☆2日目 3月14日(金)
いつものように,寝たのか寝なかったのかわからぬまま,ひと晩が過ぎた。
早朝,フロントに行ってみたら,もう朝食が用意されていたので,フロントの一角に併設された場所で,朝食をとった。トーストとジュースとコーヒーという,いつものモーテルの朝食であった。
そのあと,まだとても早かったので,ホテルのまわりを散歩して,町の様子になじもうと思ったが,夜が明けておらず,あたりは真っ暗であった。
ホテルから南に向かって歩いていくと,サンアントニオのダウンタウンに出た。ダウンタウンは日本の都会の繁華街と変わらぬ感じであった。しばらく歩いて,今度は,東に方向を変えると,ビルの谷間に有名なリバーウォークが見えた。ビルに囲まれてはいるが,きれいな小川が流れていて,その川岸に遊歩道が続いていた。
私は,ビルの谷間にあったリバーウォークに降りる階段を見つけて,リバーウォークに降りた。
まだ,早朝なので,レストランなどは開いておらず,川にも,掃除をする船が下っている様子であった。時折,ジョギングをする人や散歩をする人がいて,静かでとてもすばらしき景観であった。
こうしてリバーウォークを歩いて行くと,ところどころでビルの入口に通じていたりしていて,そうしたビルの入口を入っていくと,そのままホテルに行くことや,レストランに行くことなどができた。
サンアントニオはすてきな街であった。
リバーウォークを歩いてホテルの近くまでもどると,アラモの砦も簡単に見つけることができたが,開園は9時からで,入口前の広場では,軍人が何やらの訓練をしていた。
アラモの砦から,再び,今度は地上を歩いていると,アフリカンアメリカンの若者がヘッドフォンをかけて日本製の一眼レフをぶら下げ陽気に向こうから歩いてきた。
私に声をかけて,アラモの砦はどこかと聞いた。
私だって観光客で,この日がサンアントニオ初日であるのに,すでに土地勘もできて,すっかりサンアントニオの住民気取りになっていたので,しっかりと道案内をしてあげた。
どこから来たかと聞くと,ロサンゼルスだと言った。つまり,ロサンゼルスの若者がひとり旅でサンアントニオに来たということであった。日本のカメラ(ニコン)を自慢していた。仲よくなって,お互いに写真を撮りあった。
天気は快晴。素敵な1日のはじまりであった。
きょうは,友人が午前9時にホテルに迎えに来るという約束であった。
私は,友人が来る前に,明日から借りることになっていたレンタカーの予約を変更しようと思った。レンタカーの営業所は午前8時からということだったので,とりあえず,レンタカーの営業所を探すことにした。レンタカーの営業所は「リバーセンター」にある,と聞いていた。
私の想像していたレンタカーの営業所というのは,レンタカー会社の小さい建物があって,そこに,駐車場があるというものであった。しかし,ダウンタウンを探しても,あたりはビル街で,それらしきものが見当たらなかった。こんなことはいつものことなので,営業所の正確な住所は事前に調べてあったから,「リバーセンター」と書かれた標示のところにホテルがあったので,そのホテルに入って,従業員に聞いてみたら,とても親切に教えてくれた。
ホテルのプロントをそのまま中に入っていくと通路があって,それをこえたところに営業所はあるということであった。いわれたとおりに中に入っていくと,レストランやら売店が並んでいて,その間に狭い通路があった。日本にもよくあるホテルの1階と同じような感じであった。そのまま歩いて行くと,行き止まりになってしまったが,その突き当りにはドアがあって,そこから外に出ることができるようであった。そこを出ると屋外の通路になっていて,その向こうに別の建物があった。
その建物に入っていくと,別のホテル(マリアットホテル)のロビーになった。さらにしばらく歩いて行くと,ホテルのフロントの奥まったところに,やっとハーツのカウンタが見つかった。それは,私が思い描いていたレンタカーの営業所ではなくて,それはホテルのフロントの一角を占めたハーツのカウンタなのであった。