が知らずに車をとめたところはクミミビーチでした。ここはヤシの木に囲まれた白砂のビーチで,スノーケリングポイントとして有名なのだそうですが,人はだれもいませんでした。

クミミビーチをすぎると,その先,海岸線に沿って道はなくなり,高台に向かって登り坂になりました。道路も狭くなり,曲がりくねっていてカーブが続きました。やがて丘の上まで来ると,そこは,ククイの木がうっそうとするラニカウラ・ククイの森(Lanikaula Kukui Grave)で,マナエ・グッズ&グラインズという小さなストアが1軒ありました。それを過ぎると,プウ・オ・ホク牧場(Puu O Hoku Ranch)があって,なんとこんなところに平原が広がっていました。アユで表現すれば眼の位置です。牧場と道路の境は有刺鉄線で囲われているにもかかわらず,数頭の野生のシカが次々と道路に飛び出してきました。シカは有刺鉄線をものともせず隙間を器用に通り抜けます。私はモロカイ島に野生のシカが生息しているのに驚きました。牧場ではウシがのどかに牧草をほおばっていました。昨晩の夕食のハンバーガーはこのお肉だったのでしょうか。
牧場を越えると,ついに道路は下り坂となりました。車が1台しか通れない道幅となり,海に落ちていくような急坂を下ると,眼下にはハラワ湾が見えてきました。ハラワ湾のまわりはかつては集落があって栄えたということですが,今はもう秘境以外の何モノでもない場所でした。道路もほとんど車が通った痕跡がなくなりました。遠くには滝が見え,湾の向こうには民家が1軒あるのですが,道もみつからず,どうやってそこに行くのかわかりません。以前行ったことのあるマウイ島のハナの町も秘境でしたが,ここに比べたらまったく大したことはありませんでした。
ここがモロカイ島の東の先端,まさに地の果てでした。すごいところに来てしまったような気がしました。しばらくハラワ湾を見ていました。
  ・・
引き返すことにしました。
帰りは途中の見どころをと思っていたのですが,見どころといっても,海岸線とビーチとそれ以外にはたったひとつ小さな教会だけでした。教会の前に駐車スペースがあったので車を停めて教会のなかに入ってみました。その教会はセント・ジョセフ教会(St.Jpseph's Church),1876年にダミアン神父が建てたもので,教会の建物の傍らに首にレイがかけられたダミアン神父の像が立っていました。

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私は通常,夕食は午後5時です。お酒は飲みません。ちなみに起床は午前5時,朝食は6時,昼食は11時です。星見に行くときは午前4時に起きたりします。睡眠時間は5時間ほどです。
歳をとって,海外旅行をしても時差ボケになりません。この日もまた,通常と同じように,夕食は午後5時でしたが,当然,こんな早い時間にレストランに行ってもほとんどお客さんはいませんでした。
夕食を終えて,コンドミニアムに戻って窓から外を見ると,庭ではバーベキューパーティの真っ最中でした。このバーベキューパーティにはお金を払えばだれでも参加できますが,私がひとりでのこのこでかけて行っても入る余地もないので,ご遠慮しました。もう少し若かったら参加したかもしれません。
  ・・
このコンドミニアムは私のような旅行者より,長期滞在をしている老夫婦が多く,要するにお金もちの別荘です。このような人たちは,お昼はベランダでひなたぼっこや読書,あるいはプールで寝そべっているという時間の過ごし方をしています。モロカイ島の海岸は海水浴には適していないので,こうしてプールがあるのです。
どこかへ行くといっても行く場所もないし,ショーをやっているわけでもない,だから,何もないところといえば何もないところだし,それがいいといえばいいわけです。こういった姿を見ると,人が幸せかどうかというのは,その人が自分なりの時間の過ごし方を知っているかどうかだと思うわけす。

