●マウナケア山の次はハエアカラ山●
マウイ島で私が次に目指したのはハレアカラの山頂であった。
昨年はじめてのハワイでハワイ島を選んだのは,マウナケア山頂のすばる望遠鏡のドームが見たいからであった。しかしそのころは現地の様子が皆目わからなかった。
すばる望遠鏡の公式サイトにはすばる望遠鏡を見学することは可能だが現地までは各自で手配することとあった。調べていくと,すばる望遠鏡のある標高4,225メートルに登るにはあらかじめ車をチャーターしなければならず,その料金が12万円ということだったので,それでもよほどチャーターしようと思ったがあきらめた。その代わりにマウナケア山頂に登って夕日を見るとか朝日を見る,といったツアーがあったので,それに参加することにした。そのとき私に何が起きたかはすでにこのブログに書いたとおりである。結論をいうと,ツアーでは山頂に登ることができなかった。そして,私は独力で山頂を制覇した。
そのとき思ったのは,マウナケア山は有名ではあるが山頂を極めるには敷居が高すぎるということであった。そこで帰国後に調べたところ,ハワイ島のとなりのマウイ島には標高が3,055メートルのハレアカラ山があって,そこはマウナケア山とは違って山頂まで道路が舗装されていてレンタカーでも無理なく登ることができるということであった。そこで次回はマウイ島のハレアカラ山に登って星を見ようと思ったのだった。
その時点では確かにそう思った。そして,私はさっそくマウイ島に行く手配をしたのだった。
しかし,マウイ島に来る前にニュージーランドに行く機会があって,そこで南半球の星空を見てしまったものだから,マウイ島で星を見たいという気持ちが完全に失せてしまったのだった。
それはそれとして,今回の旅で,ハレアカラ山頂には天文台もあることゆえ,山頂で星を見たいという情熱こそ失くしてしまったが,それでも一度は登ってみたいと思っていたから,念願のホエールウォッチングのあとは,ハㇾアカラ山に登ることにしたのだった。
ひょうたんのような形をしたマウイ島の東側のほうのふくらみの中央から南東に寄ったところにハレアカラ山がある。山の周囲は国立公園になっている。
ハレアカラ国立公園(Haleakalā National Park)の面積は118平方キロメートルもある。公園ははじめはハワイ島のマウナ・ロア火山,キラウエア火山とともに1916年ハワイ国立公園の一部となったが,1961年に別の国立公園となった。
ハレアカラという名はハワイ語で「太陽の家」(house of the sun)を意味する。
公園の目玉は休火山であるハレアカラ(東マウイ)火山で,この山が最後に噴火したのは1790年ごろのことである。山頂地域にはハレアカラ・クレーター(Haleakalā Crater)がある。これは巨大なクレーターで直径11.25キロメートル,幅3.2キロメートル,深さが約800メートルある。クレーターの内側には大きな噴石丘など火山によってできた多くの地形が点在する。
かつては早朝になると頂上に壮大な日の出を見に多くの観光客が訪れたのだが,現在は予約制になっている。しかし,日没はだれでも登って雲海に沈む美しい夕日を見ることができる。
この公園は独特の火山生成物,数多くの見晴らしの良い場所がある長く景色の良い車道,そして,非常に澄んだ夜空が眺められることでも知られている。また,ネネという名のハワイガンもハレアカラ・クレーター内の自然の生息地で観察できる。ハワイガンは一度はハレアカラでは完全に死に絶えたが,1946年にボーイスカウトの助けによりバックパックでクレーターの中まで若鳥を運び,ふたたびこの地に放たれたのである。