ビューニッキ展望台をあとにして,タンペレの市街にもどりました。この街は,いかにもフィンランドの「森と湖の国」にふさわしいところでした。このあとは街中にある多くの見どころを順に周って,最後にムーミン美術館に行くことにしました。
そこで,まず向かったのがレーニン博物館でした。
私はロシア(ソビエト連邦)の歴史をほとんど知りません。知っていることとはスターリンの粛清でショスタコービッチなどの作曲家が苦労したことくらいです。
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ウラジーミル・イリイチ・レーニン(Влади́мир Ильи́ч Ле́нин)はロシアの革命家です。ロシア社会民主労働党(=ボリシェヴィキ,のちにロシア共産党と改名)の指導者として活動し,十月革命を成功させ,革命政府の人民委員会議議長として史上初の社会主義国家であるソビエト連邦の初代指導者を務めました。その次の指導者がスターリンです。ヨシフ・ヴィッサリオノヴィチ・スターリン(Ио́сиф Виссарио́нович Ста́лин)はソビエト連邦の第2代最高指導者で,1930年代の大粛清(Большой террор)とよばれる大規模な政治弾圧を行いました。
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レーニン博物館は,フィンランドとソ連の和睦の証として1946年に設立された博物館で,労働会館の3階のフロアにありました。労働会館のビルの入口を入ると,ホールのようなものがあって,この日は何も催しがなかったので,閑散としていて,上に博物館があるとも思えない感じでしたが,ためらいながら階段を昇っていくと,博物館の入口に着きました。
入館料を払って中に入りました。けっこう多くの入場者がいました。この博物館は,ロシア革命からペレストロイカまで,ロシア(ソビエト連邦)の歴史が細かく展示されていましたが,私には勉強不足でよく理解できない博物館でもありました。

次に行ったのがアムリ労働住宅博物館でした。ここは1880年代から1970年代までの労働者たちが住んでいた住宅を(おそらく)移築して保存,公開してある博物館でした。あまざまな年代の多くの住居が一か所に集められていて,それらの中に入ることができます。そして,当時住んでいた人の名前や職業がこと細かく書かれてあって,フィンランドの人々の生活の歴史がとてもよくわかりました。
日本でも古い時代の住居跡が博物館となっているところがありますが,こうして,さまざまな時代の住居が一か所にまとめられているというのは,私はしりません。
私にはなかなか興味深いところでした。どの国も,こうした人々の歴史があって,今の便利な生活があるのだなあ,としみじみと思いました。ここはゆっくり見る価値がありました。

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