ローソク島遊覧船で美しいローソク島の岩を見ることができて満足した私は,旅館に戻ってきました。この日の夕食もまた,格別でした。スペシャルメニューはサザエでした。また,昨晩は地元の冷酒を呑んたので,今日はビールにしました。
さて,2023年8月25日。旅の4日目,隠岐諸島の3日目です。
朝,窓から美しい朝日を見ることができました。朝食を終えて,チェックアウト。これから島前に向かいます。
島前は,西ノ島,中ノ島,知夫里島の3つの島からなり,私が島前で予約した旅館は西ノ島にあります。島後から島前の各島への移動は,本土と隠岐諸島をつなぐ3隻のフェリー「おき」「くにが」「しらはま」のいずれかを使います。
・・
●フェリー「おき」
私が島後に来るときに乗ってきたフェリーが「おき」です。「おき」は,午前9時本土の七類港を出発して,島後の西郷港に午前11時25分に着きます。そして,午前12時5分に西郷港を出発して,島前では,まず,中ノ島の菱浦港に午後1時15分着するので,中ノ島に行くには,このフェリーが利用できます。しかし,西ノ島に行くには,なんとその2時間後の午後3時15分に中ノ島を出発して,西ノ島の別府港には午後3時30分着というスケジュールなので,このフェリーに乗ると,島後から島前・西ノ島までは3時間25分もかかってしまうのです。
また,中ノ島の菱浦港で降りて,そこから島前3島を結ぶ内航船「しまかぜ」に乗り換えることもできるのですが,「しまかぜ」は,午後1時21分に菱浦港を出発して別府港に午後1時28分に着くものしかなく,この便は,中ノ島の菱浦港での乗り換え時間がわずか6分しかないので間に合いません。また,その次の内航船は午後4時47分までありません。ということで,現実的ではないのです。
●フェリー「くにが」
「くにが」は,午後3時10分に島後の西郷港を出発するのですが,そのまま本土の七類港へ行ってしまうので,別府港には行きません。
●フェリー「しらしま」
「しらしま」だけが現実的で,午前8時30分に島後の西郷港を出発して,島前・中ノ島の菱浦港に午前9時40分着,そして,わずか10分後の午前9時50分に菱浦港を出発して,午前10時5分に西ノ島の別府港に着きます。これなら,島後から島前・西ノ島まで1時間35分ですが,これしか選択肢がないのです。
このように,隠岐諸島を旅するのは,難解なパズルを解くようなものです。
結局,私のように,先に島後に行って次に島前の観光をしようとすれば,島前では,西ノ島ではなく,中ノ島に旅館をとったほうが,船便だけをみれば便利だったのです。こんなことわかるか! という感じです。しかし,私が,西ノ島に旅館を予約した最大の理由は,中ノ島にはレンタカーがない,という情報が元となっていました。だから,いずれにしても,西ノ島でレンタカーを借りなければはじまらないから,西ノ島に行くしかなかったのです。
このような事情で,もともとは,午前中は島後を観光して,午後,島前に行こうと思っていたけれど,朝早く島後を後にして島前に向かうことになったのです。午前8時30分の「しらしま」に乗船し,時間通り,午前10時5分に島前・西ノ島の地を踏みました。
もう少し続けます。
島前の中ノ島,西ノ島,知夫里島の3島を足した面積は,島後の4分の1程度です。地図を見るとわかるのですが,もともと島後のような丸い島の真ん中が浸水して海になって離れたような感じですが,いずれにしても,島前の3つの島を観光するには,海を越えなければなりません。
また,狭いといってもどの島も徒歩で観光できるわけがなく,車が絶対必要ですが,「地球の歩き方JAPAN・島旅」によると,西の島には軽自動車のレンタカーが15台ほど,知夫里島には5台ほど,そして,中ノ島にはレンタカーはない,とありました。いったいどうやって観光するの? という感じでした。
3つの島の間は,内航船「しまかぜ」とともに,10台ほどの車を運ぶことができるフェリー「どうぜん」があるから,島前・西ノ島で借りたレンタカーをこれで別の島に運ぶと書かれてありました。「どうぜん」は便数も少ない上,予約不可だったので,車を乗せるのは早い者勝ちということになり,乗れなかったどうするの? あるいは,帰ってくることができなくなったらどうするの? と思いました。現実問題,満員になることはまずないらしいのですが,そんな情報もまた,「地球の歩き方JAPAN・島旅」には書いていないし,ネットで調べても出てきません。
そんな多くのことを心配しながら,ともかく,西ノ島でレンタカーを借りなければ何もできないので,わずか15台が満員にならないように,早めに予約して,確保してありました。実際,このレンタカーは満車になることがよくあるそうです。ここでもまた,隠岐諸島を旅するのは,難解なパズルを解くようなものでした。
隠岐諸島の観光協会さま。観光客を誘致したいのなら,もう少し船の便のダイヤを考えてください! 船舶業者の縄張争いをしている場合じゃありません。
◆◆◆
「しない・させない・させられない」とは
「Dans la vie on ne regrette que ce qu'on n'a pas fait.」とは