しない・させない・させられない

Dans la vie on ne regrette que ce qu'on n'a pas fait.

USA50州・MLB30球場を制覇し,南天・皆既日食・オーロラの3大願望を達成した不良老人の日記

タグ:月

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☆☆☆☆☆☆
 2024年2月12日は,天気がよく,太陽やら月やら彗星を写すのに忙しい日になりました。というか,自分で勝手に忙しくしていました。
 まず,太陽です。
 現在,太陽の表面にすごくたくさんの黒点があります。そこで,何となく写したのが1番目の写真です。数年前には,まったく黒点がなかったのがうそのようです。
  ・・・・・・
 太陽の表面にあらわれる黒いはん点を太陽黒点とよびます。黒点はふつう中央の暗部とまわりの半暗部からなっており,暗部の温度は約4,000度,半暗部は5,500度です。光り輝く太陽の表面の温度は約6,000度なので,,温度の低い黒点の部分が暗いはん点として見えるのです。
 太陽全体では約11年の周期で,表面にあらわれる黒点の数は増減し,黒点周期とよばれます。
  ・・・・・・
 ということで,私は,特に太陽に興味があるわけでもないのですが,2017年に,アメリカで皆既日食を見るために持っていこうと購入し,太陽観測用に改造した,安価で軽いMILTOLという望遠鏡が役割を終え,そのままではもったいないで,自宅で太陽の黒点を撮影するために使っているのです。ちなみに,今年,2024年4月8日,再び,アメリカ横断皆既日食があります。

 次が月です。
 2月12日は月齢2.4。月の満ち欠けなど,珍しくもないのですが,この時期は空が澄んでいるので,とりわけ美しいのです。そこで,まだ,太陽が沈むまえに写したのが,2番目の写真です。その後,太陽が沈んだら,とりわけ美しい地球照が見えるようになったので,再び写したのが3番目の写真です。
  ・・・・・・
 地球照は,月が欠けて暗くなっている部分が地球に照らされてうっすらと見える現象です。英語には「the old moon in the new moon's arms」という慣用句があります。
 これは,地球が反射した太陽の光が再び月の夜の部分を照らし,その光がまた地球に反射して見えるのです。太陽が地球を照らして反射する明るさは,満月の70倍もあるので,青く輝く地球の光が月面の影の部分を照らすのです。
  ・・・・・・

 そして,最後がポンス・ブルックス彗星(12P/Pons-Brooks)です。午後7時25分に写しました。
 先月1月11日にも写しましたが,それから1か月過ぎて,かなり明るくなりました。2か月後には最も明るくなるので,楽しみです。
 しかし,夕方の西の空低い位置にいるので,よほど空の開けた,しかも暗い場所があるところでないと,捉えることが困難です。また,明け方の北東でも見られるのですが,こちらもまた高度が低く,さらにむずかしいでしょう。

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 このところ,明け方の東の空に,水星と火星が接近しているということです。
 2024年1月8日から1月10日の早朝は,金星,水星,月の並びが美しく,多くの写真を撮りました。このときも火星が地平線ぎりぎりにあったのですが,確認できませんでした。
 現在も,火星の高度はそのときと同じくらいで,日の出30分前でも5度程度と非常に低いものです。すでに薄明が進んでいて「こんなもの見えるのかな? 写るのかな?」と疑問があったので,見えなければ見えなくてもよくてそれを確かめることが楽しいから,実行してみることにしました。

 火星と水星が最も近づいたのは1月28日だったのですが,あいにく曇っていて,見ることができませんでした。翌1月29日は晴れ渡ったので,挑戦することができました。
 70ミリレンズを使うと金星と火星と水星を同じ画面に入れることができて,金星を右上に配置すれば,左下に火星と水星が入るので,画角に入れるのは容易で,写すためには感度と露出時間の塩梅だけでした。露出時間が少ないと星が写らず,反対に多すぎると,すでに薄明がはじまっているので,空に被ってしまい写りません。その匙加減がむずかしいのです。
 午前6時に撮影をはじめました。
 はじめに露出時間4分の1秒,ISO1600で写した写真を確かめてみると,昇ってきた水星を捉えることができたので,うれしくなりました。よく確かめると,火星も写っていました。さらに時間を置くと,高度が高くなってきて,水星と火星はカメラのファインダーでも簡単に見えるようになり,写真では,火星は赤く,水星は白く写りました。その位置に双眼鏡を向けると,水星は簡単に見つけることができて,水星から目を凝らして右上に写すと,火星も見ることができました。
 さらに高度が高くなると,肉眼でも確認できるようになりました。
 しかし,わずか10分後には空が明るくなってしまい,その姿は視界から消えました。

 反対側の空に目をやると,薄明の中,有明の月が美しく輝いていました。
 1月の満月を「ウルフムーン」といいます。今年1月の「ウルフムーン」は1月26日だったので,1月28日は月齢17。この月を「立待月」といいます。
  ・・・・・・
 「立待月」とは,日没後に今か今かと立って待つうちに出てくる月,の意です。
 十五夜以後,月の出はしだいに遅くなり,十六夜の月は山の端にいざよい,十七夜「立待月」は立ち待つほどに出,十八夜「居待月」(いまちづき)は座し居て待ち,十九夜「臥待月}(ふしまちづき)は臥して待ち,二十日「更待月」(ふけまちづき)は夜半近く,というように出が遅くなっていきます。これらはそうした月の名称です。
 西洋では毎月の満月にニックネームをつけ,日本では,月の満ち欠けひとつひとつに名称を与えるという,この感性の違いがおもしろいです。
  我門をさしわづらひてねるをのこ
  さぞ立待の月もみるらん
    「新撰六帖」第一 衣笠家良
  ・・・・・・
 この日は夕方からずっと晴れ渡っていたので,前日の夕刻も,月が出る午後7時30分を過ぎたころ,東の空に昇ってきた赤く輝く月を見ることができました。明け方には,その月が位置を変えて,西の空に,まぶしいくらいに白く輝く姿を見ることができました。
 この月の「しおり」(Shioli)と名づけられたクレーターでは,今,日本が送り込んだ月探査機「SLIM」が,太陽の光を受けて眠から目を覚まし,活動を開始しました。 

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 冬は空気が澄んでいるので空が美しく,特に,かわたれどきといわれる明け方の東の空は絶品です。一方,別の方向を見ると,雪を被った御嶽山,伊吹山などの山々も美しく輝いていて,神秘的に見えます。
 今年1月は,東の空に,月,金星,水星が揃い踏みです。また,さそり座が横たわっていて,さそり座の1等星であるアンタレスも明るく輝いています。月の位置が少しずつ変わるので,毎朝見ても飽きるものではありません。
 今日の写真は,上から順に,2024年1月7日,1月8日,1月9日,1月10日に写したものです。特に,1月10日は月齢が27.9という,見えたらもっけものの月の姿です。
  ・・
 明るく輝いている金星の西方最大離角は昨年2023年10月24日で,今は,次第に高度が低くなってきています。一方,水星は2024年1月12日に西方最大離角となるので,次第に高度が高くなってきています。この日まで金星と水星は近づいていくのですが,それを過ぎると,共に,ほぼ同じ間隔を取ながら,高度を下げ,太陽に近づいていって,1か月後には,明け方の空に見ることはできなくなります。
 また,月は2024年1月10日に新月となります。
  ・・・・・・  
 地球よりも太陽の内側にある水星や金星は,地球からは見かけ上太陽からある角度以上離れることはありません。その角度が最大のときを最大離角といい,夕方の空に見えるとき,つまり,太陽の東側にもっとも離れるのが「東方最大離角」,明け方の空に見える,つまり,西側にもっとも離れるのが「西方最大離角」です。
  ・・・・・・
 水星の下には火星があって,火星,水星,金星がほぼ等間隔に並んでいるということなので,昇ってくる火星を見ようと工夫をしてみたのですが,火星が地平線から昇ってくるころには夜が白んできて,見ることができませんでした。

 以前載せたことがある歌ですが 
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 阿加等伎乃 加波多例等枳尓 之麻加枳乎 己枳尓之布祢乃 他都枳之良須母
 暁の かはたれ時に 島蔭を 漕ぎ去し船の たづき知らずも
 暁の薄明かりの時に島陰を漕ぎ去った船がなんとも心細く思えることよ
  「万葉集」巻20・4384 他田日奉得大理(おさだのひまつりのとこたり)
  ・・・・・・
 街灯もなく,空が暗いので,今よりも明け方の空は美しかったと思うのですが,「万葉集」には,夜が明ける前について,あまり詠んだ歌がありません。この歌を詠んだ他田日奉得大理は,奈良時代の防人にして下総海上郡の国造ということです。

