「55歳からのハローライフ」も第3回。
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 定年退職してからずっと家でテレビに愚痴をこぼす夫(浅野和之)に耐えられなくなった55歳の中米志津子(原田美枝子)は離婚を決意する。夫とは違うタイプの男を求め,結婚相談所に登録して見合いを繰り返すが,思うような相手は一向に見つからない。優良会員限定の合コンパーティにも招待されるが,気おくれして退場してしまう志津子。会場のホテルのバーに入ると,そこで声を押し殺し独り泣いている30代の男を見つけ…。
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というのが,番組のホームページにあったあらすじですが,今回もまた,定年退職後の,しょうもない人生をおくる旦那なんですか! と思ってしまいました。
 本当に,日本の男っていうのは,仕事以外にな~んもないんですかねえ。だったら,仕事に何か人生をかけたものがあるのかといえば,そうでもなさそうだし。でも、きっと,それは男がいけないというのじゃなくて,若いころから仕事以外に何もしてこなかった,というより,する暇を与えてもらえなかった,というこの日本の社会に問題がありそうです。
 それは,定年退職間ぢかの男に限ったことではなくて,学生さんだって,部活・部活でほかにな~んもしていない。若い人が電車の中で携帯いじっているって,問題にしている人もいるけれど,実際は何してるかというと,ゲームしてるか動画みてるだけだし…。
 本来は元気よく外で遊ばなくてはいけない子供たちなのに、少しでも時間があれば、意味のない塾通いをさせる母親は、そんな男の子の行く末がな~んも楽しみのない旦那だっていうことに気づいていないのかなあ。

 話が脱線しました。そうそう,物語です。
 離婚を決意して違うタイプの男を求め…,という「違うタイプの男」に,もし,若いころにめぐりあっていたとしたら,それはきっと安定した生活とは無縁だろうから,はたして,そのときには,女性はそんな男と結婚したのかといえば,きっとそうじゃあないだろうなあ,なんて,番組を見るまでは思っていました。
 しかし,ドラマを見て,私には,この物語の場合は,旦那もそうですが,それよりも,この女性こそが人間的につまらないと思えました。しょうもない男性がたくさん出てくる(それにしても,出てくる男がヘンな人ばかりで,女性もかわいそう…)から,こういうお話の展開になるのだろうけれど,この女性にもそれほど魅力があるとも思えませんでしたから,きっと,この女性は,若いころにも,ときめいた恋愛をしたことがなかったのでしょう。だから,まだ,恋に恋している段階なのです。精神的には10代の女性のようです。

 物語は,突然,展開します。やっと物語らしい出会いがはじまりそうになります。
 しかしながら,若い男にとって,(かなり)年上の女性は,母性の対象にこそなれ,それだけのものです。
 女性は,映画「ひまわり」を見て,若い男性に語るのですが,これは,本当は女性が自分自身に語っていること,そして,恋に恋していた自分にやっと気づくのでした。この物語の女性は,最後に,それを悟ることができたのが救いでした。
 ただし,私には,この物語には物足りなさを感じました。どうして,元旦那が,退職後に,また,再就職をすることにそれほどの意味を持つのでしょう(経済的に… とはいっていましたが)。人生の目的は仕事ではありません。それが,その理由です。

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