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昨年は春から初夏にかけて数か月間まったく星が見られませんでしたが,秋は毎晩晴天でした。それに比べて,今年は初夏は晴れ間もあったのですが秋は一向に晴れません。かろうじて中秋の名月の日に月が見られただけです。
日本では美しい星がみられないとはいえ,それでも星空の美しい季節なので,今日はせめて写真だけでもということで,お星さまの写真をご覧ください。
秋の北の夜空にはカシオペア座が高く輝くので,それにつれられるようにアンドロメダ座のM31銀河が肉眼でも見られます。それに対して,春は北斗七星が昇ってくるのでそれにつれられるようにしし座やおとめ座の銀河団が見られます。
そこで今日の1番目の写真はアンドロメダ座のM31銀河を左端に配置した星野写真です。そして,2番目の写真がカシオペア座の代表的な散開星団であるM52です。
こういった星の集まりは空の暗いところで双眼鏡を使ってじっくりと楽しみたいものです。
星雲や星団のように毎年同じ季節に見ることができるものは別として,今年は残念ながらまったく彗星が見られないのです。
さすがに肉眼で容易に見られるような明るいものは数年に1個くらいしか現れないのですが,11等星より明るくカメラで簡単に写せるようなものなら2~3個くらいはいつも夜空に見られたのですが,この秋は,なんとそれすらひとつもないのです。
これでは,学者さんは別として一般の天文ファンを引きつけるための「ウリ」がないので,そうした人を対象としてメシを食っている人は大変です。
そこで,昨年の今ごろ見えていた彗星の写真を載せましょう。
3番目はパンスターズ彗星(C/2014S2 PanSTARRS)が北極星に大接近したときのもの,そして,4番目のものはジャック彗星(C/2015F4 Jacques)です。
こうした暗くてかわいい彗星なら,空が多少明るくても写すことができてそれはそれで楽しいので,日本で星見をするにはよい対象です。
で,これから先のまさに期待の「星」なのはエンケ彗星(2P Encke)です。5番目の写真は3年前,前回の接近のときのものです。
エンケ彗星という名は天文ファンではあまりに有名ですから,知らないという人は「もぐり」でしょうか? 私は,星に興味をもった今から50年近く前から頻繁にこの名前は天文雑誌にあったので自然と知ったのですが,だからといって,この彗星はそれほど明るいものでないので,自分の目で見ることができるようになるまでにはずいぶんと時間がかかりました。
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エンケ彗星は古くから観測されている周期彗星で,この彗星の軌道の研究に尽くしたエンケの名をとって命名されました。
エンケは1818年にマルセイユのポンが発見した彗星が周期3.3年の短周期彗星であることを計算しました。さらに,この彗星が1786年1月17日にパリのメシャンが発見した彗星,1795年11月7日にハーシェルが発見した彗星,1805年10月19日にマルセイユでチューリが発見した彗星と同じものであることも突き止めたのです。
周期が3.3年と周期彗星の中でもっとも短いもので,現代では太陽から最も遠い遠日点でも21等程度で観測することが可能です。
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この彗星が3年ぶりに地球に近づきます。今日の最後に載せた星図は来年1月30日の午後7時の西の空ですが,金星のとなりに尾を引いた7等星くらいのかわいい彗星の姿を双眼鏡でも見ることができることでしょう。






























































































