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 異常な暑さの続く日々。わざわざ早起きしなくても午前3時に起きるようになったので,これを幸いに,涼しい時間に早朝散歩となりました。しかし,空を見上げれば,水星,金星,火星,木星,土星,さらには天王星,海王星まで並んでいるので,散歩どころでなく,魚眼レンズをつけたカメラを三脚に取り付けて持参するようになってしまいました。ところが,晴れていても,空には雲があったり,東の空低く雲が覆われていたりと,なかなか満足のいく写真が写せません。
 今日の2番目の写真は6月28日のものですが,水星がかろうじて雲の間から顔を覗かせて,それを狙って写ればそれで感動するような有様でした。
 さて,そんなこんなで1週間。すでに月は新月を越えてしまったので,この惑星揃い踏みに月が参加しなくなったのが残念なのですが,それでも,6月30日は,ついに雲がほとんどなく,星が輝いていました。こうなると,水星が地平線から顔を出したときからが勝負です。問題なのは,時間が経つにしたがって空が明るくなってきて,天王星と海王星が写らなくなることと,水星を写そうとすれば東の白んだ空に消えてしまわないように,露出を抑える必要があるということで,困難を極めるのです。
 そんな状況だったのですが,何度もシャッタースピードを変えながら,なんとか惑星すべてが写ったのが今日の1番目の写真です。水星は,写真でこそ写しにくいものですが,双眼鏡では思った以上にはっきり見えるので,一度場所がわかってしまえば,肉眼でも探し出せました。
 こうして,やっと,満足な写真が写せました。

 しかし,それよりも…。
 田んぼの用水路に何か生き物がいるのです。大きな音を立てて泳いでいます。これは毎朝のことだったのですが,はじめは魚だろうと思っていたので,気にも留めていませんでした。ところが,6月30日,ついに目撃してしまったのです。それは巨大なネズミでした。
 家に戻って調べてみると,ヌートリアでした。
  ・・・・・・
 ヌートリアは,南アメリカが原産のネズミ目ヌートリア科ヌートリア属の動物。頭胴長40センチメートルから 60センチメートル。
 ヌートリアの毛皮は,水に濡れても保温できる毛皮として,質が高いとされ,毛皮を目的に導入されたものが,養殖場から逃げ出したり放逐されたりした個体が,野生に定着。日本でも,1940年代後半から1950年代に毛皮の需要が減少したことで大量に放逐され,野生化。
 今後日本で広がった場合,生態系への影響が懸念される動物。
  ・・・・・・
とありました。
 さらに,新幹線の線路は,この日もまた,架線工事の車両が走っていました。
 このように,人々が活動を開始する以前の世界は,思った以上にさまざまな出来事が繰り広げられているのです。

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 梅雨明けだそうです。というより,今年は梅雨そのものがあったのでしょうか?
 前回も書いたように,惑星直列のせいか? 地球自体がいろいろとおかしいような気がします。いよいよ終末か! という気がしないでもないのですが。

 という悪い冗談はともかくとして,昼間は暑いので,早朝散歩を楽しんでいます。一向に晴れないので,星見に遠出する気もないのですが,散歩をするだけなら問題ありません。
 6月27日の朝も,午前4時まえに散歩に出かけようと外に出てみると,たくさん雲がありましたが,東の空には雲が切れていて金星と月齢27.6の薄い月がきれいでした。こうなると予定変更です。さっそくカメラと三脚を取りに行って再び行動開始です。
 とはいえ,どんな画角で写せるのか事前に下調べもしていないのでさっぱりわからず,広角から望遠まで,おまけに魚眼レンズも持参することにしました。
 今にも月を雲が隠してしまいそうだったので焦りましたが,なんとか写すことができました。

 雲がまったくないのなら,それなりに空の暗いところまで行って,7惑星をすべて収めた写真を写す気力も湧こうというものですが,こんな天気ではそんな気持ちにもならず,しかし,考えてみれば,雲がほどほどに空を覆っているのもまた風流です。
 前回にくらべて月齢がずいぶんと増して,惑星の間を移動していたのですが,その間,まったく晴れなかったので,ずっと何も見ることができませんでした。
 それにしても,惑星がすべて明け方の空に見えるというのは今日の最後の写真のような位置関係だからです。この図はステラナビゲーターからとったものです。

 さて,まだほとんどの人が目覚めていないこの時間,結構興味深いことが起きています。
 まず,これは毎晩のことではないようですが,新幹線の架線に,工事用の長い列車が通りました。さらに,月と金星の横を飛行機雲が流れていきました。望遠レンズで見てみるとジェット機でしたが,これは不思議なことです。こんな時間に旅客機が通るというのはどういうことなのでしょう。さすがに国内線ではないと思うので,海外からの帰国便でしょうか。方角的にはセントレア・中部国際空港に向かっているようでした。家に戻ってしらべても,この時間に到着する便はないので,おそらく貨物便なのでしょう。

 いずれにしても,深夜に車を走らせても,これまでは頭の中は星見でいっぱいだったので気づかなかったのですが,この時間,結構知らないことがたくさんあって,それなりにおもしろいものだと,近ごろ思うようになりました。
 おそらく,この夏は異常な猛暑になることでしょうから,しばらくは昼夜逆転で過ごすとしましょうか。

太陽系


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 6月14日の朝日新聞「語る・人生の贈りもの」というコラムに,囲碁棋士の小林光一さんが「3時に起床して囲碁の研究をしている」とありました。
  ・・・・・・
 3時に起きてます。昔から早寝早起きだったけど,さらに起きるのが早くなってね。
  ・・・・・・
 だそうですが,私も同じようなもの。歳をとると寝るのも体力がいるのです。そこで,早起きになった私は,早朝に星を見るのはまったく苦ではないのです。しかし,特に6月は夜明けが早く,午前4時にはもう明るくなるので,星を見るために早起きするとなると,午前4時ではすでに遅いので,若い人には困難な話です。

 そんな季節ですが,現在,明け方の空には,水星,金星,火星,木星,土星,天王星,海王星まで揃っています。これを「惑星直列」とかいうそうです。さらに,ここ数日は月までも参加です。
 しかし,あいにくの梅雨空なので,一向に晴れません。
 6月19日は午前3時30分に起床しました。今日も曇りだろう,とは思ったのですが,せっかく起きたのだからと窓を開けると,意外にも月や金星が明るく輝いていました。そこで,カメラを三脚に固定して,魚眼レンズを取りつけて,サンダル履きで近くの田んぼのあぜ道まで出かけました。寒くないので楽です。そして午前3時46分に写したのが,今日の1番目の写真です。
 こういった現象は,写真で見るより,実際に空を眺めたほうがずっと感動するものです。

 ところで,もう,6年以上も前のことになりますが,当時もまた「惑星直列」が話題となりました。そのときのバカげたニュースは次のものでした。
  ・・・・・・
【緊急警告】
 1月20日,5つの惑星が一直線に並ぶ「惑星直列」(The Parade of Planets)が起きる!  地球が無重力になり,自然災害も多発か!?
  ・・
 しかし実際のところ,地球が無重力状態となる現象は起きませんでした。
 ちなみに,過去に水星から海王星までの太陽系の全惑星が絡む「惑星直列」が起きた年の出来事を調べてみると,989年の新潟焼山の大噴火,1666年のロンドン大火,1982年の北海道浦河沖地震やフォークランド紛争など,世界を震撼させるような事件や災害が起きていることは確かです。
  ・・・・・・
 ということだったのですが,であるなら,このところの新型コロナウィルスの世界的な蔓延も,ロシアによるウクライナ侵攻も,異常な円安も,半導体の不足も,ジェネリック薬品の品薄も,みな「惑星直列」が原因なのでしょうか?

 ところで,この,2016年に起きた「惑星直列」は1月末から2月はじめのことだったのですが,このときに写した写真も載せておきます。3番目が2016年1月31日で5番目が2016年2月8日,ともに朝6時ごろです。このときは冬だったので,空が明るくなるのは遅く,さほど早起きしなくてもよかったのですが,最も寒いときでした。当時はすごい現象を写したと思っていたのですが,このときの「惑星直列」は現在とは違って,天王星と海王星は参加していなかったことを,改めて今回調べて知りました。
 ならば,今回のほうがずっとすごいです。でも,晴れないので,「惑星直列」は話題にもなりません。いや,それとも,世の中に星を見ているような余裕がないからでしょうか?