ここなら星がきれいに見えるかな,と私は到着したときから期待しました。この旅では,もし星がきれいに見える場所ならと,期待半分で三脚と携帯赤道儀と天体撮影にいつも使っている改造カメラと交換レンズを持参してきました。それは,昨年ハワイ島に行ったとき,クラの宿泊先のベランダから満天の星空を見ることができて,そのとき,三脚だけでも持参してきてよかったと思った反面,赤道儀を持ってこなかったことを後悔したのを思い出したからです。しかし,おそらく使う機会はないだろうなあと思っていました。
それがうれしい誤算となりました。さすがにコンドミニアムの建物は安全のために街灯がありましたが,街灯を背に海を眺めれば,そこには満天の星空が水平線まで広がっていました。そこで,海岸に出て,オリオン座付近の星空を何枚か撮りました。カメㇻを操作しているとき,先ほどまでバーベキューパーティに参加していた人が通りかかりました。満天の星空が見られるというと,驚いていました。せっかく空にこんなすばらしいものがあるのに,それを逃すなんて,もったいない話です。
  ・・
明け方,起床したときにはまだ夜が明けていなかったので,再び,星空を写すことにしました。
今度は昇ってきたばかりのさそり座のあたりの銀河を写すことができました。オリオン座とさそり座を同じ夜に見ることができるのはこの季節ならではのことでした。

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旅をするときは,そこに生活する人とその場所の歴史を知る必要があります。でなければ,旅は単にレジャーセンターに行くのと変わりませんし,それでは何も学べません。
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モロカイ島を訪れる人が知らなけらばならない偉大な人がいます。それは,ダミアン神父です。
モロカイ島は,かつてハワイ史上最大の悲劇となったハンセン病隔離政策が行われた場所なのです。ダミアン神父(Father Damien)はベルギー出身の宣教師でカトリック教会の聖人,本名はヨゼフ・デ・ブーステル(Joseph de Veuster)といました。モロカイ島で,当時誰も顧みなかったハンセン病患者たちのケアに生涯を捧げ,自らもハンセン病で命を落としました。
人類の歴史上もっとも古くから知られ恐れられてきた病気のひとつであるハンセン病は,らい菌(Mycobacterium leprae)が主に皮膚と神経を侵す慢性の感染症で,治療法が確立された現代では完治する病気であり,ハンセン病回復者や治療中の患者さえからも感染する可能性は皆無です。古来,ハンセン病患者の外見と感染に対する恐れから,患者の人たちは何世紀にもわたり社会的烙印を押され,遠く離れた島や隔離された施設へ追いやられ,自由を奪われ,社会から疎外された状態で生涯を過ごすことを余儀なくされました。
オアフ島のワイキキビーチにセント・オーガスティン教会(St. Augustine By the Sea Catholic Church)があって,その建物の前にダミアン・マリアンヌ記念館(Damien and Marianne of Moloka'i Heritage Center)があるのですが,オアフ島に行く日本人のいったいどれだけの人がそこを訪れるのでしょうか。
私はオアフ島で真珠湾に行ったときに,真珠湾という場所を訪れる日本人があまりに少ないことに衝撃を受けました。鹿児島県の知覧とともに,こうした場所を訪ねることは,日本人の義務だと思うのですが。ハワイは,このモロカイ島の背負った悲劇や,明治以降の移民の歴史,そして,第二次世界大戦での惨劇など,決して浮かれ気分でいくだけの場所ではないのです。
カウナカカイの町を歩いていると,聖ダミアン・オブ・モロカイ教会がありました。この教会は2011年に建てられたもので,ミサの時間には観光客が出入りできると書かれてありましたが,私が行ったときはミサの時間ではなかったのですが開いていたので,中に入りました。教会の中にはダミアン神父の木像がありました。

さて,この日,私はまずカウナカカイのダウンタウンと反対の南の方向に走って,カウナカカイ桟橋に行きました。海岸から沖に800メートルほど突き出たハワイで最も長い桟橋です。この場所は,かつてモロカイ島がパイナップル産業で栄えたときの積み出し港だったところです。ここからは朝日も夕日も眺められます。
その後,カウナカカイのダウンタウンに行って,食事をする場所を探しました。路上のパーキングに車を停めて,いろんな店を見て回ろうと思ったのですが,この町の店のほとんどは午後4時に閉店をしてしまうのです。しかも,週末は休みだったりします。このペースでこの営業時間で商売が成り立つのが驚きです。そもそも観光客なんてほとんどいなし,島の人口はわずか7,000人ほどで,面積は大阪府の3分の1だから,この島だけで生活ができるにはほぼぎりぎりの大きさでしょう。ここに住む人は何を生業として生活しているのか? それにしても,お店も午後4時に終わり週休2日,日本人には考えらられない生活です。
  ・・
「地球の歩き方」に書かれてあったレストランの中には,もうお店がなかったり,営業時間が変わっていたりで,夕食の時間に開店しているところは2,3軒しかありませんでした。2軒ほどあったマーケットは夜までやっているのですが,中に入っても,食べ物は大家族用に大きくパックされたものだけで,パンをひとつで買うこともできません。食事代わりとなるのはカップヌードルくらいのものでした。ともかく,ここでスナック菓子とペットボトルの水を買いました。
そんなわけで,この日私は選択肢もなく,モロカイ・バーガーというハンバーガー店に入りました。このお店は注文を受けてから作るスタイルで,モロカイ産の放牧牛肉100パーセントのバーガーが売りだそうです。私が注文したのはマッシュルームバーガーという牛肉にマッシュルームがのったバーガーとフレンチフライとコーラでした。
幸いこのレストランはクレジットカードが使えましたが,モロカイ島には現金しか使えないお店もけっこうあって,私は現金を100ドルほどの小銭と非常事態のために別に100ドル札1枚しか持っていなかったので,心配になってきました。もちろん,ATMでお金を手にすることはできますが,可能な限りそんなことはしたくありませんでした。それはそうと,日本ではどこでも1万円札を出すような人もいますけれど,日本とは違って,100ドル札というのは受け取ってもらえないお店も多いのです。

