今日は私がこの旅で持ってきた撮影道具を紹介しましょう。これらはこれまでハワイ島,ニュージーランド,マウイ島へ持っていって試行錯誤しながら改良したものです。とにかく小型でなくてはなりませんが振動がなく真っ暗な中でも使いやすい必要があります。
露出時間は3分くらいなので,当然,赤道儀でないと星が流れてしまいます。そこでビクセンのポラリエという赤道儀を使っていますが,最も手間をかけたのが極軸合わせのための様々な工夫です。
カメラはキヤノンのEOSX8iを散光星雲が写るようにIRカットフィルターを天体写真用に換装した改造カメラです。南天の星空を写すには何といっても広角レンズに限りますが,その画角もまた問題です。そこで選んだレンズはニコンの対角魚眼と広角の35ミリですが,今回はタムロンの90ミリマクロレンズも持ってきました。いずれもニコンマウントなのでアダプタを使ってキヤノンのマウントに合わせてあります。
赤道儀の電源と夜露よけのヒーターはANKERのPowerCoreで賄っています。これで一晩保ちます。これまで多くの失敗をしてやっと落ち着いたこれらの道具は今回極めて快調でした。まるでこの日のためにこれまでがあったようです。写真は構図を合わせてあとはシャッターを押すだけで,それ以外の時間はこちらで借りた大型の双眼鏡や肉眼で星空を楽しみました。
今回しみじみ思ったのは星は目で見るものだということです。寝っ転がって天頂に横たわる天の川を眺めたときの喜びに勝るものは他にありませんでした。