今年に入ってから体調で少し気になることがあったので,意を決して病院に行きました。
私は,寿命は神様にお任せし病気はお医者さんにお任せてして,自分でできないことはくよくよ考えず,日々を楽しく過ごすようにしています。どっちみち,人生なんて死ぬまでの暇つぶしです。
身体は神様からお借りしたものなので,タバコなどの害で汚すことのないように大切にして,神様がおよびになったらそのときは「ああ,楽しかった!」と言ってお返しするつもりです。
ということなのですが,実際はそうは思ったようにいきません。悩まずすぐにお医者さんに相談… というほど私の精神が頑強なわけでもなく,さすがに今回受診すれば絶対に人生初の胃カメラになるだろうからと覚悟するまでちょっとだけ時間が必要でした。この歳の患者が調子が悪いといって受診すれば,私が医者でもやはり胃カメラを,と言うに違いないと思ったからです。
で,やはり,診断の結果,胃カメラとエコーをします,と言われ,ついに念願の? 人生初胃カメラを体験することになりました。
巷から漏れ聞こえてくることには,胃カメラほど苦しいものはないらしく,私の弟も二度とやらないと言うし,先輩諸氏からは有益な? アドバイスもいただきました。そうしてみると,結構多くの人がすでに体験しているみたいです。こういうときに,ネットなどの書き込みを調べるとだんだんと気が重くなるので,ほとんどそういった情報を探すこともしないで,胃カメラに挑戦することにしました。
何事も経験しないとわからない,と常々書いている手前,これもまた経験だと思ったら,だんたんど海外旅行に行くのと同じような精神状態になってきて,期待? に胸を膨らませるような状況になりました。ともかく,いくら人の話を聞こうがネットで調べようが,何事も経験しないと本当のところはわからないのです。
これまでの私の人生で何が苦しかったかといえば,その第一は,ロサンゼルスで身ぐるみすべて盗難にあって,残った100ドルだけで必死の思いで帰国したときですが,それは2001年のことです。その程度のことがつらかったのだから,今思えば,これも人生経験のなさが原因です。
その次は,2007年にバカな上司のいじめにあって仕事を辞めたときです。これは何が大変だったかというと,この先,生きてゆけるのかしらん? と不安にかれたことと,それまで尊敬していた人たちの多くが実はどうにもならないほど無能であったということ,そして,社会というのはそういう被害者に実に冷たいということを知ったことです。これが現在の私の社会や権力に対する穿った発想の原点であり,すべて実体験がもとになっております。
しかい災い転じて福となすというか,その後の人生は好転し,自分でも信じられぬほどの幸運とよい人に囲まれて,おかげさまで今や悠々自適の,何の憂いもない人生をおくっております。
そして第三は,2004年モンタナ州で交通事故にあって左足を完全骨折したことです。いや,骨折自体はつらくなかったのです。アメリカの先進医療のすばらしさは,まったく痛みもなく骨折の手術と治療をしてもらえました。むしろ,アメリカで救急車に乗ったり入院したりと,普通ではできない様々なことが体験できて私は好奇心いっぱいでした。おまけに,帰国するときは看護師同伴でファーストクラスでした。それよりもつらかったのはその1年後,骨折の治療のときに骨の中にいれてあったチタンの棒を抜くために,元気なのに入院して再手術をしたときです。
まあ,そんな三つの経験からすれば,わずか数分の胃カメラごとき,私にはたいしたことでもありません。
経験は人を強くするのです。
とまあ,そんな状況だったのですが,検査当日,喉に麻酔のシロップを入れて,いよいよ検査の開始です。麻酔がよく効くようにシロップを飲み込む前にしっかり喉にためるのがコツだと教わっていたので,事前にお水でこの練習だけは毎晩してきました。
胃カメラが喉を通るとき少しだけ苦しかったのですが,事前の練習のおかげで私の予想は大幅に外れ,まったく大したこともなくすんなりと胃カメラは喉を通過しました。胃カメラはよくもまあこんなにも入っていくものだと思うほどぐいぐいと胃を越え十二指腸まで達しました。どこを通っているのかがよくわかるのです。検査中はずっとモニターを見ていたのですが,自分のものとはいえ内臓を見る機会などそうあるものではないから,非常に興味深く観察しました。それにしても鮮やかに見えるものです。さすがオリンパスの技術です。
いろいろと説明を受けながらモニターを眺めていたら,ほとんどなんの苦痛もなく,私の胃カメラ初体験は楽しく終わりを迎えました。
近ごろは鼻から入れる楽なものもあるのだそうですが,私の場合,人間ドックならともかくも,何か病気を疑って受けた検査なので,その場で生検ができるように口からの胃カメラというのが必然の成りゆきでした。全身麻酔をすることもなく単に喉に麻酔をしただけで受けた検査でこの程度だから,まあ,毎日でも,というのはオーバーですが,病気を心配するくらいなら,さっさと検査を受けて安心したほうがずっとマシだとつくづく思った次第です。それとともに,こうした胃カメラを作り上げた先人の努力とオリンパスという偉大な会社に感謝しました。
結果は… 幸せなことに,まったく異常なしでした。
これからは生意気な若いモンがいたら言ってやろう。「胃カメラ口から飲んだこともないのにいっぱしの口きくな」とね。そんな気持ちになった愉快な? 1日でした。
◇◇◇
アイ・ラブ・モンタナ-9年前の9月13日に①
アイ・ラブ・モンタナ-9年前の9月13日に②
アイ・ラブ・モンタナ-9年前の9月13日に③
アイ・ラブ・モンタナ-9年前の9月13日に④
アイ・ラブ・モンタナ-9年前の9月13日に⑤
アイ・ラブ・モンタナ-9年前の9月13日に⑥
アイ・ラブ・モンタナ-9年前の9月13日に⑦
アイ・ラブ・モンタナ-9年前の9月13日に⑧