食事を終えて,コンドミニアムに戻る前に足をのばしたのが,カプアイワ・ヤシ林(Kapuaiwa Coconut Grave)でした。ここは1860年代,カメハメハ5世が夏の間を過ごした別荘があった場所で,およそ1,000本の椰子の木が植えらえてそれが今も残っているという場所です。カウナカカイからわずか1マイルほど州道460号線を西に行ったところなのです。しかし,行ってみると,一帯は公園になっていたのですが,入口にはロープが張ってあって立ち入り禁止でした。「地球の歩き方」には林の中を自由に散策できると書いてあったのですが,中に入れずがっかりしましたが,老朽化したヤシが極めて危険なのでしょう。
到着わずが数時間にして次第にわかってきたのですが,モロカイ島は,主だった観光地 -といっても観光地すらほとんどありませんが- はさびれていて,レストランなどのショップの多くは閉店していて,日本の客の来なくなったテーマパークやシャッター商店街のようなところでした。

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私はホノルルのあるオアフ島は,これまで,次の日の帰国便が早く当日で乗り継ぎができなかったので,仕方なく空港近くのモーテルで1泊しただけなのでよく知りませんが,ハワイ島,マウイ島,カウアイ島などでは,宿泊できるのはほとんどがコンドミニアムです。それでも,ハワイ島やマウイ島ならホテルや民宿も探せばあります。いずれにしても,私のようなひとり旅にはハワイは個人で旅するにはきわめて不向きなところです。しかも,モロカイ島には泊まれるところ自体3か所くらいしかなく,選択肢も限られていました。私の選んだのはそのうちで最もカウナカカイの町に近いコンドミニアムでした。これまでコンドミニアムはカウアイ島で宿泊したことがあるので戸惑いませんでしたが,私ひとりには広すぎる場所です。
  ・・
到着は午後4時だったので,チェックインにはまだ早いかな,と思いました。とりあえず駐車場に車を停めて,オフィスを探しました。やっと見つけて中に入ってチェックインをしようとすると,オフィスを施錠して帰るところだったスタッフに,チェックインの時間は午後4時までで,もうその時間より遅いのでレイトチェックインのボックスに書類を入れておいたからそれを見るようにと言われました。こういう不愛想さが日本にはないところで,海外ではそういった対応がふつうだということを知らない,甘やかされた日本人には想像ができないことでしょう。
しかし,オフィスの裏にあると言われたレイトチェックインのボックスというのが,なかなか見つかりません。うろうろし,やっと探し出しました。しかし,ボックスに手を入れてみても何もありません。戸惑っていると,先ほど対応した帰りがけのスタッフが来て,何やってるんだ,と怒ったように言いました。もう一度ボックスを探すと,たしかに箱の端っこにくっつくようにして書類が入っていました。開けてみると,中には,部屋の番号とキーボックスをアンロックするナンバーキーの番号と,宿泊の注意事項の書かれた紙と,駐車許可証が入っていました。これだけでした。今にして思うに,もしもう少し到着が遅く,応対した不愛想なスタッフが帰ってしまっていたら,私は,ここで部屋すら見つけられず,いったいどうなっていたことでしょう。ある意味幸運でした。

