朝日新聞の「政治・断簡」というコラムに,
・・・・・・
上野千鶴子さんの近著「女たちのサバイバル作戦」刊行を記念した,学生とのトークショーがあるというので出かけてきた。
・・・・・・
からはじまる記事がありました。
この中で,私がおもしろいなあ,と思ったのは,大学3年生の女性の,何をモチベーションにして,働くとか就活とかすればいいのかわからなくなってきた,という質問に対する上野さんの答えでした。
・・・・・・
自分が死ぬ時に,ああおもしろかった,と言えたらいいと思わない? それを基礎に考えたらどうですか。
・・・・・・
以前にも書きましたが,私は,これまでの人生で,仕事が楽しかった,という思い出はほどんどありません。仕事以外には,ああおもしろかったと思えることは,数限りなくあって,きっと,そうしたおもしろかったということは,仕事というおもしろくなかったという裏の面があったからこそ,ああおもしろかった,と言えるのかな,と思ったりもしています。
それでは,就活のモチベーションにはなりません。おもしろかったという人生を送るために,つまらない仕事をがまんしなない,なんて。
だけど,そう思えば,表裏一体,水道と下水じゃないけれど,紙にも表裏があるように,それでひとつの人生と完結と考えれば,気が楽にもなるというものですかねえ。これは,自分に対する言い訳です。
そんなこれまでの人生ですが,NHK総合のドラマ「55歳からハローライフ」のホームページを見ていたら,おもしろい「YES/NOチェック」というのがあったので,私もそれに答えてみました。以下の質問は,そのホームページからの引用,答えは私の意見です。
・・・・・・
〈その1〉時々、自分にはもっと別の人生があったのではないか……と思う。
〈答え〉きっと,あったでしょうけれど,それはそれで,同じように悩みや喜びがあったでしょうね。今の自分を考えると,別の人生が今よりもマシだったとは思えません。きっと,そのときはそのときで,同じようないろんなことが起こったことでしょう。ただし,私はこれまでの人生で,この人に会わなければよかったと思う人が3人います。
・・
〈その2〉今から新しいことをはじめるのは面倒だ、とよく思うようになった。
〈答え〉「今から新しいこと」っていうのは面倒というより,私はやめた方がいいと思います。そうじゃなくて,今までやってきたことをさらに充実させる,っていうことのほうが絶対にいいです。たとえば,退職したら,何か楽器をはじめる,とかいうのじゃなくて,たとえば,若いころにピアノを習っていた人なら,それを再び始める,ということのほうが楽しいんじゃないかと思います。そういう意味でも,若いころにいろんなことを身につけたという投資は大切です。
・・
〈その3〉気づいたら、1日が終わっていることが多い。
〈答え〉それはないです。週末に,今週は1週間が短かかったな,とか思うことはよくありますが,その日その日は,そう思ったことはないですね。
・・
〈その4〉いつかゆっくり旅に出てみたいと思う。
〈答え〉これは,いつかゆっくりでなく,思い立った時にやらないとだめでしょう。時間は作ろうと思えば作れます。無理してでも作れない人は,「いつか」も作れません。よく,そういう言い訳をする人がいますけれど,そういう人に「いつか」が訪れたことはありません。
・・
〈その5〉もしも昔に戻れるなら、やり直したいことがいくつもある。
〈答え〉今は特にないです。自分の能力は変わりませんから,きっとやり直しても,同じ結果だろうと,そう思うようになったのは,歳をとりすぎたせいでしょう。
・・
〈その6〉ペットを飼ってみたいと思ったことがある。
〈答え〉私はペットには残念ながら興味はないです。そのことによって,たとえば,長期の旅行ができないとかいう自分の時間や行動に制約ができることは,私の価値観ではありません。ペットを飼うよりも旅行をしたりすることの方が大切なのでしょうね。
・・
〈その7〉犬派か猫派かと言われれば、犬派だ。
〈答え〉犬派ですね。犬には裏がなさそうです。
・・・・・・