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●ギャッツビーズタバーン●
 アレキサンドリアにある歴史的建造物で1番の見ものは「ギャッツビーズタバーン」(Gadsby's Tavern)ということであった。タバーンというのは英語で居酒屋のことであり,日本でも気取った居酒屋ではこの名がある。
 この「ギャッツビーズタバーン」の公開は10時からということであったが,私が着いたときは,すでにはじめのツアーがはじまっていて,次のツアーは30分後と入口に掲げてあった。
 この建物もまたアメリカのそうした観光地同様に,派手な看板などまったくなく,単に入口にそうした掲示があるだけで,入るのもはばかられる感じであった。

 入口にはもうひとり,私のようにこの建物を目当てに来た若い女性が立っていた。どこからお見えですか,などというたわいのない話から親しくなったが,ではまた30分後に来ます,と言って,私は一旦前回書いた市場へ行った。
 30分後に戻ってきたらそのときの女性がいた。彼女に招かれて建物に入ったら,実は,その彼女が今回のツアーのガイドであった。
 ツアーは人が集まり次第開始,ということであったが,参加者は私ともうひとり別の女性のふたりであった。彼女の案内で,建物のなかを存分に見学した。
 アメリカでは,見学というのは大概こうした親切なそして博学なガイドさんと一緒で,日本の寺院のように自由に見学するというのはまれであるから,旅慣れていない,かつ,英語の苦手な人だと居心地が悪く困ってしまうであろう。いわば,京都へ観光に来た外国人が伏見の寺田屋を観光しようとなかに入って日本語のガイドさんに連れられて見学コースをまわるようなものである。

 このタバーンという歴史的建造物はアメリカ初期のもので,1785年に建てられたジョージアスタイルの居酒屋と1792年に建てられたフィラデルスタイルのホテルからなっている。 
 「ギャッツビー」というのはこの居酒屋の最盛期に経営をしていたイギリス人の名前「ジョン・ギャッツビー」(John Gatsby)にちなんだものである。
 当時,この居酒屋はアレキサンドリアの政治,ビジネス,文化の中心となっていた。1階は居酒屋とレストランであった。2階にはベッドのある居間と,その隣がホールになっていた。このホールでは結婚式,舞踏会,演劇会,集会などが開かれていて,トーマス・ジェファソン(Thomas Jefferson),ジョン・アダムス(John Adams),ジョージ・ワシントン(George Washington)もここをよく訪れていたという。
 19世紀の終わりごろまで栄えていたが,その後は荒廃し1972年に市へ寄贈され1976年に博物館としてオープンしたというものであった。

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私の訪れたアレキサンドリアで,6月14日午前7時ごろ,共和党の連邦下院議員スティーヴ・スカリス(Steve Scalise)らが男に銃撃されるという痛ましい事件が起きました。現場はユージーン・シンプソン・スタジアム・パーク(Eugene Simpson Stadium Park)で,スカリス氏は共和党議員らでつくる野球チームの練習中だったということです。事件が起きた場所はアレキサンドリアと報道されていますが,このブログに書かれているアレキサンドリアのダウンタウンからは北に2マイル(3.2キロ)ほど離れた場所です。