このようにして,この旅の2日目は,時間を大いに無駄にしつつも,私ひとりでは絶対に行けない,また,することのできない経験することができた。
今晩は何を食べるかと聞くので,私は日本食にしようと言った。それはそれでよいのだが,今日は金曜日,どこも混んでるという。どの国でも,週末の外食産業はよく賑わっている。
普通の人は,旅に出たときくらいは,といって,ご馳走を食べるものであるらしいのだが,いつも書くように,私は,食べ物にはまったく執着しないので,ひとりなら,どこで何を食べても平気である。だから,普段ひとりで旅をしているときは週末の混雑するレストランは無縁なのである。
友人は,考えた挙句,これまで一度も行ったことはないけれども,といって,「KAI」という名の,日本食レストランへ連れて行ってくれた。日本でもよくある郊外のバイパス沿いのファミリーレストランのようなところであった。
中はかなり広く,家族連れで混雑してはいたが,空席はあって,すぐに入ることができた。
日本食レストランとはいっても,日本食以外にもいろんな種類の食べ物が用意されていた。
私は,興味が半分,食べたいのが半分で,寿司を食べることにした。
メニューを見ても,巻き寿司の類が多く,ふつうの握り寿司を探し出すのに苦労したが,ちゃんと江戸前の握り寿司がメニューにあるのをようやく見つけ出して,それを注文することにした。
友人は,きょうは私に任せると言ったので,ちらし寿司を食べてもらおうと,まず,ちらし寿司とは何かを説明し,彼女はそれを納得したので,それを注文した。アメリカ人は,お任せとはいっても,納得しないでお任せにはしない。
ついでに味噌汁を注文したら,白みその味噌汁がでてきた。お椀にはスプーンが入れてあったのがなにかとても奇妙であった。
握り寿司は,非常においしかった。まとも?な握り寿司であった。ただし,わさびは別になっていた。要するにさび抜きであった。ちらし寿司も,日本のものと全く変わらないちらし寿司であった。というよりも,日本よりもおいしいくらいであった。
しかし,ここはサンアントニオ,海からさほど近くなし,生魚はどこから仕入れているのであろうか。
きのうは,食事をごちそうになったので,今日は,なんとなく,私が支払うことになった。
今後のことを考えると,今後は食事は割り勘にしたいのだが,いったいそれをどう提案すべきか,思案に暮れていた。
ともかくも,こうして,2日目は過ぎて,ホテルまで送ってもらった。
明日ホテルに迎えに来る時間は,朝,改めて連絡するという。友人は,とても忙しそうであった。
明日はいったいどうなることであろうか⁈