このようにして,私は友人と会うことができた。
カバンをピックアップして,さっそくアメリカ流にハグをして,お土産を渡して,そして,友人の車を停めた駐車場に行った。黄色の目立つマツダの車であった。彼女は,自分の車を「バナナボート」だと言った。この,黄色い車はやたらと目立つので,駐車場で探すのに困らなかった。今度車を買うときは,私も目立つ色にしよう,と思った。
しかしながら,後に,ポリスに因縁? をつけられて反則切符を切られたのは,この車が目立つこともその理由ではないだろうか,と後日私は思った。
ともあれ「まず,どうしたい?」と聞くので,ともかく,ホテルにチェックインをしたい,と言った。
そこで,車をダウンタウンへ走らせて,予約をしてあったホテルに行って,ホテルの駐車場でしばらく待ってもらって,チェックインをした。
サンアントニオは,予想していたよりもはるかに広くきれいな大都会であった。
いつもそうなのであるが,アメリカの都会は,はじめてその場所に行ったときには,何が何だよくわからない。インターステイツで道路標示にしたがって走って行くとスッーと都会に入ってしまうのであるけれど,都会はどこも車を停める場所に困り,しかも,土地勘がないので,方角やらがよくわからない。
今回は,自分が運転しているわけもではなかったので,その点ではよかったのだか,私は,どこへ行っても,今自分がどこにいるのかがわからないと不安なので,地理的な情報もなく,ただ連れて行ってもらっている,というのも,同じようにストレスなのだ。
この友人は,しかし,iPhoneを車の電源プラグに接続して,それをカーナビとして使用しているので,どこへ行くにも,まず,行き先をiPhoneで検索した。
私は,おいおい,地元だろう,道も知らないのかと思った。きっと,彼女の頭には,地図などないのに相違ない。
さて,ホテルにチェックインをしたあとで、「次に,何をするか」と聞かれたが,今日は,まあ,夕食をとるくらいのものであろうと思った。
「夕食は何がいいか」と言うので,何があるのかと聞くと,メキシカン,アメリカン,プエルトリコなどなど何でもあるのだという。それぞれの料理を説明してもらう。どうやら,メキシカンというのは辛いようだ。私は,辛いのが苦手なので,プエルトリコがいいと言った。そこで,プエルトリコ料理のレストランに行くことになって,またしても,彼女はその場所を検索して,カーナビのいうがままに,車を走らせて,プエルトリコ料理店に到着した。
あとは,友人にお任せである。
実際,こうして,お任せで旅行をするときに,もっとも利点になるのは食事である。ひとりでは,こういった地元のレストランには行かれない。今回も,友人に会えたなら,食事が一番の楽しみであった。友人は店員となにやら楽しげにおしゃべりをしながら,何らかの飲み物と食事を注文したのだった。