☆4日目 7月24日(火)
朝8時に,予約してあった空港に向かうシャトルバスがホテルに来るので,それまで,近くを散歩することした。
ホテルから南に500メートルくらい歩いたところにファミリーレストランがあって,朝食のセットメニューが表示されてあったので,中に入ることにした。ウエイトレスのおばちゃんも見かけは怖そうだが,話しかけるとやさしいおばちゃんだった。
朝食はオムレツとトースト。コーヒーがよい眠気覚ましになる。飲むたびに思うのだが,こちらのミルクは日本にはない独特な香りがしてコーヒーにほどよく合ってとてもおいしい。
ホテルに戻って,チェックアウトをして,フロント前で待っていたが,ほぼ定刻にシャトルバスが到着した。シャトルバスのドライバーは気さくなおじさんで,雑談をしていたら,10分くらいで空港に到着した。無線を聞きながら運転したりして,たいへんそうだった。20ドルとチップを2ドル払って,握手をして別れた。
いよいよきょうから2日間,レンタカーを借りて,ここラピッドシティからノースダコタ州の州都ビスマルクまで移動する計画であった。
ラピッドシティの空港は小さく,レンタカーのカウンタものんびりしたムードだった。すぐに手続きが終わり,キーをもらって,屋外の駐車場に止めてあった白い車へ向かった。車は,韓国製だった。数年前までは日本製品で溢れかえっていたのに,本当にどこもかしこも韓国製だらけだった。
大都市の空港と違って,レンタカーは係員のいるゲートもなく,そのまま空港から外に出ることができた。車を借りたばかりのころは,いつものことだが,イスの位置,ハンドルの位置,バックミラーの位置などが,自分の運転しやすい状態になじまず,手間どってしまうことがあるので,慎重に運転する。
今日の予定は,まず,ラピッドシティからインターステイツ90を東に1時間あまりのところにあるバッドランド国立公園へ行き,東西にのびるバットランド国立公園を東側から西側に観光して,再びインターステイツ90を西にラピッドシティまで引き返して,さらにラピッドシティを越えてしばらく西に進み,やがてインターステイツ90を離れてサウスダコタ州の西の端を沿うように北上して,ノースダコタ州をめざし,行けるところまで行くというものだ。
最も不安な材料は,今晩の宿泊先だった。とにかく,夜6時をめやすに走って,そこで宿泊先を探そうと思っていた。
空港から出て,インターステイツ90はこちらという標識に従って走ってきたが,途中で,「インターステイツ90BUSINESS」という表示にわけがわからなくなる。そうして,だんだんと,自分のいる地図上の位置もよくわからなくなってきた。なかなかインターステイツ90にたどり着かない。
今回は「BUSINESS」と表示された道路にだまされた。つまり,インターステイツ90とインターステイツ90BUSINESSは全く別の道路なのだ。ともあれ,方向的に間違っていないので,そのうち郊外に出てしまえば,道も少なくなり,なんとかなるだろうと,気にせず走っていくと,やがて,どうにかインターステイツ90にたどり着いた。
インターステイツ90は75マイル(120キロメートル)制限だった。インターステイツ90に乗ってしまえば,あとは,快調に,バッドランド国立公園をめざして東に進む。今走っているインターステイツ90が,7年前の,因縁の,事故に遭った,あのモンタナ州ビュートからつながっているということを思うと,懐かしくなった。
やがて,インターステイツ90の姿は,あたりを見回しても牧草地帯だけでほかに何もない大平原を縫うように描いていく。そうした状況が1時間も続くと,やがて,ウォールという町に近づいて,周りに住宅やら倉庫やらの建物が見られるようになった。インターステイツ90の道路際には,有名なウォールドラッグの巨大な古びた看板がいたるところで目に付くようになった。
バッドランド国立公園の帰りに,ここに立ち寄って,有名なバッファローバーガーを食べることとしよう。
ラピッドシティから約1時間,ウォールを過ぎると,南側のはるかかなたに国立公園の雄大な山々が連なっているのが見えてくる。
バッドランズ国立公園は東側から西側に抜けるコースをとることにしたので,とりあえず,国立公園の西側のアクセスポイントであるウォールから,東側のアクセスポイントであるカクタスフラットという町までさらに進む。それにしても,遠く南側にその影がみえるバッドランド国立公園は雄大だ。
やがて,カクタスフラットに着き,フリーウェイを降りて,南へ少し。国立公園はこちらという道路標示をみて右折したらまもなく国立公園の東側のゲートに到着した。
バットランズループに沿って,ところどころにあるみどころで駐車し,トレイルを散策しながら,公園をめぐることにした。
・・
公園に入って早々,広い駐車場があったので,そこに車を止めて,まず,ドアトレイルという,一番手前のトレイルを歩く。すぐにトレイルの端に出たが,そこから見る景色は絶品だった。展望できるポイントからは,延々と,この世のものとは思えない景色が続く。これだけでも,グランドキャニオン以上だ。