おじいちゃんは写真マニアで,いつもカメラの雑誌を読んだりしてるんだけど,今の時代,スマホで何でもできてしまうから,カメラメーカーも大変だなあ,って言ってるわ。
 スマホの普及で,小型のカメラは売れなくなっちゃったんだって。だから,カメラメーカーもこれからは高級品志向のものを中心に売るそうよ。でも,昔からカメラを持っていたマニアの人たちはきっと今でもそうした趣味を持ち続けているから,スマホで写真を写している人は,もともとカメラに興味はなくて,デジカメで簡単に写真を写せるようになったから新たににカメラを買った人で,そうした人がスマホで写真を写すようになった,っていうことだと思うのね。

 実際に写真を写すのが好きな人と,カメラが好きだっていう人もまた少し違うんだけど,実際に写真を写すとなると,雑誌に書いてある情報って,意外と役に立たないのね。
 たとえば,星の写真を撮るときは,星が点に写るっていうことが基本なんだけど,カメラは高級でも,そんな基本的なことがうまくできないレンズが多いわけ。レンズの収差が大きいのね。
 次に問題になるのは,ピントを合わせるっていうことなんだけど,それがまた問題なの。
 オートフォーカスでは星は写せない。
 一眼レフのファインダーとか,液晶のライブビューとかでは,なかなかピントが合わないわけ。一眼レフにはファインダー像を2倍の大きさに拡大してくれるアングルファインダーっていうのがあるんだけど,2倍じゃあ物足りないの。せめて3倍,できれば5倍ほしいわ。だから,実用的じゃない。
 そして,液晶はバリアングル方式じゃないと不便でしかたがない。
 そんな基本的なことすら,満足できるなものがあまりないのね。

 それとは別に,カメラを旅行に持って行くときは,小さくなちゃいけないんで,一眼レフじゃあ大きすぎて大変なの。だから,小型のデジカメがいいなあってなるんだけど,そんなとき,レンズが広角でないと不便なのね。
 旅行に行って写す写真は,風景とスナップと,それに食べ物。だから,広角レンズと,風景モードとスナップモードと食べ物モードの3つが簡単に選べて,風景は,ちゃんと無限にピントがあって,あとは,お昼間と日の出・日没,そして,夜景が選べればいい。それに,スナップが簡単に写せること。これだけが,ボタン1つで切り替えれれば,それでいいの。
 なのに,やたらと使わない機能がいっぱいあったりして,きっと,そうした機能の数でカメラの性能を比べたりする雑誌の記事に問題があるのね。実際に使ってもいないくせに机上で記事を書いているからね。

 そんなわけで,これだけたくさんの製品が出ているのに,いつも,本当に必要な機能がちゃんと使えるものがない,っていうことが一番の問題だと,私は思うのね。機能の多さとかそんなことにつられてモノを買っちゃあいけないのね。
 だから,買ったものに満足できない。だからって,すぐに買い換えたり,新製品が出たらほしくて仕方がないといったカメラマニアの人は別にして,本当に写真を写す道具としてのカメラなら,買う前にしっかりと選択して,せっかく買ったものは,多少不便なことがあっても,よく説明書を読んで,自分なりの使い方を工夫して,末永く楽しむことのほうがおもしろいわよ。所詮,買い直しても,また,別の不満がでてくるだけだけだから。
 もっとも,そんなおりこうな人ばかりだと,ますますカメラは売れなくなるけどね。

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