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 サンアントニオから北西に行ったところにあるフレデリックバーグから東に,ちょうど,サンアントニオから北の方向になるのだが,ジョンソンタウンという町がある。
 ここは,ジョンソン大統領の生まれ故郷なのであるが,このフレデリックバーグとジョンソンタウンにかけては,この地の名産モモの果樹園とブドウ畑が続いていて,特に,ブドウ畑には,多くのワイナリーがある。

 ジャムの試食にすっかり満足した友人は,今度は,私をワイナリーに連れて行こうと,いつものようにiPhoneをいじって検索を始めた。
 地図を片手に車に乗っていた私は,このころには,すでに,この場所の土地勘が目覚めていて,しかも,ほとんど道路といえば1本しかないテキサス州のことゆえ,カーナビなどなくても,場所がわかるようになっていたから,友人のやっていることがまどろっこしくて仕方がなかった。
 やっとのことで,場所を見つけた友人は,ワイナリーに向かって車を走らせながら,もう遅いから閉まっているかもしれない,と言った。

 フレデリックバーグで雑貨屋と試食に多くの時間を費やしておいて,もう遅いと言われても,と思った。第一,今日は出だし自体,1時間近いロスなのであった。
 私には,この友人の時間感覚が理解不能であった。
 やっとこさ見つけたベイカー・ワイナリーという名のワイナリーの入口からさらにさらにブドウ畑の中を続く道に沿って車を延々と走らせていくと,突き当たりに広い駐車場があって,その向こうには1軒のワインショップが見えた。車を停めて中に入った。
 中では,多くに客がワインの試飲をしていた。しかし,この店は,すでに,営業を終了するところであった。
 友人は,店員に,他にまだやっているところはないかと聞き,そして,やっと,別の店を聞き出して,再び車で,その,別のワイナリーに向かって,さらに,延々と車を走らせた。
 なにせ,テキサスはだだっ広いのである。

 新たに見つけたワイナリーは,ミードウ・ワイナリーといった。このワイナリーも,すでに,閉まったばかりであった。
 人がいて,横から入れば何とかなる,といったので,入っていくと,数人の客がワインの試飲をしていた。我々は,そこに加わることができた。
 そこで友人と10種類ほどのワインを試飲した。日本の利き酒のようなものであった。
 正直言って,私は,ワインには興味がない,というか,お酒はどれだけ飲んでも大丈夫なのであるが,普段お酒を飲まない。飲みたいとも思わない。だから,私が,試飲をしても,猫に小判なのであるが,とりあえず,ワインを味わいながら,感想を語り,順位をつけたりした。
 私のような素人にも,いろんな種類のワインはそれぞれ立派な個性があって,味わう順序を変えれば,また,別の評価になるような気がした。
 こうして試飲を終わり,サンアントニオに戻ることになった。