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●歴史的地区に指定された野外博物館●
 私は順調に走って,ウィリアムズバーグの予約したホテル「ガバナーズイン」に到着してチェックインをした。コロニアル・ウィリアムズパークはホテルから少し行ったところにあったので,私は荷物だけを部屋に入れて再び出発して,コロニアル・ウィリアムズバーグの駐車場に車を停めた。
 コロニアル・ウィリアムズバーグは,結局,大正村のようなところであった。

 コロニアル・ウェイアムズバーグ(Colonial Williamsburg)とは,ウィリアムズバーグの歴史的地区に指定されたところにある私立財団による野外博物館で,広さは301エーカー (122ヘクタール)である。
 ところで,この「エーカー」という単位はなじみがないから非常にわかりにくいので説明しよう。
 1エーカー=1,224坪
である。といってもまだ把握しにくいが,要するに,1,224坪は1辺が約63メートルの正方形の面積なので,
 1エーカー=幼稚園のグランドくらい
と考えればよいであろう。ちなみに1ヘクタールは1辺の長さが100メートルの正方形の面積だから小学校のグランドくらいである。

 ウェイアムズバーグは1699年から1780年までバージニア植民地の首都だったところだが,首都がリッチモンドに移転して寂れた。
 その後1920年代後期になって,W.A.R.グッドウィン(William Archer Rutherfoord Goodwin) 牧師をはじめとして,南北戦争で軍人だった人たちの子孫やジョン・ロックフェラー2世(John Davison Rockefeller, Jr.) とその妻アビー・アルドリッチ・ロッ クフェラー(Abigail Greene "Abby" Aldrich Rockefeller)の賛同によって再興が計画され,1930年代初頭に多くのコロニアル建築や,酪農,庭園,キッチン,燻製小屋,屋外トイレなどが再現され公開されるようになった。
 再現された主なコロニアル建築はラーレイ・タヴァーン,国会議事堂,総督公邸,郡庁舎,ジョージ・ウイズ邸,ペイトン・ランドルフ邸,マガジン,ブルートン教区教会などである。タヴァーンというのは飲み屋のことだが,現在はレストランやホテルとして利用されている。
 また,印刷屋,靴の製造所,鍛冶屋,樽・桶・木製家具・銃・鬘などの製造所や銀細工所などでは当時の手工業の実演も行われているし,土産物,書籍,玩具,陶器などの売店,邸宅や郡庁舎,議事堂,銃器庫,公立病院,刑務所なども見ることができる。

 このように,ここは過去の建造物に今も人が住み,そのころの生活を実演していて,いわば生きた歴史博物館となっている。住民は植民時代と同じようなしゃべり方をし,その時代の服を着て働いている。
 以前に行ったことがあるボストン郊外のプリマスプランテーションと同じようなところであったが,プリマスプランテーションが塀やゲートがあって入場料を払わないと入ることができなかったのとは違って,このウィリアムズバーグの歴史的地区は塀やゲートがなく,無料でいつでも通り抜けることができるのだった。ただし,芸術品や実務を展示・実演する歴史的建造物へ入場する場合と「革命の街」(The Revolutionary City)のような屋外パフォーマンスを見る場合には入場料($66.99)が必要である。
 現在,ロックフェラー一家により基金が寄せられた非営利の団体であるコロニアル・ウィリアムズバーグ財団によって所有・運営されているが,コロニアル・ウィリアムズバーグが観光客数のピークを迎えたのは1985年の110万人で,それ以来,減少に転じているということである。おそらく,それは,一度来れば十分で,リピーターが少ないからなのであろう。

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2013アメリカ旅行記-プリマスプランテーション③
2013アメリカ旅行記-プリマスプランテーション④
2013アメリカ旅行記-プリマスプランテーション⑤