数々ある棟のなかで一番端の棟で,部屋はその棟の2階でした。階段を上がると入口にナンバーキーのついたキーボックスがありました。指定の番号を押すとボックスが開き,中からルームキーが出てきました。これで宿泊は確保できました。さっそく部屋に入りました。
部屋からは南に海岸が開けていて,窓からは美しい海が見えました。その海の向こうに見えるのはラナイ島,海にはくじらが泳ぎ,時折,潮を吹いたり,ジャンプをするのが見えました。ひろい庭にはバーベキューコーナーもあって,写真で見る限りは別天地に思えることでしょう。
確かに別天地ではあるのですが,ハワイのコンドミニアムで庶民が宿泊できるような -それでも1泊するだけで2万円ほど,しかも,ベッドメイキングも何もなく,帰るときにさらに別途クリーニング代として1万円以上かかるのですが- ところの多くは,高級品としての商品価値のなくなったかなり老朽化したものです。マウイ島などには最新の豪華なコンドミニアムがたくさん建っているのですが,そうしたところに宿泊しようとすると1泊20万円ほどもします。アメリカはこうした格差社会なのです。本当の豪華なハワイなんて,庶民には手が出ない… これが,日本人の95パーセントが行ってハワイと勘違いをしてるワイキキビーチのような「ハワイという名のテーマパーク」ではない,本当のハワイの姿なのです。
部屋も見つかったことだし,荷物を部屋に入れて,さっそく出かけることにしました。このコンドミニアムには美容室とランドリーと自動販売機はあれど,売店のひとつもなく,いったい今晩はどこで食事をすることができるのか,それを見つけるのが,まずは課題でした。

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今回の旅もまた期待以上でしたが,たったひとつだけ失敗しました。それは,この時期はシーズンオフだと思っていたのが,天皇誕生日の連休だったということです。今回もまた,アップグレードしてファーストクラスで往復しようと思っていたのに,アップグレード代が昨年の倍ほど高く,どうしてかなあと思ってやっと気づきました。ファーストクラスで贅沢に往復の夢は断念せざるをえませんでした。
実は,この旅のフライトを予約したのは1年ほど前のことで,私はそのとき2月23日が天皇誕生日で24日が振り替え休日だということを知らなかったのです。だから,金曜日だけ休めば,木曜日の夜の便で出発して月曜日に帰るという3泊5日のハワイ旅行は暇な私でなくても可能なのでした。
そんなわけで,機内にはやたらと子供連れが多く,これだけは当てがはずれましたが,まあ,いずれにしても,私の行くモロカイ島にはだれも行かないから,到着してしまえば関係なかったのですけれど…。

眼下に見えたモロカイ島は赤茶けていて,思ったよりも広い島だということとそれほどきれいなところでないなあというのが第一印象でした。機内放送ではソフトドリンクのサービスがあるということだったのに,そんなもの配られる余裕もなく着陸してしまいました。
4年前,はじめてのハワイでホノルルに降りたとき,ぼっちい空港だなあと思ったのですが,トランジットでハワイ島の空港に降りたときは,,その素朴さに感動しました。今回のモロカイ島の空港は,ハワイ島の空港の比ではないほどの素朴感にあふれていました。日本の田舎の駅よりもさらに素朴な木造平屋建てでした。空港内にレンタカー会社のカウンタの残骸はあったのですが,用があれば外に出たところにオフィスがあるから直接そこへという張り紙があって閉鎖されていました。
そこで,荷物を転がして空港の建物の外に出ました。気持ちのよい気候でした。この空港の様子はアラスカのフェアバンクスの空港やオーストラリアのエアーズロックの空港と少し感じが似ていましたが,それ以上に田舎でした。空港のだだっ広い駐車場を横切って,プレハブ小屋のようなレンタカーのオフィスに行きました。
モロカイ島にはAlamoレンタカーしかなく,事前に予約をして料金も払ってありました。オフィスには係の女性がいて,さっそく書類にサインをして,車のキーを受け取りましたが,お客は私ひとりでした。この島は公共交通機関がなく,レンタカーなくしては何もできないので,海外旅行の経験が乏しい人にはかなり敷居の高い島のようです。
返すときにガソリンを満タンにする必要があるのかと聞くと,たった2日なら,燃料は半分しか使わないから,メーターが半分になったところでそのまま返せばいいと言われました。実際,島をすべてまわってレンタカーを返すとき,燃料は半分でした。予約してあったコンドミニアムまでどのくらいかかるかと聞くと20分程度ということでした。