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 すでに冬は過ぎ,6月の夏至をめざして,夜がどんどん短くなっています。
 この季節,明け方の東の空に,土星,火星,海王星,木星,金星と5つの惑星が並んでいて見事です。この中でもひときわ明るい木星と金星の距離が日に日に近づいたり,また,離れていったりと,毎日見ても見飽きるものではありません。
 なのに,これらが見られるのは,早朝4時過ぎであり,5時ではすでに空が明るくなってしまうのです。
 また,夕方の西の空には,この5つの惑星から取り残された孤高の水星が,4月29日に東方最大離角となり,これもまた,最大高度でみることができます。そして,そこに,月が仲間入りしたりと,まことに美しいのです。
  ・・
 幸い,私の住むところからは,西の空も東の空も,ずいぶんと低いところまで見ることができるので,その点は,ビルや家々に隠れてこんなにすばらしい夜空を見ることができない都会に住む人が気の毒なくらいです。
 ということで,私は勝手に忙しくしていて,早朝からカメラと三脚を持参して田んぼのあぜ道で写真を写して楽しんでいます。

 ところが,きわめて残念だったのは,木星と金星が0.2度という月の大きさの4分の1もの大接近をした5月1日の早朝,そして,月齢1.6の月が水星の真下にあるという5月2日の夕方,ともに曇ってしまって,まったく見ることができなかったということでした。
 ただし,5月2日の夕方は,かろうして月齢1.6の月だけ,一瞬みることができました。
 すでに,5月1日のブログに4月30日の明け方の5つの惑星を写した写真と,5月4日のブログに5月3日の夕方の月と水星を写した写真を載せたので,今日は,その前後に写したものを載せておくことにしました。
 1番目の写真は5月2日の明け方に写したもの,これは薄曇りがあります。また,2番目の写真はすでにブログに載せた5月3日の別の写真,そして,3番目の写真はそのときの月齢2.6の月を拡大したものです。また,4番目の写真は,5月2日の夕方にかろうして見えた月齢1.6の月をなんと手持ちで写したものです。
 また,1月後の5月の終わりから6月のはじめにかけて惑星や月が同じような条件になるので,それを楽しみに待つことにします。

 ところで,ただひとつ残された惑星である天王星は今どこにいるのでしょうか?
 実は,天王星は,ちょうど太陽のうしろにあって,しばらくはまったく見ることができなのです。
 今はそんな天王星なのですが,今年は,2022年11月8日に皆既月食があって,皆既月食中に天王星食が見られる,という珍しい現象があります。つまり,皆既中の月が天王星を隠すのです。これを楽しみにしたいと思います。

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 2022年2月は,最悪でした。毎日天気が悪く,寒い日が続きました。昨年であれば2月上旬に咲いていた梅は,3月になろうとしているのに,ほとんど咲いていません。
 しかし,確実に春は近づいていて,夜明けが早くなってきました。この時期,早朝5時過ぎから6時ころは夜明け前の東の空がきれいです。そして,今年は,そこに明けの明星が明るく輝いています。

 都会では,金星だけが見えますが,よく目を凝らすと,その右下に火星が見えます。さらに,金星の高度が高くなったころ,水星,そして,さらにその下に土星が昇りはじます。
 そこに彩を添えるのが,日々形と場所を変える月です。
  ・・
 幸い,私の住んでいるところは高い建物がないので,地平線近くまで見通せます。あいにく空が明るくて満足に星は見られませんが,夜明けの空に惑星を見るだけならそれでもなんとかなります。
 ということで,ここ数日,早朝5時過ぎに三脚にカメラを取りつけて,東の空を写しました。それが今日の写真です。

 まず1番目は2月25日です。
 この日はまだ月が惑星から遠かったのですが,空が澄んでいて美しかったので,超広角にして,月も加えて写しました。地平線近くに昇ったばかりの水星も写りました。もう少し後までいて土星も写せばよかったのですが,このときは土星は空が明るくなりすぎて写らないと思い込んでいました。
  ・・
 2番目は翌2月26日です。
 昨日の空の美しさでやる気になったのはいいのですが,空の低いところに雲が出ていて,残念な結果となりました。
  ・・
 3番目が2月27日ですが,この日の空は最悪でした。
 毎日観察していると,毎日,空気が澄んでいるかどうかで,まったく星の見え方が違うことを認識します。晴れていて空が澄んでいると簡単に見ることができる地平線ぎりぎりの星々ですが,それがまったく見られなくなるのです。 
 土星も写すぞ,と意気込んでいたのですが,土星どころか水星すらやっと写真で確認できたほどでした。
  ・・
 4番目が月齢26.9になった2月28日のものです。この日は最高の条件でした。空は澄み渡り,月と惑星が写真に最も魅力的に写る位置にありました。そして,念願の土星もなんとか写すことができました。
 まったくこの前の日まで眼中になかったのですが,以前に2度写したことがあったハッブル宇宙望遠鏡がちょうど明け方に南の空を通過することを知りました。そこで,どこに見られるかを急遽調べたら,この写真の右上の金星のあたりから左下の土星のあたりまでを横切ることがわかったので画角を合わせて通過する時間に写してみました。しかし,どういうわけか,まったく見ることも写真に写すこともできませんでした。


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DSC_0419DSC_9529ssxDSC_8028sdx 11月8日は月が金星を隠す金星食でした。とはいえ,お昼間のこと,月も金星も見ることができるのかな? と疑問でした。
 子供のころ,名古屋市科学館の大きな望遠鏡で,お昼間の金星を見る,という集まりで見たことがあって,私は,お昼間の金星は望遠鏡を使わなければ見ることができないものだと思い込んでいました。
 しかし,私の持っている望遠鏡は自動導入でないから,視野の狭い,かつ,長い鏡筒を振り回してお昼間の金星を視野に入れるのも大変そうに思えました。
 
 11月8日。
 残念ながら雲が空を覆い,探すこともできませんでした。今日の一番最後の写真は国立天文台が写したものです。
 そして,その夕方,依然として雲に覆われていたのですが,一瞬雲が切れて,月と金星を写真に収めることができました。それが今日の1番目の写真ですが,すでに,月と金星はずいぶんと離れてしまっていました。
  ・・
 11月9日。
 皮肉にもこの日は晴天でした。そこで,昨日の疑問を解決しようとお昼間に月と金星を探すことにしました。
 月は簡単に見つかりました。双眼鏡の視野に月を入れて,そこから金星を探すと,思ったより簡単に金星が視野に入りました。そして,その場所を眺めてみると,確かに肉眼でも金星が確認できました。 
  ・・
 11月10日。
 早朝,日の出30分ほど前に,東の空に水星と火星が接近しているということで,それが見られるかどうかを試してみることにしました。情報によると「11月上旬,明け方の東南東の低空に水星と火星が大接近して見える。最接近は11月11日で,1度未満まで近づくが,日の出30分前で高度が5度未満と非常に低く,しかも,火星が約2等級と明け方に見るには暗いため,観察の難度はかなり高めだ」とありました。
 双眼鏡を水星のあるべき位置に向けると,簡単に水星は視野に入りました。しかし,火星は見ることができませんでした。少しして再び探して見ると,確かに火星を双眼鏡の視野で見ることができました。そして,その位置を目を凝らして肉眼で探すと,火星を見ることができました。
 写真ではあまり露出をかけると露出オーバーで星が飛んでしまうし,露出をかけないと今度は星が露出不足で写らないのですが,いろいろと設定を変えて数コマ写してあとで確認すると,火星がちゃんと写っていました。

 いつも書いているように,何事も確かめるに限ります。
 こうしてまた,疑問がひとつ,いや,ふたつ解けました。IMG_1706a


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 このところ,ドクターイエローと国際宇宙ステーションの動画と写真ばかりを写しています。お金もかからず,近場で楽しめ,人と会わないので,最高です。しかも,奥が深いのです。
 ところで,私が「撮り鉄」が嫌いなのは,第一に群れること,第二に道徳心がないこと,それが理由です。ひとりで楽しめばいいのに,群れて行動しています。さらには,場所を占有したり,田んぼに入り込んだりと,傍若無人です。
 幸い,私の家のベランダから新幹線が見えるので,家から写しているときは平和なのですが,いざ,近くで写そうと架線に近づけば,ドクターイエローが走る日は,カメラと三脚をもった人たちが群れていて気がめいります。私は地元なので,それでも,人が近づかないところを知っているからよいのですが,これには参ります。だから,私は,間違っても「撮り鉄」にはならないのです。

