年末になると空港から海外に出発する人たちのニュースが流れます。この時期しか旅行のできない人は仕方がないのでしょうが,それにしても,こんな混む時期にあえて高いお金を出して旅をしなければならないのもお気の毒な話です。ハワイだって閑散期なら7万円ほどで往復できるのに,その3倍くらいも出して,大挙して日本人海を渡ります。私はハワイに行ったことのないころ,お正月に芸能人が大挙してハワイに行くのがとても不思議なことでしたが,ハワイに行くようになってから,その不思議さがますます増しました。
それはそれで人様の勝手ですが,このハワイについて書いていて,私がじわじわとまた行きたくなってきたのがハワイ島,特にヒロという町です。
2016年の春,生まれてはじめて行ったハワイはハワイ島でした。そのときは,マウナケア山の山頂に行きかかったことと南十字星が見たかったこと,これだけが目的でした。その後2回ハワイに行ってみて次第に状況がわかってきたら,今度は,はじめに行ったときにゆっくりと観光をしていなかったヒロという町にもう一度行きたくなってきました。
ヒロ(Hilo) はハワイ島で最大の町で人口は4万人ほど,地名は「新月の最初の夜」とか「ポリネシア人の航海者」にちなんで命名されたものであろうといわれています。ヒロは数千種類のランの栽培地としても知られ,「果樹園の町」または「ハワイのランの中心地」の異名もあります。
はじめて行ったときに私がヒロではなくカイルアコナを選んだのはヒロは雨が多いということを聞いたからでした。実際にハワイ島に行ってみて,ハワイ島は四国の半分ほどの大きさにもかかわらず場所によってずいぶんと天候が違うことが驚きでした。そしてまた,雨が多いのにどうしてヒロという町が栄えたのかもわかってきました。
今年,あるいはこの先またハワイに行くときは,今度は観光でなく,その土地に暮らすような気持ちで,何の計画もせず,この素朴なハワイの町をじっくりと味わいたいものだと楽しみにしているのです。