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 関西国際空港は広い空港だ。以前,ロサンゼルスでパスポートの盗難に遭って,命からがな台風の中を帰国しながら,台風で空港が閉鎖されてしまい家に帰れず,一夜を過ごしたときのあの「関空」だ。きょうは,そのときと同じところとは思えないほど,華やいで見える。
 まだ,出発には時間があって,デルタ航空のカウンタには係員がいなかったけれど,あと5分ほどでチェックインが始まるというので,その場で待つことにした。隣の,エコノミークラスの団体客が並んでいるカウンタを横目に,ビジネスクラスのカウンタで待っているのはすごく気分がいい。ものすごい金持ちになった気分だった。

 チェックイン後,食事券ももらったことだし,しばしの別れにと,空港のレストランでトロづくしの寿司を食べた。さらに,空港ラウンジも利用できるということだったので,早速利用することにした。どんどん気分はリッチになっていく。飛行機に乗る前から心だけは高く高く舞い上がっていく…。これだけでも,今回来た甲斐があるというものだった。
 ビジネスクラスは,以前に一度,ダブルブッキングで変更になって利用したこともあるし,アメリカで交通事故に遭って帰国したときは,ファーストクラスでミネアポリスから成田に帰ったこともあるので,はじめての利用ではなかったけれど,やはり,ビジネスクラスの座席は,広く,サービスもよく,快適だった。座席は一番前だった。出発前,まだ操縦席の扉が開いていて,コクピットがよく見えた。
 先に座っていると,横の通路を,エコノミーの乗客が通り過ぎていく。 機会があれば,また,ビジネスクラスを利用したいと思うのだが,ビジネスクラスの運賃は,エコノミーの3倍はする。 機内では,ビジネスクラス用の食事やら,専用のテレビやらがあって,あっという間にシアトルに到着した。9時間45分のフライトであった。

 シアトル・タコマ国際空港も,はじめての利用ではなかったけれど,今回,意外と狭く,古めかしいところだなあ,と感じた。
 シアトルでの手続きは簡単に終わり,無事にアメリカへの入国を果たした。次のフライトまでの時間,空港の待合をうろうろとしていると,前のフライトで通路をはさんで隣に座っていたおじさんを見つけたので,話しかけた。
 息子さんが神戸で仕事をしていて,夫婦で日本に遊びに行ったその帰りだということだった。この人も,ダブルブッキングで,エコノミーからビジネスに変更になったのだという。彼は,これから,オハイオ州の自宅まで帰るために,次はデトロイト便に乗るのだという。 この人,名前をジョンというのだが,彼のお父さんもおじいさんもジョンというので,自分はラリーと名乗っているのだそうだ。このおじさんと日本食のことやらなにやら,いろいろな話題で盛り上がっていたら,あっという間にソルトレイクシティ便の搭乗時間になったので,硬く握手をしてお互いの旅の無事を祈って別れた。