 さて,今日の本題である国際宇宙ステーションです。
 3月は日が沈んで暗くなってきたころに,ちょうど月がいい位置にあって,連日,月の近くに見ることができます。しかし,毎回なんらかの条件がちがうので楽しいです。しかし,予習もできず,どのように見えるのか皆目見当がつかず,いつもぶっつけ本番なので大変です。
 3月17日は,なんと,月の欠けた部分の表面を通り,しかも,太陽と国際宇宙ステーションの位置関係で,月の表面に来るまではまったく見えず,月を通過するときだけ一瞬明るく見える,というとんでもないものでした。このときにどうにか写した写真はすでにこのブログに載せましたが,露出が不足だったので,国際宇宙ステーションが暗くしか写らず,悔いが残りました。
 国際宇宙ステーションの撮影には,長時間露出して動く軌跡を写したり,拡大して写したり,動画で写したりと,いろんなパターンがあります。長時間露出で写す場合は,空の明るいところでは,露出オーバーで白くなってしまい,暗い星が写りません。そこで,短い時間の露出を繰り返して,あとでコンピュータで合成するという方法をとることにになります。拡大して写す場合は,その位置を正確に把握しておく必要があります。また,動画で写す場合,私の持っているカメラでは,1コマあたりのシャッタースピードを30分の1秒より遅くできないので,ISOと絞りを工夫して,なるベく暗い天体まで写るようにしなけばなりません。
 さらに,今回の写真のように,月と一緒に写真に入れて写すには,月の模様が写る適性露出で,しかも,国際宇宙ステーションも写らなければならない,という条件になるので,結構きついです。

 3月19日。この日はもともとは写す気がなかったのですが,「きぼうを見よう」というサイトを検索していたら,私の住んでいるところで,国際宇宙ステーションが月の表面を通るというのを見つけて,急にやる気になりました。しかし,「ステラナビゲータ」で詳細に調べ直すと,どうやら私の住んでいるところでは,月の表面からは少しずれているようでした。そこで,さらにより詳しく調べてみると,今回,月の表面を通過するように見える場所は,北緯35度20分から北緯35度22分の帯状のところだとわかりました。
 これまで私は知らなかったのですが,月の表面を通るように見える場所というのは,これほど狭い場所に限るわけです。これには驚きました。そこで,その条件に適したところで写さなければなりません。Google Map を使って,緯度を特定して,しかも,なるべく空の暗いところをいくつか探しだして,下見までしてきました。そうして見つけたのが,家から車で30分行った河川敷のキャンプ場でした。
  今回は,動画と拡大写真を写すことにして,機材を用意しました。
 そして,現地に到着したのが18時39分。快晴でした。
 国際宇宙ステーションは,予報通り18時56分20秒過ぎに月をかすめ,さらに火星に接近して飛行していきました。とてもきれいでした。
 この日は,国際宇宙ステーションを動画で写すのに成功しました。中央右上の星が火星,左上端の星がアルデバランです。そして,同時に別のカメラで写真も写しました。私の持っているのは,安価で貧弱な機材でしたが,それでも,なんと国際宇宙ステーションの形も写りました!
 本当は長時間露出をした写真も写したかったのですが,さすがに一人三役は無理なのであきらめました。 また,月の上を通過している国際宇宙ステーションもも捉えたつもりだったのですが,家に帰って写真を調べてみても写っていなくて,それだけがショックでした。
 しかし,それはそれとして,今回はとても満足しました。大した機材もなく,お金も手間もかけないのに,結構いろいろと楽しめるものです。何事も机上の知識だけではなく経験が大切です。


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☆☆☆☆☆☆
 昨日の早朝,金星に接近した月とその下にある水星が並んだ写真を写して,ブログに載せました。その翌日11月14日の早朝は月が移動して,今度は水星に接近します。水星と月の接近,私はむしろこちらの方が魅力的だったのですが,それを見るのはお天気次第だと思っていました。早朝4時過ぎ,早起きして空を見ると,幸いなことに,雲ひとつない晴天だったので,気分をよくして,写しに出かけました。
 前日の経験でどのあたりに見られるか,何時ころから見られるかはわかっていたので,三脚を組み立ててカメラを設置して,そのときを待ちました。今日の1番目の画角で写すには300ミリレンズ,そして,2番目の画角で写すには50ミリレンズだということも調べておいたので,この2本を用意しました。
 午前5時過ぎ,思ったよりも早く月が見えはじめました。そして,その横に水星が見えました。
  ・・
 写ってしまえば大したことがないように思いますが,よほど天気がよくて,しかも,大気が澄んでいないと見えません。これまでも,見えるはずの水星が濁って灰色である空に埋もれて探せなかったことが何度あることか! そうするうちに,写真を写すことも忘れて,その美しさに手を止め,見とれてしまいました。これほど神々しい姿はそう見られるものではありません。

 子供のころ,地動説で有名なコペルニクス(Nicolaus Copernicus)でさえ死の床で「私は生涯,水星という天体を見ることがなかった」と嘆いたという話を知って,なんとか水星を見てみようと,家の屋根に上ったりしたことを思い出します。それは,水星は太陽系の中で一番内側を回る惑星で,地球から見た水星は太陽のそばをへばりつくように動いていて太陽の光が邪魔になってなかなかその姿を見ることができないからです。
 しかし,実際は結構簡単に見ることができるもので,この日のように,天気がよく空が澄んでいれば,西方最大離角(11月11日でした)前後なら,早朝,といっても午前6時ころ,東の空20度近くの高さに1等星で輝いています。
 明日は新月です。


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☆☆☆☆☆☆
 星のきれいな季節です。今は,春と違って,空が澄んでいて,しかも,夜が長いこともあり,また,それほど寒くないので,ずいぶん楽しめます。
 今年のこの時期,次のような見ものがあります。
  ・・・・・・
 11月中旬ごろ,未明から明け方の東南東の低空で,明けの明星の金星とおとめ座の1等星スピカが接近して見える。最接近は11月17日ごろで,4度未満まで近づく。
 また,左下のほうには水星も見える。また,13日には細い月も近づいてくる。
  ・・
 明け方の東南東の低空に見えている水星が,11月11日に太陽から最も離れて西方最大離角となる。日の出45分前の高度は約9度でかなり低いが,水星としては見やすいほうだ。
 やや離れているが,水星の右上のほうに明けの明星の金星も輝く。
  ・・
 11月13日の未明から明け方,東南東の空で月齢27の細い月と金星が接近して見える。地球照を伴った幻想的な細い月と金星の共演は,数ある月と惑星の接近の中でも随一の美しさだ。
 下のほうには金星と接近中のスピカが見える。さらに下には西方最大離角を過ぎたばかりの水星もあり,翌14日の明け方にはいっそう細くなった月と大接近して見える。
  ・・・・・・

 ということで,11月13日,ここに書かれた星々を写してみました。
 このような天体現象は,さほど珍しいモノではないのですが,晴れていて,地平線近くまで空が開けた場所でないと見ることができません。また,金星,水星,月などの位置関係が,毎回微妙に異なるので,何度見ても見飽きることはありません。
 早朝,このような美しい風景に出会うと,その日は何かいいことが起こりそうな気がします。
 それにしても,空ではこれほど美しい競演が行われているのに,それに気づかない人がなんと多いことか!


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☆☆☆☆☆☆
 地上のことはさておき,空の上ではおもしろい出来事が連日あって,この春は忙しい毎日です。月というものがなくいつも天気がよければ予定も立つというものですが,月明かりと雲が予定を阻害します。しかし,それもまたよしと思える歳になってきました。
  ・・
 さて,この春の見ものは,第一にアトラス彗星(C/2019Y4 ATRAS)でしたが,あえなく分裂して,期待に反して明るくならず,でした。そうこうするうちに,南半球ではスワン彗星(C/2020F4 SWAN)が明るく見えているという情報が伝わって,南半球なんて関係ないや,と思っていたら,彗星が太陽に近づいてくるにつれて日本でも地平線すれすれに見ることができるようになったのには,うれしいというより参りました。このことはすでに書きました。

