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 機内では何もすることがないので,出される食事を食べ,飲み物を飲み,ひたすらデトロイトの到着を待った。
 現在は,エコノミークラスでもすべての座席の前に液晶のディスプレイがあって,ゲームもできるし映画も見られる。映画は,非常に多くのプログラムがあって,日本映画も見ることができるから,ひたすら映画を見ていても,なんとか12時間を過ごすことができるわけである。
 若いころは,到着後の時差ぼけを心配したりして,様々な工夫をしたものであるけれど,もう,何もしなくなった。眠たたければ寝るし,眠たくなければ起きている。それでも,やはり,12時間は長い。
 日本から西海岸へなら9時間くらいで行くことができるし,そのくらいの時間だと,長いという印象はない。残りの3時間が辛いのだ。やはり,日本からアメリカに行くにはシアトル便がいい。

 ともあれ,だらっと機内で過ごしながら,それでもすることがなくなって,「陽だまりの彼女」とかいう映画をみていたら,やっとのことでデトロイトへの到着が近づいてきて,機長の機内放送があった。
 なんと,デトロイトの気温はマイナス5度だという話であった。ずっと忘れていたのだけれど,そのときに,アメリカは大寒波だったということを思い出した。聞いていた乗客からため息が出た。
 やがて,アメリカ東部標準時夏時間午前11時20分,デトロイト到着した。そうそう,3月は,すでに夏時間である。

 いつものように飛行機を降りて,そのまま標示にしたがって狭い通路とエスカレータを通り,入国審査のゲートについた。少し待って,入国審査も難なく終わった。
 次は,一度預けたカバンをバゲイジクレイムでピックアップして通関しなければならない。
 このあたりもとてもアメリカらしいのであるけれども,カバンの出てくるラインがふたつあって,係官に聞くと,どちらから出てくるかわからないという。私は,このいい加減さが好きであるが,ふたつのラインをきょろきょろしながら,カバンが出てくるのを探した。やがて,カバンが出てきたのを見つけ,通関した。
 この時,これまでは,単に書類を渡すだけであったが,なんと,この通関の係官がよほど暇なのか,入国検査の時と同じような質問をした。こんなことは意味がないし,あんたのする仕事じゃあないだろうと思った。

 こうして8か月ぶりにアメリカに入国して,デトロイト空港の国内線に乗り換えるためにターミナルに着いた。空港の広い窓から見た外の景色は,一面真っ白な銀世界の大地であった。
 昨年の夏に来た時は,ここのターミナルには無料の wifi はなく,wifi の繋がるカフェのあたりだけネットに接続できたということをブログに書いたが,今回来てみると,空港はどこも無料で wifi が繋がるようになっていた。私は,コンセントが近くにある席に座って,ブログとフェイスブックの更新をした。
 そんなこんなでだらだらと過ごしていたが,午後1時55分発のサンアントニオ行きの搭乗案内があったので,飛行機に乗り込んだ。機内に入るとき,一瞬だけ外気に触れた。ものすごく寒かった。

 サンアントニオ行きは小さな飛行機で,ビジネスクラスは1人と2人の3人,エコノミーは2人と2人の4人が1列という,まるでバスのようであった。狭く,高速バスよりも乗り心地の悪い飛行機であった。それでも,なぜかアメリカの国内線の3時間と20分はあっという間だった。そうして,午後4時20分過ぎにサンアントニオの空港に到着した。
 サンアントニオは小さな空港であった。
 デトロイトとは打って変わって,気温は15度であった。
 飛行機を降りて,バゲイジクレイムヘ行き,カバンが出てくるのを待っていると,そこにあったベンチに友人が待っていることに気がついた。
 思えば,8年ぶりの再会であった。