2024年3月7日,津軽鉄道のストーブ列車に乗って終点の津軽中里駅まで行ったとき,中里で宿泊した「福助旅館」で,女将から「こういうの知らないでしょう?」と言って,龍飛崎には地下を北海道新幹線が走っていてその音が聞こえるホテルがあると聞きました。さらに,立派なホテルだけれど辺境の地だから宿泊代が安いとも言われました。家に帰ってから調べてみると,それは「龍飛崎温泉ホテル竜飛」でした。そこで,今回津軽半島を1周するにあたり,私がまず予約したのがこのホテルでした。
龍飛崎の先端,高台の上に,私が思っていた以上の豪華なホテルがありました。龍飛崎にある宿泊施設はこのホテルくらいのものでした。
チェックインしたときにフロントで新幹線の話をすると,得意気に「新幹線が通過するときにホテルのロビーの照明が虹色に光って列車が走る音が聞こえるんですよ」と言われました。しかも,列車がいつ通過するか時刻表まで掲示されていました。どうやら,これがこのホテルのウリのひとつのようでした。私は,来るまで,列車が走る音が聞こえるといったって,ホテルのコンクリートで囲まれた地下室のようなところだけだろうと思っていたから,意外でした。
ホテルには,団体旅行ツアーが1組来ていたのですが,インバウンドはいませんでした。さすがにここまでは来ないのでしょう。青森県というところは,市販されているガイドブックにも,十和田湖と弘前が載っているものがほとんどで,それ以外の場所の情報は非常に少なく,私にはこれがいいのです。
多くの観光客は北海道に行ってしまうので,青森県は,一部の観光地を除けば観光客は少なく,よって宿泊代は安く,インバウンドはほとんどいないのです。私が,全国ほとんど行ってみた結果,日本で残る最高の観光地は青森県と高知県だけだと思っている理由はそこにあります。特に青森県は温泉が多く,人は優しく,自然が多く,すばらしいところです。
チェックインして一旦部屋に入り,荷物を置いたところで,ちょうど列車が来る時間となったので,急いでロビーに戻りました。ソファに座って待っていると,まず照明の色が変わりはじめました。そして,しばらくすると,列車が走る音が聞こえました。こそっとホテルの人に聞いてみると,この音はマイクで拾って拡大しているということでした。
また,このホテルは,1990年(平成2年)7月には平成の天皇と皇后が食事と休憩をしたところということで,そのときに使った備品が展示されていました。
「龍飛崎温泉ホテル竜飛」は,食事も温泉も部屋も最高でした。
私は,温泉が混みあうといやなので,なるべく夕食を早くとって,そのあとで入浴することにしています。この日も,私のほかにだれもおらず,くつろげました。また,この温泉には小さな露天風呂もあって,それがまた快適でした。
食事は夕食も朝食も豪華でした。朝食はすでに用意されていたものに,バイキングでそれ以外の好きなものを選ぶことができるという形式だったので,ストレスがありませんでした。
また宿泊したいと思うホテルでした。
・・
ちなみに,私が泊まったホテルは「龍飛崎温泉ホテル竜飛」が正式名称ですが,竜と龍が混在しています。竜と龍,このふたつの漢字は異体字にすぎず,同じもので, 竜が新字体で龍が旧字体ですが,これは,歴史的に龍の方が正字だとされてきたからというのが理由です。ただし,もともとは竜のほうが先に生まれたものです。
異体字のうち,名前などで,斉より齋,辺より邊,浜より濱といったように,難しいほうが威厳がありそうなのでそちらを使いたいと,こだわっている人がいるのと同じく,龍飛崎も,竜より龍を使いたいのでしょう。先日行った天竜峡も,現在は天龍峡で統一しようと決めていると聞きました。
◇◇◇
◆◆◆
「しない・させない・させられない」とは
「Dans la vie on ne regrette que ce qu'on n'a pas fait.」とは
◆◆◆
過去のブログの一覧は ここ をクリックすると見ることができます。