 これらのことはパプニングとして,私がずっと楽しみにしていたのは,パンスターズ彗星(C/2017Y4 PanSTARRS)がおおくま座にある銀河M81,M82,NGC3077に大接近するということと,月齢2の月が金星と水星に接近するというふたつの出来事でした。
  ・・
 彗星は銀河M81,M82,NGC3077に接近したあとは次第に遠ざかるのですが,最も近づくのが5月23日で,その前後数日は同じ画角の写真の視野に入ります。また,条件最悪のスワン彗星とは違って,この時期は新月の前後なので条件もよく,また,彗星の位置も北極星に近いので,一晩中見ることができます。
 しかし,このごろはすでに梅雨空のようになってしまい,3月から4月にかけて毎日晴れ渡っていたのがなつかしく感じるようになりました。5月23日もまた,さえない天気でしたが,予報では明日以降も晴れそうになかったので,ダメもとで,曇ってしまったときは深夜のドライブを楽しむつもりで出かけました。
 現地に着いたとき,なんとか北極星とおおくま座が見える程度で空のほとんどは曇っていてがっかりしました。おおくま座のM81とM82はとてもわかりずらいところにあるので,晴れていても視野に入れるのが大変なのに曇り空では打つ手もなく,しかも,この日はおおくま座は天頂に近く望遠鏡を覗くのもまた大変でした。苦労のあげく,なんとかふたつの銀河M81とM82の近くにあるおおくま座24番星(4.5等星)をファインダーに入れることができたので,やっと場所が特定できました。
 おそるおそる写してみたのですが,はっきりと銀河と彗星が写っていました。それにしても,こんな曇り空でも8等星の彗星が写るのが驚きです。
  ・・
 こうして,私は,前回のスワン彗星に続いて,今回もなんとか写真に収めることができて,すっかり満足しました。

☆ミミミ
その翌日5月24日は,月と金星と水星の接近でした。
私が上に書いた彗星を写した23日は金星が午後8時ころには思っていたより高い位置に簡単に見つけることができたので,次の日も晴れていれば期待できそうかな,と思ったのですが,当日は雲があって絶望的でした。しかし,前日に金星の位置を確かめることができたのが幸いしたことと,幸運にも雲が切れて,沈む寸前に美しい姿を写すことができました。
これもまたツキにめぐまれました。
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☆☆☆☆☆☆
 今,夕方の西の空に金星がきれいです。
 金星は大きさと質量が地球によく似た惑星です。公転周期は225日ですが,地球とは違って自転周期は243日と長く,しかも自転の方向が公転とは逆です。また,地球のように大気があるのですが,分厚く覆われているので地表の温度は約摂氏470度もあり,二酸化硫黄の雲から硫酸の雨が降っているといいます。
 金星は地球より内側を公転しているので月と同じように満ち欠けします。太陽の反対方向に見えることはないので,地球と金星と太陽の位置関係から,夕方の西の空(宵の明星)か明け方の東の空(明けの明星)にしか見えません。金星が太陽から東に最も離れて夕方の西の空に最も高く見えるときが「東方最大離角」で,反対に太陽から西に最も離れて明け方の東の空に最も高く見えるときが「西方最大離角」です。
 今年の金星は5月ごろまで夕方の西の空にひときわ明るく輝いていて,3月25日の東方最大離角をすぎると,次第に太陽に近づいていきます。4月28日には最大光度を迎えました。

 金星は,およそ1か月に1回くらいのペースで細い月と並んで見えます。ちょうど今月は25日から27日までがそうでした。3日間にわたって,次第に月が金星に接近するのを見ることができました。金星の輝きはそれだけでも美しいものですが,幻想的な細い月と金星が夕空に並ぶ光景は幻想的です。また,この時期の金星は望遠鏡で眺めると,月と同じように三日月状に見えます。
 この3日間は幸い天気に恵まれたので,写真に収めることができました。今日の2番目の写真の左側が4月25日,そして右側が4月26日です。4月26日は少し雲があったのですが,なんとか見ることができました。そして,最も近づいた4月27日が今日の1番目の写真です。この日はさらに,望遠鏡を使って,月と金星の拡大写真も写すことができました。
  ・・
 金星はプレアデス星団M45との大接近も起こります。今年は4月4日ころ,最もプレアデス星団に近づきましたが,そのときに写した写真が3番目のものです。
 この先の見ものは5月24日です。この1か月で金星は急速に高度を下げていくのですが,5月24日は夕方の西の低い空で水星と大接近し,そこに月齢1.7の細い月が並びます。今から楽しみです。晴れるといいなあ。

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 このブログは私が自分の記録用に書いているので,いささか「おたく」化しつつある懸念はあれど,今日もまた月と惑星の接近を書きます。
  ・・
 ことのはじまりは,すでに書いたように,3月19日,火星と木星と土星と月が接近するので,その写真を写したらどんなに美しいのだろう,というだけの動機でした。そのことを知ったのは,その少し前のことだったのですが,調べてみると,3月18日から3月20日までを観察して,月が惑星の間を動くのを観察しよう,とかいう記事がたくさんありました。学校も休みだし,望遠鏡もいらず,肉眼で見ることができるので,子供は早起きしてこんな観察でもすれば楽しかろうと思うのですが,そんなことをしている姿は見ませんでした。

 3月18日は曇り空で一応星見に出かけたのですが,薄い雲の間から時折月が顔を出すだけでまったく星は見えませんでした。
 結果として,幸い3月19日から3月22日まではすべて晴れましたが,はじめの目的のように,3月19日に我ながらイメージ通りの写真が写せたので満足しました。このときの写真はすでに載せました。
 この時点まで,私の関心は,月が火星,木星,土星の3つの惑星に接近することだけだったのですが,では,水星はどこ? とさらに調べてみると,なんと,水星も明け方の空に,水星としては高い高度で見られることがわかりました。
 水星はきわめて太陽に近いので,夕方か明け方の空低くしか見えません。太陽からもっとも東側に離れるときを「東方最大離角」,西側に離れるときを「西方最大離隔」といい,東側に離れたときは夕方,西側に離れたときは明け方見ることできます。そして,3月24日が「西方最大離角」だったのです。
 こうなると,3月19日に写した写真に水星を入れ忘れてしまったことを後悔しましたが,歳のせいであきらめがはやくなり,まあいいかと妥協しました。これでやめようと翌日3月20日は目覚ましもかけなかったのですが,目が覚めてしまい,外をみると,美しく惑星と月が輝いていたので,準備もそこそこ,起きたばかりの格好で防寒具だけ羽織って,カメラと三脚だけをかついで外に出て,自宅の近くで,水星は肉眼では見えなかったけれど,この辺りだろうと視野に入れて写しました。あとで確かめると,水星もちゃんと写っていました。
 
 家に戻って,さらにさらに調べて行くと,次第に月齢を上げて薄くなっていく月ですが,翌々日の3月22日には高度の低い水星よりさらに低く昇ることがわかりました。さすがに暗すぎ光度が低すぎ,これを見てみようと書いてあるものはありませんでしたが,こうなると,見えるかどうか確かめてみようと思うようになりました。こんなに低い月ではどこにあるか肉眼では探せません。そこで,月がまだ肉眼でもはっきり見える3月21日に月や水星の位置を確かめておいて,3月22日は同じ場所で同じ時間に地平線ぎりぎりの月を探してみることにしました。
 3月21日はとても空の条件がよく,きれいな朝焼けも見えました。今日の1番目と2番目の写真が3月21日に写したものです。
 そして,待望の3月22日になりました。19日から21日まで連日晴天だったので,さすがにこの日は天気が心配で半分期待はしていなかったのですが,東の空に木星が見えたのでどうやら晴れているようでした。しかし,空全体が灰色に濁っていて,最悪の条件でした。春は春霞といって,暖かい日の空はだめです。いつもの撮影場所に行っても,かろうじて木星と土星が見えるだけ,火星もやっと探し出せるいような空でした。
 前日確かめておいた月の昇ってくる場所を双眼鏡で何度も探しましたが何も見えないので,ともかく位置を決め,画角も決め,ピントをしっかり合わせて,単なる空の写真を撮りました。しかし,写した写真をモニターで何度確認しても,ここにあるはず,という場所なのにもかかわらず,何もわかりませんでした。がっかりしました。この日の月齢は27.2。私は過去に同じ場所で月齢28.4の月を写したことがあるので,写るはずなのです。私が期待したのは,今日の4番目のイメージ写真のような細く美しい月が水星と縦に並んだ姿だったのですが…。
 家に帰って,写してきた写真をコンピュータに取り込んで拡大しながらずっと眺めました。まず,かろうじて水星を見つけました。その位置から探していくこと30分,どうにか月を探し出すことができました。単なる自己満足ですが,それはそれで,やり遂げた感がありました。それが今日の3番目の写真ですが,果たして月がおわかりになるでしょうか?
  ・・
 ところで,水星,火星,木星,土星と4つの惑星が明け方の空に並んでいるのですが,残る金星はどこにいっちゃったのでしょうか。
 そう,金星は,夕方の空高く,ひときわ明るく,まるで孤独を楽しむかのように,4月1日の「東方最大離角」を目指して,輝いているのです。そして,その近くには天王星も寄り添っていることは,すでにブログに書きました。なお,海王星は水星と太陽の間にあって,3月22日は月よりさらに高度が低く,つまり太陽に近く,現在は望遠鏡を使っても,まったく見ることができません。
 次の日は新月なので,これで惑星と月を追いかける日々は終わりです。

