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 大阪場所の6日目は一番出世披露があります。
 序ノ口の取組前の前相撲は他の場所は3日目からですが入門者の多い大阪場所は2日目から行われます。前相撲はその場所前の新弟子検査に合格した者と序ノ口から番付外に陥落している者が行います。非公開ですが,大阪場所は前相撲の取組数が多いので,開場時間になって入ってもまだ続いていて一般でも少しだけ見ることが可能です。私も昨年見ました。
 前相撲で5日目までに2勝を挙げると一番出世となります。6日目から8日目までに2勝を挙げると二番出世,それ以外を三番出世とします。

 出世披露とは,師匠や部屋の関取の化粧廻しを身につけて土俵に上がり,場内アナウンスによって所属部屋,四股名,出身地が読み上げられます。そして最後に行司が「これに控えおきます力士儀にござりまする。只今までは番付外に取らせおきましたるところ,当場所日々成績優秀につき本日より番付面に差し加えおきまする間,以後相変わらずご贔屓お引き立ての程ひとえに願い上げ奉りまする」と口上を述べます。
 出世披露は三段目の取組中に行われます。客席から盛んに声援が飛んでいました。彼らの力士人生,これからが大変です。

 私はこれを見てから1階に降りました。これまで毎場所見てきたので,この日は力士の入り待ちをする気はなかったのですが,入口に立ち寄ったときにはすでに入り待ちをする人でごった返していたので,少しの間立ち止まって見ていましたが,幕下上位の取組に見たいものがいくつかあったので,2時までで引き上げることにしました。
 この日見ることができた力士は,休場していてこの日から出場を決めた豊ノ島をはじめ,千代丸関,千代の国関,宇良関,高安関などでした。
 他の場所では力士が入ってくると拍手や歓声がすごいのですが,なぜか大阪場所はそういう反応がないのが不思議です。
 ただ,後ろにいた妙齢の女性が「千代丸さんカワイイ~」とか叫んでいるのだから,彼女たちにとれば,お相撲さんというのは女の子が大切に抱きかかえているくまさんのぬいぐるみと同じような存在なのでしょう。

 2時になったので,席に戻りました。
 見たかった取組というのは阿炎(あび),貴公俊(たかよしとし),剛士,貴源治などの幕下上位の将来有望力士のものです。
 今日の一番下の写真が話題の貴源治ですが,現在19歳で西幕下1枚目,誰しもが認める逸材です。勝ち越せば来場所はいよいよ関取ですが,この日は惜しくも負けてしまいました。
 なお,貴公俊,貴源治は双子でそっくりですが,隣にいた女性ファンによれば,口元にほくろがあるのが兄の貴公俊だとか言っていました。ザ・ピーナッツでもあるまいし…。

 大相撲は,このように幕下以下の若者たちを見るのが楽しみです。BS放送で午後1時から放送されるようになって幕下の取組はテレビで見られますが,それ以下は今でも実際に場所に行かないと見ることができないので,私は少しでも早く行ってそれらを見るようにしています。
 多くの人は朝早くからやっていることを知らないし,テレビの放送時間くらいからはじまると思っている人もいるし,せっかくチケットを手に入れたのに4時過ぎに行く人もいるようですが,もったいない話です。
 こうして朝から見るからこそ,いかに上位の力士が強く偉大なのかがよくわかるのです。

 大相撲は最も封建的な社会のように思えますが,学歴もコネも関係なく強ければだれでも横綱になれるわけで,その意味では,日本でもまれな実力社会です。
 それが,引退後は部屋の派閥やらなにやらできわめて人間臭くなってしまい,しかも,現役時代の地位が学歴のように扱われるのもまた人の世の常でしょう。私は昔は引退して親方ともなれば悠々自適だと思っていたのですが,親方衆というのも当然いろんな人がいるだろうし,雑用もたくさんあるだろうし,しかも,後援会とのお付き合いはセールスのお仕事と変わらないだろうし,それはそれでかなりたいへんそうです。どの世界も同じです。