車に乗って空港を出ました。空港から出ると,T字路になりました。そこには道路標示もなく,というか,あったかもしれないけれど,そもそも地名を覚えていないから意味がなく,はたしてどちらに行けばいいのやら…。調べればいいのですがそうしないのがいつもいい加減な私のこと,好奇心も手伝って,まあ,間違ったら戻るだけだと右折しました。
そのまま走っていっても平原が続くだけで海も町もなにもなく,すぐに海岸に到着すると思っていた私は心配になってきました。間違えたかなと思って,路肩に車を停めて,ついに iPhone のアプリで確認してみると,私が走ってきた道は大正解で,そのまま行けばいいということがわかりました。
さらに進むと,やがて,カウナカカイ(Kaunakakai)という小さな町に着きました。これまで,マウイ島やカウアイ島で小さな町というものに行ったことがあるのですが,この町はそれらとは比ではないくらい小さな町でした。しかし,この島にはカウナカカイしか町らしい町はないということでした。なんだかとてもうれしくなってきました。
予約したコンドミニアムはこの町から海岸に沿って東に少し行ったところです。それだけは調べてありました。とりあえず,カウナカカイの町を1周して,といったって1キロメートルもなかったのですが,コンドミニアムに向かいました。まもなくすると,コンドミニアムの建物が見えてきました。

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ホノルルのダニエル・K・イノウエ国際空港(Daniel K. Inouye International Airport)に到着しました。毎年来ているので,もう戸惑いません。入国の手続きは,KIOSK端末までは混んでいましたが,そのあとはすんなりと何も聞かれずパスポートに滞在期限のスタンプが押されて,空港から出ました。
この空港のターミナルのターミナル1とターミナル2の建物はつながっているのですが,入国の際は一旦ターミナル2から外に出る必要があるのです。再び,建物の外を歩いてハワイアン空港のチェックインカウンターのあるターミナル1に行って,再びセキュリティを通って建物に入らないといけません。はじめて来たときにはそれがわからず苦労しました。
  ・・
さあ,いつものとおり,ここでほとんどの日本人はいなくなります。みなさん,空港からホテルのシャトルバスに乗って魅惑のディズニーランド,いや,ワイキキビーチに向かうのです。この日,ハワイに到着した日本人は4,904人だったということですが,そのうちのほとんど,おそらく95パーセント以上はホノルル滞在でしょう。ここから別の島にトランジットをする日本人は果たして2ケタいるのでしょうか?
私は,カリフォルニアから砂を運んだ人工のワイキキビーチにはまったく興味もなく,ホノルルはハワイという名のテーマパークだと思っています。ハワイ好きを自称する芸能人も結局はホノルルを闊歩しているわけで,それは渋谷のセンター街とそう変わりません。

さすがにモロカイ島は,ハワイ島,マウイ島,カウアイ島とは違って,ハワイアン航空のリージョナル路線を運航するオハナ・バイ・ハワイアンが1日わずか3便就航しているだけでした。私は,セントレアからホノルルまではデルタ航空で,ホノルルからモロカイまではこのオハナ・バイ・ハワイアンでそれぞれ別々に予約したのですが,フライトスケジュールがしょっちゅう変更になるので,これを考慮して,ホノルルでの待ち時間を4時間とりました。そこで,今回のように順調にホノルルまで到着するとずいぶん待ち時間ができてしまうのですが,これは仕方がありません。この時間,ターミナル1に入ってから,搭乗時間までプレミアラウンジで過ごします。私は5回目にしてやっとこの空港の様子がよくわかってきたので,迷わず行くことができるようになりました。
やがて搭乗時間が近くなったのでゲートに行ったのですが,待合いのベンチにはほとんど人がいませんでした。まだ早かったのかなと思っていると,放送で名前を呼ばれました。まだ早かったというのは私の勘違いで,ほかの乗客はすでに機内にいました。
機体は ATR42-500 という42人乗りのターボプロップ双発旅客機で,乗客は80パーセントほどが埋まっていました。私の隣は空いていました。ATR というのはフランスとイタリアの航空機メーカーが合弁事業で興したものです。
離陸をすると,見慣れたオアフ島のダイヤモンドヘッドが眼下にありました。やがて海をこえると,次の島モロカイ島がすぐに見えてきました。こうして,ホノルルからわずか25分余りの飛行で,ついに,別世界のモロカイ島に到着しました。