☆ミミミ
今後は,明るくなるという前評判がどんどん高くなりつつあるアトラス彗星(C/2019Y4 ATLAS)を追いかけたいと思います。写真は3月23日に写したアトラス彗星ですが,すでにかなり明るくなって,尾も見えはじめました。

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◇◇◇

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 何がすばらしいかといって,明け方,太陽が昇る前の夜空ほどすばらしいものはほかにありません。それに比べたら,太陽が顔を出した後の世界は,たとえは悪いのですが,何か悪夢を見ているかのようです。特にこのごろは世界中が耐え難い不安に包まれています。
 今回とはまったく原因は違うのですが,リーマンショックのときの株価や為替の変動は,今とそっくりでした。あのときもまた,多くのマスコミや政治家やアナリスト,そして無責任なワイドショーのコメンテーターたちが言っていたことはまったくあたらず,冷静な少数の人たちの声なき声が語っていたように相場は動いていきました。おそらく今回もまた,そのときと同じ動きをするのでしょう。
 現在は,どんな対策を打ち出そうとそんなことには関係なく,まるで底なしの泥沼に土をくべていくような感じに思えます。であっても,多くの人が飽き飽きしてきたころになると,やっと入れていく土の量が泥を凌駕してすべてが解決するのです。そのころには,人々は今の危機的状況を忘れすっかりもとの生活に戻って,また,懲りもせず浮かれはじめるのです。
 私は,リーマンショックのとき,つくづくそう感じました。長く生きていると,世界はこんなことの繰り返しだということだけはわかってきました。

 さて,星空のお話です。
 明け方の空には,火星,木星,土星がずっといて,動きの速い -それは地球に近いからですが- 火星がほとんど位置のかわらない木星と土星の間を駆け抜けています。そして,火星よりもまたずっと動きの速い月がそれらを追い抜きながら,姿を変えていくので,それらの姿を毎日眺めていても,決して見飽きるものではありません。
 3月19日の早朝は,木星に接近した火星と,その間を縫って高度を下げた月が土星に接近して,月と3つの惑星を同時に写真に収める構図の写真が撮れるという状況になりました。
 月が昇るのは3時10分過ぎだったので,2時過ぎに東の空の開けた場所に向かいました。

 到着したときはまだ早く,月が昇るまで,アトラス彗星(C/2019 Y4 ATLAS)がM81,M82 銀河に接近しているというので,それを写しながら待ちました。
 やがて,東の空にいつの間にか月が姿を現しました。この朝はあまり大気が澄んでいなかったので,昇ったばかりの月は真っ赤で,その隣にあるはずの土星はなかなか肉眼では見えませんでした。20分くらい待って,月の高度が高くなると,土星も見えてきて,火星,木星,土星と3つの惑星と月,そして,背景に地上も入る角度の写真が写せるようになったときに撮ったのが,今日の1番目の写真です。
  ・・
 2番目の写真は,先に書いたアトラス彗星とM81,M82銀河を同時に収めた写真です。銀河を一緒に収めるために画角の広い180ミリ望遠レンズで写したので,彗星が暗くしか写っていないのが残念です。
 このアトラス彗星ですが,当初の予想からは大きくはずれ,3番目のグラフのように,このところの光度上昇の変化の度合いから,来月4月末には0等星,そして,5月末にはマイナス25等星といった,とんでもない予想がたちはじめました。おそらくそこまで明るくはならないでしょうが,久々の大彗星が見られるかも,といったうわさも聞こえはじめました。
 彗星は,軌道は決まれど,彗星本体がどれほどの大きさであってその組織がどうなっているかがわからないので,太陽に接近したときにどのくらい明るく輝くかという光度の予想は常に水モノです。多くの場合は期待外れに終わりますが,まれに大化けします。さて,今回はどうでしょうか?
 このまま順調にいけば,次第に太陽に近づいていって見えなくなる5月20日ごろまで,しだいに明るく大きくなっていって,北西の夕方の空に尾をひいた彗星が肉眼でも見られるようになることでしょう。

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☆☆☆
次の写真は3月20日午前5時20分の東の空です。昨日とはうって変わって,とても澄んだ空でした。月齢は25.2。月の位置がずいぶん変わったことがわかるでしょう。地平線ぎりぎりには水星も昇ってきました。

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 今日の1番目の写真は,2月11日の夕方,日没前の西の空を写したものです。この日の日没後の西の空には,地平線近くに前日東方最大離隔を迎えた水星,そして,かなり高いところに金星が輝いていました。そして,2番目の写真は,2月19日の明け方,日の出前の東の空を写したものです。日の出前の東の空には,月齢24.9の月と,火星,木星,土星が輝いていました。月のあるあたりはいて座で,写真の構図からははずれていますが,火星のさらに右にはさそり座が見えました。
 この2枚の写真を合わせると,太陽系の惑星のうち,水星から土星までがすべて写っています。さすがにこの写真には写っていませんが,1番目の写真の水星と金星の間には海王星もいます。残念ながら天王星は金星よりも高い高度にあって,写真の構図からははずれています。

 地球の軌道よりも外側にある外惑星とよばれる火星,木星,土星は一晩中見られるのですが,地球の軌道よりも内側にある内惑星とよばれる水星と金星は太陽からある角度以上は離れないので,深夜には見ることができません。そこで,このふたつの惑星の写真を写そうと思えば,このように,夕方あるいは明け方の空ということになります。
 夕方や明け方の空は,みごとな色に変化するので,とてもきれいです。そこで,そうした空に星が輝くのを見ていると時間が経つのを忘れますが,それもわずかな時間,夕方であれば暗くなってしまうし,明け方であれば,空が白んでしまいます。
 夕日が沈むのや朝日が昇るのを見にいくことに人は惹かれるのですが,実は,夕日は沈む前も沈んだ後も,しばらくは美しい空の色の変化を楽しむことができます。それに反して,朝日は,日の出前,しかも,日の出の1時間ほど前の空の変化が最も美しく,日の出を過ぎてしまうとまったく美しくなくなってしまうのです。しかし,太陽が昇る1時間ほど前の東の空は,夕焼け以上にほんとうにすばらしいものです。それだけでも美しいのに,そこに,こうして,惑星や月があると,まさに,これ以上すばらしいものがほかにあるのだろうかという気持ちにさえなります。
 この写真を撮った2月19日は,この写真を撮るわずか10分前はぎっしりと雲に覆われていて,ほとんど星が見えませんでした。しかし,明け方の空というのはあっというまに雲が消えたり現れたりするのです。そこで,日常生活で,朝起きて窓を開けたとき快晴であっても,その日に日の出がみられたかどうかはわからないのです。また逆に,星を見にいって明け方まで満天の星空が輝いていても,日の出を過ぎるとすっかり曇ってしまうこともよくあるのです。
 私は,これまで,いろんなところに出かけたり,星空を見てきたりしましたが,どこに行くよりも,また,深夜に満天の星空を見るよりも,家の近くであっても夕方や明け方の空の変化のほうがより美しいと,このごろ思うようになりました。

  ・・・・・・
 誰彼 我莫問 九月 露沾乍 君待吾
 誰そ彼と われをな問ひそ九月(ながつき)の 露に濡れつつ 君待つわれそ
 誰だあれはと私のことを聞かないでください 月の露に濡れながら愛しい人を待っている私を
   「万葉集」巻10・2240 柿本人麻呂
  ・・・・・・
 「誰そ彼」は「黄昏(たそがれ)」。日暮れ時は精霊の跳梁(ちょうりょう)する禍々(まがまが)しい時。人の見分けがつかないので「誰そ」と問うが,男が女の名前を問うのはプロポーズの意味ももっていた。名を明かすのはそれをお受けしますということ。

  ・・・・・・
 阿加等伎乃 加波多例等枳尓 之麻加枳乎 己枳尓之布祢乃 他都枳之良須母
 暁の かはたれ時に 島蔭を 漕ぎ去し船の たづき知らずも
 暁の薄明かりの時に島陰を 漕ぎ去った船がなんとも心細く思えることよ
   「万葉集」巻20・4384 他田日奉得大理
  ・・・・・・
 夜明け前は「彼は誰(かはたれ)」。夜明け前も人の顔が判別できないので「あなたは誰」と問う。そんな「かはたれ」時に出ていく防人を乗せた船を不安げに見ているという歌。

