●古都アレキサンドリアへ行く。●
☆11日目 8月6日(土)
この日私は1日かけてスミソニアン航空宇宙博物館の別館であるウドバーハジーセンターに行くつもりであった。
ウドバ―ハジーセンターはワシントンDCのダウンタウンから遠い。しかし,これはまったくの偶然であったが,私の宿泊したホテルの最寄り駅イーストフォールスチャーチ駅からならば,そのままシルバーラインの西向きに乗って終点のウィウハルレストンイースト(Wiehle-Reston East)駅で降りてバスに乗り替えれば行くことができるのだった。
このシルバーラインはウドバ―ハジーセンターのあるダレス国際空港まで延長する予定なのだが,まだ完成していない。
しかし,すでに書いたように,私は4日前にウドバーハジーセンターに行くことができたので,この日の予定が空いてしまった。そこで35年前には行くことができなかったワシントンDCの郊外にまで足をのばすことにした。いろいろ調べた結果,そのなかで最も魅力的であったアレキサンドリア(Alexandria)へ行くことにした。
アレキサンドリアまではイースフォールスチャーチ駅からワシントンDCのダウンタウン方向である東向きに5駅行って,昨日,アーリントン国立墓地に行くときに下車したロズリン駅でブルーラインに乗り換えて南へ7駅,キングストリート・オールドタウン(King Street - Old Town)駅で降りればよいのだった。
その途中,地下鉄は,ロナルドレーガンワシントンナショナルエアポート駅に停車した。空港はこの駅の目の前だから非常にアクセスがよい場所にある。しかし,この空港が手狭になったのでその役割をダレス国際空港に譲って国内線専用の空港になったのである。それに対してダレス国際空港は非常にアクセスが悪く,日本から空路ワシントンDCに行くのは結構大変である。
ちなみに空港からダウンタウンに鉄道でアクセスのよいアメリカの大都市はオレゴン州のポートランド,サンフランシスコ,ミネアポリス,フィラデルフィア,シカゴ,アトランタ,ニューヨークといったところであろうか。アメリカでもこれらの都市なら車を借りなくても観光ができるところだ。
30分ほどの乗車で私はキングストリート・オールドタウン駅に到着した。アレキサンドリアはこの駅からポトマック川に向かってキングストリート沿いにダウンタウンが続いている。
無料のトロリーバスがあるということだったがまだ朝早く走っていなかった。
アレキサンドリアはアメリカ合衆国の建国前の1749年に港町としてスコットランドの商人によって造られた町である。今でも当時のままの石畳にレンガ造りの建物が続き歴史保存地区に指定されている。いわば,アメリカ版の高山市である。
それにしてもこの日は暑かった。早朝とはいえ,すでに歩くと汗が噴き出してきた。しかし,私の強烈な運の強さがこの日もまた発揮された。キングストリートを歩いていくと,市庁舎前の中庭に到着した。ここでは260年以上も続くアメリカで最も古い市場が今も毎週土曜日の7時から12時まで開かれているのだが,今日がまさに土曜日だったのだ。私はそんなことはまったく知らなかった。
ここではとれたての野菜や果物,ホームメイドのパン屋スイーツ,花などの露天が所狭しと100以上立ち並んでいた。アメリカでこうしたマーケットに出会って歩きまわるのは本当に楽しいものである。