「地球温暖化」の影響がいわれています。近年はさらに深刻な状況になっているようにも思われます。
 46億歳を迎える地球は,これまで,今より気温が高かったことも低かったこともあるので,現在の温暖化が人類のせいだけなのかどうかは私にはよくわかりませんが,いずれにしても,人類がその一因となっていることは確かでしょう。この状況が続くと,地球上から人類が滅亡するものそう遠い未来ではないかもしれません。
 地球の温暖化で,日本の四季も昔とはずいぶんと変わってしまいました。「衣替え」という言葉さえ死語と化し,10月の半ばだというのに,夏服で生活できます。台風も,頻繁に日本列島を直撃したのが9月から10月に変わってしまい,また,台風の規模も昔より大きくなっているように感じます。
 昨年の今ごろ,私はニュージーランド旅行をしていましたが,出かける日に台風が来るのではないかとひやひやしたのを思い出します。そのとき,最も役に立ったのが「気象予報士Kasayanのお天気放談」というブログでした。

 ところで,今日の話題は台風情報などの気象番組で頻繁に出てくる「東海」ということばです。特に,東京からの気象番組で「東海」ということばが多く使われます。しかし,東海地方に住む私には,この「東海」ということばの指す地方がどこなのかよくわからないのです。いや,知ってはいるのですが,いまいち納得がいかないのです。
 実は,愛知県に住む人,特に尾張地方に住む人は,「東海地方」というのは,愛知県・岐阜県・三重県のことだと思っています。学校でもそう習いました。しかし,気象番組で出てくる「東海」ということばの指す地方は,愛知県・岐阜県・三重県に静岡県を加えたものだと気象庁のホームページにはあります。台風19号のときのニュースでは,「東海地方,特に静岡県では…」などといういい方をしていたほどです。
 しかし,愛知県に住む人,特に尾張地方に住む人にとって,感覚的に,静岡県というのは中部地方であっても,むしろ関東地方のような感じです。それに,実際には,天気予報で「東海」といったときにその気象が起きる場所は愛知県・岐阜県・三重県・静岡県ではなくて,「中部地方の太平洋岸」,そのなかでも,特に,静岡県の海岸沿いを指しているように感じます。
 調べてみると,東海地方というのは「静岡県・愛知県・三重県・岐阜県のことであるけれど,静岡県を除いた3県を指す場合もある」と書かれています。しかし,愛知県の学校では「愛知県・三重県・岐阜県」だと習うのです。

 子どものころ,テレビの気象番組で,福井県だけ「福井県嶺南地方」というのが謎でした。近ごろは,富山県だけ「富山県高岡伏木」とかいっています。天気予報は,一般の人のだれにでもわからなければならない重要な情報なのに,こうした地方の名前がどこを指しているのか一般の人の多くが知らないというのは問題でしょう。
 気象番組で使われる地方のいい方がどこを指しているのかは,気象庁のホームページには「東海」に限らず,きちんと分類をした定義があるようで,今でこそそれを見ればわかるのですが,おそらく多くの人はそんなことすら知らないでしょうし,学校でも教えません。
 というより,こうした地方の呼び方に限らず,学校で教えることと実際に使われていることが遊離している場合が結構あるのです。先日「チコちゃんに叱られる」で,三重県は近畿地方かというような話題を取り上げていましたが,学校では三重県は近畿地方だとしっかり習います。地図の教科書にもそう書いてあります。「デジタルカメラ」は「ディジタルカメラ」です。高校の「情報」でそう習います。土地の売買では今も「坪」といういい方をしますが,学校では習いません。税金の仕組みや申告の方法もわかりませんし,福祉制度も知りません。この国の教育は死ぬまで使わないようなことはたくさん教えるのに必要なことは教えないのです。
 それが問題にならないのは,おそらく,学校で習ったことなんてみんな忘れているからです。あるいは,テストで点をとること以外に学校で習うことなんて何の意味もない,実生活には役立たないと思っているのでしょう。学校で習ったことを大人になっても覚えていて,それにこだわっているなんていうのはおろかな私だけなのでしょうか? しかし,社会で必要なことは,きちんと学校で教えることが必要でしょうし,教育は現実に合わせることが大切でしょう。

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