☆ミミミ
2月20日の夜明け前の東の空です。
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IMG_0079wDSC_8531PanSTARRS

 2019年もあと数日となりました。今年は本当に月明かりのない晩に晴れない日が多く,満足に星見をしたのも数えるほどでした。12月は26日が新月で日食だったのですが,今年は,こうした天体イベントのあるときも決まって天気が悪く見ることができませんでした。
 その2日前,12月24日のクリスマスイブはひさびさの快晴という天気予報だったので,星見に行きました。この日の目的はオリオン座とパンスターズ彗星(C/2017T2)でした。
 オリオン座が目的のひとつだったのは,オリオン座のα星「ペテルギウス」がこれまでにないほど減光しているという情報を知ったからです。また,パンスターズ彗星は2020年の5月ごろに6等星くらいまで明るくなるといわれていて,前回星見に行ったときは12等星だったのがどれだけ明るくなっているかが楽しみでした。

 「ベテルギウス」(Betelgeuse)はオリオン座α星で,おおいぬ座の「シリウス」,こいぬ座の「プロキオン」とともに「冬の大三角」を形成している1等星です。地球からの距離は約642光年です。
 「ペテルギウス」は非常に大きな恒星で,太陽系の中心に置いたとすると火星軌道を大きく超え木星軌道の近くまで達します。赤色超巨星で星自体の形状が半規則的に変化するSRC型の脈動変光星です。ガスが恒星表面から流出し表面温度が不均一になるなど星自体が不安定な状態にあり,その形状は球形ではなく大きな瘤状のものをもっていて,近いうちにII型超新星爆発を起こすであろうといわれています。超新星爆発すると,満月よりも100倍明るく数日間は昼でも輝いて見えるといわれています。また,爆発後はブラックホールにはならず,中性子星となると考えられています。
 この「ベテルギウス」の明るさがこのところ観測史上類を見ないほど低下していて,この現象が超新星爆発の兆候ではないかと指摘されています。
  ・・・・・・
 Betelgeuse, a bright, very large star in the constellation of Orion has been dimming since October suggesting it might go supernova, according to astronomers.
 Dozens of scientists from around the world have taken to Twitter to discuss the phenomenon and speculate over whether it will soon explode.
 The star has a very variable brightness and a pattern of regularly dimming, but astronomers say the latest dimming period appears to be different.
 Researchers from the Astronomer's Telegram - a place for experts to share astronomical findings - say it is the faintest it has been in 50 years of observations.
  ・・
 オリオン座の明るくて非常に大きな星であるベテルギウスが10月から暗くなってきており,超新星になる可能性を示唆しています。
 世界中の多くの科学者がTwitterでこの現象を議論し,間もなく爆発するかどうかを推測しています。
 ペテルギウスは非常に可変的な明るさと規則的な減光のパターンを持っていますが,天文学者は最新の減光パターンは通常とは異なっているように見えるといいます。
 天文学者の情報網-専門家が天文学上の発見を共有する場所-で,研究者はそれが50年間の観測で最も弱いといっています。
  ・・・・・・
 肉眼で見てもそれほど違いを感じないのですが,もし超新星爆発すれば,今の姿の写真が貴重になると思って写しました。生きているうちにぜひ超新星爆発を見てみたいものです。

 一方,パンスターズ彗星(C/2017T2 PanSTARRS)は現在ペルセウス座にあって,午後10時ころには天頂に近いことと近くに明るい星もないので,ファインダーを覗くのも大変だし彗星の位置をたどるのも困難で逆に探しにくいのですが,なんとか見つけて写真に撮ることができました。私は自動で天体を導入するなどという現代的な武器をもっていないのです。
 この彗星,発見当初は2020年の夏に1等星になるのではと予想されたのですが,どうもそういう状態でなないらしく,今は楽観的に考えても6等星,実際は8等星どまりでないかと思われています。今はまだ暗くて9等星くらいなのですが,それでも,すでに彗星らしいかわいい尾をもった姿をしています。彗星の明るさの予想はいつも外れるので,今後どのくらい明るくなるかが楽しみです。

◇◇◇


◇◇◇
 翌25日の早朝は月齢28.3。晴れ渡った明け方の東の空に,糸のような美しい月を見ることができました。

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 この季節は夜明けが遅いので,朝6時ころに東の空を見上げると,とても幻想的で美しいです。今年はそんな明け空に,さらに,金星,木星,土星が毎日位置を変えていって,そこに月が月齢を変えながら惑星の間をかけぬけていくのが見られるので,さらに幻想的で,どれだけ見ていても飽きません。

 今日の1番目の写真は2月1日(金)のものです。この日は金星と月齢25.8の月が大接近しました。
 そして,2番目と3番目の写真はその翌日2月2日(土)です。月は月齢26.8。あっという間に金星から遠ざかりました。この3番目の写真には右手上方にさそり座が写っています。月のさらに下には土星があるのですが,残念ながら雲に隠れて見えませんでした。
 さらに,4番目と5番目の写真は2月3日(日)のものです。月齢は27.8。月の出はさらに遅くなって,土星が月より先に昇りました。月齢27.8の細い月は肉眼で見ることができるのかな,と思ったのですが,予想以上に明るく輝いていました。
 これらの惑星いる位置はさそり座からいて座にかけてなので,ひょっとしたら,もっと空の暗いところに出かければ,夏の銀河のなかに惑星が輝いているという美しい写真が写せたかもしれません。一度,遠出をして写してみたいものです。

 以前このブログに書きましたが,月はどの月齢まで写せるのでしょう?
 地球を回る月の軌道は楕円なので,月齢がいくつまであるかは毎回異なります。また,今回は月齢が25.8,26.8,27.8というようにコンマ8のまま毎朝1ずつ変化するので,この時期に26.5のようなコンマ5の月を見ることはできませんから,どの月齢まで見ることができるかを確かめるには長い年月がかかります。
 今回の周期では,月齢は29.3までで0.0,つまり新月になりました。月齢27.8の翌日2月4日(月)は28.8でしたが,月が昇ってわずか10分もすれば日の出なので,果たして月齢28.8の月が見れらるのかどうか。それを確かめてみたいと思って,月が昇ってくる場所を調べて翌日を楽しみに待ちましたが,残念ながら曇ってしまっていて確かめることができませんでした。

 これまでに私が写した中で,最も月齢が小さいのは0.9で,反対に最も月齢が大きかったのは28.4でした。ともに今から3年前に確かめてみたものですが,その月齢の月はどちらも肉眼でもはっきり見えたので,もう少し月齢の小ささものと大きなものも写せるような気がします。
 今は当時よりも機材を整備したので,もう少し月齢が小さいものと大きいものにチャレンジしてみたいと思ったことでした。

☆ミミミ
月の写真を撮る②-月齢29と月齢1は写せるのか?
月の写真を撮る③-ついに撮ったぞ! 月齢0.9
月の写真を撮る④-ついに撮ったぞ! 月齢28.4
月・火星・木星・土星-小さな望遠鏡で惑星を写すと…

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水金地火木土bDSC_5623s火星2016_02_04木星 2016_02_02土星 2016_02_04木星 ガリレオ衛星

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 2月の上旬の5惑星のそろい踏みは,1晩に明るい惑星がすべて写せるので,私の「2016観測機材整備」で作った拡大撮影アダプターの実験には最適でした。拡大撮影アダプターの詳細は後日書くことにして,今日はそれを使って写した写真のお話です。
 まずは,家から少しドライブして木曽川のツインシティー138の上空に輝く5惑星を写したので,この写真をご覧いただきましょう。2月8日の夜明け前に写したものですが,水星が昇るのを待って写したので,午前5時30分過ぎ,すでに,世の中は活動を始めていて,通勤する人がいたり,犬を連れて散歩している人がいたり,という時間でした。見上げればこれほど素晴らしい星空が輝いているのに,多くの人はそんなことも知らず,もったいない話でした。
 なお,この日は月齢28.8。昨日は水星の隣に美しい月が見られたのに,この日は,そんなことは夢だったかのように月の姿はなく,まだ地平線の下でした。
 その後,月が昇ったので探してみたのですが,全く見つかりませんでした。
 先月月齢28.4は容易に見ることができたのですが,どうやら月齢28.5くらいが見ることができる限界なのでしょうか?
 そういえば,私の愛読しているアメリカの天文雑誌「Sky & Telescope」誌の今月の特集のひとつに,新月前後の月を写すというのがあったのにはびっくりしました。まるで私のための記事のようでしたから。

