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東海道五十三次の41番目の宿場である宮宿は熱田宿ともいわれ,熱田神宮の門前町でした。
人混みのきらいな私は初詣にも行かないから,地元に住んでいながら,近年,熱田神宮に行ったことがありませんでした。子供のころには,初詣に連れていかれたから,そのころは行ったこともあるのですが,ものすごい人混みに中を単に社殿と往復しただけで,何も見ていないのです。熱田神宮には,信長塀というものがあるそうなのですが,それすら,まったく記憶になく,一度見てみたいと思っていたのです。
とはいえ,熱田神宮のまわりには,西に国道22号線が,東には県道226号線が走り,JRの熱田駅と名鉄の神宮前駅があるから,このあたりを通ることはまれではありません。しかし,車で通る限り,さびれ感満載で,見える風景は悲惨なものです。名鉄の神宮前駅のあたりはデパートも閉店し,駅前の商店街はほぼシャッター街だし,壊れかけの民家が並んでいます。また,熱田神宮には,「きよめ餅」という名物もあるのですが,その店舗も古いままで塗装も剥がれているし,「宮きしめん」という食事処も熱田神宮の中にあるようですが,そういえば,近年,私は,きしめんすら,食べたことがありません。何でも「きしめん離れ」が叫ばれている状況だそうで,近ごろは,名古屋メシとやらが全国的に有名なのですが,その中に,果たしてきしめんが候補にあるのやらないのやら…。
ということで,車で通り過ぎるだけではよくわからないので,かねてから,一度,電車に乗って熱田神宮に行って,きちんと現在の姿を見てみようと思っていました。そこで,2024年2月17日に東海市芸術劇場で大西順子ソロピアノコンサートに行くついでに,思い立って行ってみたのです。
名鉄の神宮前駅で降りました。神宮前駅は再開発の途上で,東口は新しくなったようですが,私がよく目にする西口は工事中でした。今から40年ほど前までは,そのとなりの金山駅もひどいものでした。名鉄の駅は坂の途中にあるし,JRに至っては,駅すらありませんでした。それがいつしかひとつにまとめられ,総合駅となりました。しかし,神宮前駅は,依然として不便なままなのです。神宮前駅は,JRの熱田駅と離れていて,しかも,JRの熱田駅は駅舎が西側にしかありません。そこで,名鉄の神宮前駅の東口をいくら整備しても限度があるのです。ここもまた,名鉄とホームを平行にして,総合駅にすればずいぶんと便利になるのになあ,と思いますが,名古屋人にはそんな投資をする意欲もありません。まあ,もしもしできても,私の寿命がありません。
このごろ東京や大阪によく行く私には,それに比べて,大都市(だと思う)名古屋は,あまりにもド田舎です。鉄道インフラがひどすぎるのです。名鉄は名古屋駅も未だに乗換駅の体すら成していませんし,地下鉄のなごや駅はホームが狭すぎて,人がごった返しています。
観光で名古屋に来る人は,鉄道インフラを利用してみれば,名古屋がどういう都会かということがたちどころにわかり,名古屋人気質が理解できることでしょう。
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「しない・させない・させられない」とは
「Dans la vie on ne regrette que ce qu'on n'a pas fait.」とは