2023年7月8日,3日目。博多駅前のビジネスホテルに1泊して,次の日は柳川市に行くことにしていました。
柳川市に行きたいと思って福岡市まで来たのですが,福岡市から柳川市に行く方法を知らなかったというのがいい加減なところです。どうにでもなるわさ,と思っていた,というか,JR博多駅から列車に乗れば行くことができるものだと思いこんでいました。
直前になって調べてみると,柳川市に行くには,西鉄に乗るということがわかりました。私が宿泊しているJR博多駅近くのビジネスホテルからは,まずバスに乗って薬院というところまで行って,そこで西鉄に乗るとGoogleMaps がいうので,それを信じることにしました。西鉄の始発は西鉄福岡(天神)という名前の駅,この駅は天神とよばれる福岡市の繁華街にあるそうで,その次の駅が薬院でした。
なお,西鉄福岡(天神)駅は,もともとは福岡駅,そして,西鉄福岡駅といっていたらしいのですが,まぎらわしいということで改称されたもので,天神がカッコづけされているのは,単に天神という名前にすると,大宰府天満宮とまちがえやすいから,また,福岡ではどこか漠然としていてわからないから,というような憶測があるようです。
また,天神という場所に行くにも,福岡地下鉄には空港線の天神駅と七隈線の天神南駅,そして,西鉄の西鉄福岡(天神)駅があって,それらは離れているのですが,すべて地下街でつながっていました。しかし,そのことは,行ってみるまで,よそ者の私にはわからないのでした。
それにしても,どうして西鉄は天神が始発でJR博多駅とは接続していないか? それでは不便ではないか? と私には疑問でした。それは,たとえば,名古屋市で,JR名古屋駅から近鉄が接続しておらず,近鉄の始発はJR名古屋駅から地下鉄で2つめの栄にある,というようなものです。
そこで調べてみると,次のようにありました。
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【問】
西鉄福岡(天神)駅とJR博多駅はどうして離れているのでしょうか。地下駅を作って博多駅まで延ばせば博多の人達は便利になると思うのですが。
【回答】
博多駅は確かに九州の交通の中心ですが,行政・ビジネスの中心は昔から西鉄福岡駅のある天神です〈よ〉。(中略)つまり,博多駅(から新幹線)を利用する人は最初からJRを使うし,天神・中洲に用がある人は西鉄を使う。〈それだけの話です。〉
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この回答で私が強調して記号をつけた〈よ〉と〈それだけの話です。〉という言葉に,よそ者はだまっていろ,的な傲慢さを感じるのは私だけでしょうか? こういうのは,地元の人には当たり前のことでも,よそ者には不便だし,わかりにくいのです。
実際は,福岡市が発展する以前の段階で,西鉄を博多駅まで延長する計画を立てなかった,その才覚がなかったというだけのことでしょう。それだけの話です。また,もし東京なら,西鉄を地下鉄に乗り入れすることでしょう。
後で調べてみたら,博多駅から天神に行くには地下鉄が通っていて,バスで薬院に行かずとも地下鉄に乗れば西鉄福岡(天神)駅に行くことはできたのです。また,薬院駅にも,以前は天神南駅が終点だった地下鉄七隈線がこの3月から博多駅まで延長になっていました。確かに,福岡市内は西鉄バスが頻繁に走っているからバスでも便利だったのですが,よそ者にとっては,一般に,どの町でも,バスというのはよくわからないので,できれば地下鉄を利用したくなるのです。
ともかく,私はバスで薬院に着いて,そこで西鉄の特急に乗り換えて柳川市に行くことができました。
とはいえ,この時点でもうひとつ疑問だったのは,西鉄における特急というものの存在でした。というのも,私鉄によって特急の意味が異なっていて,私は,特急といえば,JRや近鉄のように,特急は特急券がいる特別豪華な車両といったような印象をもつのです。
西鉄における特急は,東京の京王も京急も同様ですが,全席自由で特急料金も必要がないということでした。そのことさえ,よそ者にはわかりません。近鉄に限らず,小田急ロマンスカー,京成スカイライナーのように,別料金の発生しない特急なんて超レアだと思っている人種も大勢いるのです。
ともあれ,今回の旅で,福岡市の公共交通について,私はずいぶん詳しくなりました。
柳川市にある西鉄の駅は西鉄柳川駅といいます。薬院駅から西鉄に乗って,約1時間で西鉄柳川駅に着きました。
この日の宿泊するホテルが西鉄柳川駅の近くなので,まず,ホテルに行ってキャリーバッグを預けました。適当に旅をしていても,こういうことだけは抜かりがないのです。とはいえ,柳川市の観光の中心地がどこかすら知らなかったのです。
聞いてみると,西鉄柳川駅からはけっこう離れていて,そこまでは川下りの船に乗って行くのだとか。柳川市を観光するには川下り船が必須だなんて,うまいことできているなあ,と思いました。
私が柳川市に着いたときは雨は降っていなかったのですが,この日の天気予報では豪雨でした。聞いてみると,豪雨だろうと川下り船は運行するとかいう話だったので,一応,安心しました。
しかし,まだ到着したのが早すぎて,川下りの船は運航してなかったので,とりあえず,川下り船の運行がはじまるまで,近鉄柳川駅近くにあった三柱神社(みはしらじんじゃ)に行くことにしました。
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三柱神社は,「西国一の強者」と称された百戦錬磨の武将・初代柳河藩主であった立花宗茂,岳父の戸次道雪,そして,立花宗茂の室であった誾千代(ぎんちょ)の三神を祀ったことからこう称する神社です。雄大荘厳な風格の社殿と緑陰広がる三柱神社の境内は,水郷柳川の名所のひとつで,参道は直線300メートルもあり,春の大祭に流鏑馬が奉納されます。
1783年(天明3年),七代藩主の立花鑑通が柳河城内三の丸の長久寺境内に社を建立したのを起源とし,武神軍神,水利,干拓,開田,郷土繁栄の守護神でした。また,近年では,必勝,就職,再就職,復活の社として崇敬されています。
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「しない・させない・させられない」とは
「Dans la vie on ne regrette que ce qu'on n'a pas fait.」とは