 こうした惑星のそろい踏みを写すのならともかく,月や惑星を拡大撮影するだけなら,星が見られる遠い山の中に出かける必要もなく自宅からでもできるので,寒い冬には最適です。ただし,冬の夜空はシンチレーションが悪く像が安定しないのが難点ではありますが。
 そんなわけで,新しく作った拡大撮影アダプターを利用して望遠鏡にカメラを取り付けて写してみたのが,今日の2番目から5番目の写真です。
 順に,月,火星,木星そして土星です。
 天文雑誌や本には鮮やかで大きな写真しか載っていませんが,実際に小さな望遠鏡で写すとどのくらい写るものなのかという情報はほどんどありません。星に興味にない人や,興味があっても図鑑でしか見たことのない人,そして「ドリラー」の気の毒な少年少女たちは,だれでも大望遠鏡で写した写真のように見えたり写せたりすると思っているのでしょうが,そんなわけがないのです。
 だから,望遠鏡を買って一度惑星を見るとがっかりして,その後は押し入れの中になってしまいます。

 写真でお分かりのように,火星は,この程度にしか写せません。
 小さな望遠鏡で写しても面白いのは、木星と土星です。
 木星は,衛星を写しても模様を写しても面白いのですが,両方を同時に写すのは露出時間が違うので無理なのです。インチキ? をするなら画像処理という手段を講じましょう。それが今日の一番下の合成写真です?!
 土星は,フィルムカメラの時代には写すのが非常に困難だといわれました。なにせ有名なので期待が大きすぎるのですが土星は結構暗く感度が低い時代,ずいぶんと露出をかける必要があったのです。そうしたフィルムカメラの時代を知っている人ほど,口径75ミリの小さな望遠鏡では無理と思ってしまいますが,それが存外いけるのです。図鑑にのっている写真と比べたらがっかりですが。

 実際に写してみると,このように,お金のかからない暇つぶしとして十分に楽しめることがわかりました。この先もっと良い写真を写すには,画像処理を工夫する必要がある,ということでしょう。
 それはそれとして,惑星は,写真で写すよりも肉眼で眺めるほうが最高です。

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 今月の月は,1月10日の午前10時31分に太陽を追い越します。その位置が重なっていれば日食となるわけですが,今月は少しずれているので日食にはなりません。今月のその時の月齢は29.6。つまり,今月は「29.6=0.0」となります。
 全ての月齢の月の写真を写そうとはじめたら,果たして新月すれすれの月はどのくらいまで見ることができるのだろうかという,おかしな方向に興味の対象が移ってしまいました。
 先月,月齢27.9は容易に写すことができたのですが,翌日の28.9は全く姿かたちも見えず失敗しました。新月を過ぎた後の月齢0.9は周到に準備をして,双眼鏡で辛うじて夕方の西空に発見,写真に収めることができました。
 そして,いよいよ月齢28の月2度目の挑戦です。
 今月は28.4なので,先月の28.9よりははるかに容易です。「29.6-28.4=1.2」,0.9が見えたのですから見ることができるはずです。
 しかし,問題は見ることができる場所なのでした。この日のために,地平線ぎりぎりまで見渡せる場所を探し回りました。

 ここで,また,いつものように話が少し脱線します。
 私は,何事も「必要かつ十分である」ということが大切だと思っているのですが,どうも,この国の人はそうではないようです。過剰にやればいいと思っている,それが私は嫌いです。
 例えば,自分の使う車は,自分が使う目的にかなう性能と大きさがあればそれで十分,それより高級なものは必要ありません。同じように,何かをするにも,必要かつ十分な手間暇をかければよいのです。生きている持ち時間には限りがあるのです。余分なことに費やすような時間はありません。
 英語の勉強をするのにも,不自由なく使えるようにするのが目的なら,ほとんど使いもしないような難しい文法まで覚えたり,単語を覚えるのに異常に多くの時間を割いたり…。そんなことは通勤するのにダンプカーで行くようなものです。そんな時間があるのなら,どんどん英語で本を読んだりメールを書いたりしたほうが,よほど英語が身につきます。
 よく,勉強時間などといいますが,机上の勉強時間なんて,短いほうがいいのです。できるだけ短くして効率的に学んで,それを活用すべきなのです。3時間で身につくのなら,同じことを身に付けるのに2時間ではできないか,と考えるのです。多ければいいというそういう風潮は間違っています。そのために,体験すべき多くのことを犠牲にしています。そのことが社会人となったあとで,残業ばかりの会社生活を呼び,ひいてはブラック企業をのさばらせます。
 勤務時間が8時間なら,8時間で仕事ができるようにするべきなのです。

 それと同様に,同じ写真が写せるのなら,できるだけ家から近いところでそれができればいいわけです。何時間もかけて暗い山の上まで行かなくてもいいのです。そんなわけで,私は,できるだけ近いところを探し回って,家から車で15分くらいの一級河川の堤防道路の脇に絶好の駐車帯を見つけました。ここなら,地平線まで見渡せるし,町の明かりも少しは気になりますが,惑星や月を写すには十分,それに,道路が凍結,ということもありません。
 ということで,やっと見つけたその場所に早朝出かけて,東の空の地平線すれすれにいる,月とちょうど大接近中の金星と土星の写真を写すことにしました。
 まず,2番目の写真は,はじめてその場所に行った日に,ここでどのくらい星が写るのか試し撮りをしたカタリナ彗星です。さすがに,淡い尾までは無理でしたが,思った以上に星も写せることが分かりました。きっと,画像処理を工夫すれば,結構いけるのではないかと思われます。

 そして,いよいよ1月9日になりました。
 この日は,金星と土星が0.47度,つまり,月の大きさよりも大接近,しかも月齢28.4。このふたつを写すことが目的でした。しかし,問題は天気でした。予報は雲。早朝4時,自宅で空を見上げると,雲がポコポコ浮いていました。しかし,星が見えないこともなかったので,出かけることにしました。
 現地に着いたら,幸い,北極星は見えたので,早速極軸を合わせました。次に,ピントを合わせるために,天頂付近に輝く木星を狙いました。また,そのいきさつは後ほど書こうと思っていますが,今年,私は,使っている望遠鏡でどのくらい惑星が写せるものか挑戦しようと,拡大撮影をすることにしたのです。それが3番目の写真です。拡大撮影の記念すべき1枚目になりました。わずか7.5センチの口径で木星の縞模様が写せました。

 このように私が木星を写すのに熱中していたころ,東の空には一面の厚い雲が…。
 少し待っていたら,少しだけ地平線すれすれに雲が切れて,そこに金星が昇ってきたのが分かりました。そのわずか下には寄り添うように土星が恥ずかしそうにくっついていました。あわてて望遠鏡を向けて写真に収めたのが4番目の写真です。露出時間を多く取ったことと,地平線に近く大気の影響もあって,土星の環までは写せませんでしが,なんとかふたつ並んだ姿を捉えることができました。
 しかも,この日は雲が多く,この写真しか写せませんでした。
 ここからは後日談です…。
 翌日,つまり今日の早朝,少し金星と土星の位置は離れてしまいましたが,天気がよかったので自宅で再び写しました。これが5番目の写真です。土星が金星を追い越して,左下が金星,右上が土星です。たった1日でこれだけ変化するのですね。
 素人目には小さな点がふたつ写っているだけですが,露出を抑えたために,金星は内惑星なので月の満ち欠けと同様少し欠けていますし,土星には輪がクリアーに写っています。ぜひ拡大してご覧ください。

 次は月でした。
 昨日来た時に,月齢27.4の月(6番目の写真)がどの場所に昇ってくるのかはしっかりチェック済みだったので,月が昇る時間にその場所に双眼鏡を向けてみると…。そこには,雲の隙間に,鮮やかでかつ赤みを帯びた薄っぺらな月が! 意外なほどよくみえたので,本当にびっくりしました。地上の光と大気の影響で,月は赤く大気に揺らいで,震えたような姿でした。それが,今日の1番目の写真です。
 あまりに美しいので思わず見とれてしまいました。
 意外なほど簡単に見つけることができたことにも,また,びっくりしました。
 次第に高度が高くなって,月の見える場所だけは雲も切れて,大気の影響も少なくなってきたので,再び写したのが,7番目の写真です。
 やはり,ここでも「何事も実際にやってみないことには始まらない」ということを再認識しました。
  ・・
 それにしても,こんな美しい姿を,多くの人は知らずに生活しているなんて。そして,こういう姿をどんどんと手の届かないものにしているなんて。

☆ミミミ
月の写真を撮る③-ついに撮ったぞ! 月齢0.9

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