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去る2月20日から2月24日まで3泊5日で,ハワイ州のモロカイ島を旅しました。すでに帰国していますが,今日からしばらく,この旅の様子について書きます。

すでに何度も書きましたが,私は,アメリカ合衆国50州すべてに行くという目標を立てて旅をしていました。そこで,ハワイ州にも行く必要があったのですが,ハワイなんて! 日本人ばかりで,まったく興味もなく,行こうとも思いませんでした。そもそもハワイ,ハワイと世の人は騒ぐけれど,そんな私は,いったいハワイ州には主な島がいくつあるかすら知りませんでした。唯一惹かれていたのがハワイ島にあるマウナケア山で,その山頂には日本が世界に誇るすばる望遠鏡が鎮座ましまして,せめてそのドームを見てみたい,そして,南十字星を見てみたい,という想いから,生まれてはじめて行くハワイとして選んだのがハワイ島でした。そのときのはちゃめちゃな旅の様子は,すでに,このブログに書きました。
行ってみた結果,ホノルルのあるオアフ島以外はほとんど日本人がいないということを知ってうれしくなり,急にハワイに目覚めてしまったわけです。それ以来,マウイ島にはハレアカラ山という,これもまた星空の美しい島があることを知って,今度はマウイ島に行ったり,カウアイ島がすばらしいと多くの人に言われて,その次はカウアイ島に出かけたりと,毎年,ハワイに行くことになってしまいました。そうなると,今度はハワイの大きな島をすべて制覇しようと思うようになりました。

ハワイ諸島は8つの大きな島と小さな島々,そして環礁によって構成されています。8つの大きな島は「主要な島々」(main islands)といいますが,これらの島々は北西部から南東に順に,ニイハウ島,カウアイ島,オアフ島,モロカイ島,ラナイ島,マウイ島,カホオラウェ島,ハワイ島となります。それ以外に,北西ハワイ諸島はニホア島からクレ島まで主に9つの小さな島が連なり,その他にもモロキニ島など100以上の岩礁や小島があります。それらのなかで,実際に人が生活しているのはオアフ島,ハワイ島,マウイ島,ラナイ島,モロカイ島,カウアイ島,ニイハウ島の7島ですが,ニイハウ島はロビンソン一家の所有で,人々が自由に行き来したり居住できるのは残りの6島です。
ということで,私が目指すのは6島制覇ということになります。なお,ニイハウ島は近年,ヘリコプターツアーがあって行こうと思って行けないこともないそうですが,私は冒険家でないので,除外します。
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これまでに行っていないモロカイ島とラナイ島をめざして,今回行ったのはモロカイ島でした。この島のいいところはツアーがなく個人旅行をするしかない,ということで,これだけでも私にはかなり魅力的でした。ハワイ,ハワイとディズニーランドに行くみたいに出かける日本人がいないだけでも快感です。私がこのモロカイ島で果たして何を見,何をしてきたのでしょうか? では,コロナウイルスでかまびすしい日本から出国です。
今回は,遅れてばかりでまったく信用していない名鉄と人混みを避けて,車で自宅からセントレア・中部国際空港まで行きました。空港の駐車場は事前に予約をしておきましたが,がらがらでした。もう私は海外旅行も慣れっこになってしまったので,いつものように,事前にiPhoneでオンラインチェックインを済ませ,出発のわずか1時間前に荷造りをしたバッグはキャリーオンにして,航空会社のカウンタにも寄らず,さっさとセキュリティを越えて,空港では搭乗時間までラウンジで過ごしました。
モロカイ島へ行くといっても,直行便はないので,まず,オアフ島のホノルルまで行きます。ホノルルまでは「ハワイ=オアフ島」と思っているウキウキムードのほとんどの日本人と一緒なのは仕方ありません。
ホノルルまで,行きはジェット気流に乗るのでわずか6時間,四国に行くより近いのです。深夜バスで名古屋から東京へ行くようなものです。食事をしてなんとなく寝ていたら,今回も朝食が配られるのを知らないうちに着陸態勢になって,窓からカウアイ島が見えてきました。その次の島がホノルルのあるオアフ島です。機体が下降をしているときにハワイ湾に潜水艦が運航しているのが見えました。そうこうするうちに,ホノルルに着陸しました。ALOHA!

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