我が家には iPad が5台もあります。内訳は,初代,iPad2,iPadAir,iPadmini,そして買ったばかりの第5世代です。古くなっても下取りに出さないものだからどんどん増えていきました。しかし,さすがに初代は使い物になりません。iPad2 もすぐに固まるので使いづらいです。しかし,残りの3台は現役バリバリです。
そんな次第で,しばらく初代と iPad2 は隠居をしていたので,この度の「断捨離」で処分をしようとデータの初期化をしました。しかし,作業をしているうちに捨てるのも忍びなくなって,何か使い道がないかを考えるようになりました。その結果,初代は頻繁に見るビデオを保存しておいてそれを見るための専用機として,また,iPad2 は AmebaTV と YouTube を見るための専用機として復帰しました。今では iPad2 は AmebaTV の将棋チャンネルが朝から晩までつきっぱなしになっています。便利なものです。
さて,そうこうしているうちに,現役バリバリだった iPadAir のバッテリーがおかしくなり,充電してもすぐに切れてしまうようになりました。そこで予約をして AppleShop に持っていきました。
この AppleShop はきわめてアメリカ的なサービスをするところで,日本人の考える慇懃「無礼」なサービスとは全く違う塩梅なので,そうした間合いを知らない人は腹が立つと思います。なにせ AppleShop には日本のサービスセンターのような「窓口」というものはなく,そこらに立っているスタッフに声をかけて近くのイスに座って担当者が来るのをひたすら待つ,ということなのですから。しかし,その間合いを知れば,それはそれで非常に快適です。その反対に,日本のサービスセンターだと制服を着た(いかにも派遣といった)きれいなお姉さんがにこやかにマニュアルどおりの対応だけはしてくれますが,知識もなく権限もなく,単なる人形です。
私の iPadAir,AppleShop での「診断」(プログラムを走らせた)の結果,「バッテリー劣化のため交換」と相成りました。保証が切れていたので有償ということでした。部品がないから取り寄せるので約2週間かかるということだったので気長に2週間待つことにしたころ,わずか2日目に連絡がありました。再び AppleShop に出かけたのですが,その修理の内容というのは,バッテリーの交換ではなくて, iPadAir が新しいものに交換されるということでした。
これはすごいことです。感激しました。4,5年使ったものがわずか1万数千円で再び新品になってしまったわけです。考えてみれば,メーカーとしては,バッテリーを交換するために技術者を養成し,時間をかけて作業するくらいなら,こうして交換してしまう方がずっと効率もよくコストもかからないのでしょう。また,ユーザーにとってもそのほうが利があるから,これがウィンウィンなのです。
私はこのところ,身の回りの愛用品がやたらと使わない機能満載で使いにくいだけの日本製品から腐骨なアメリカ製品ばかりになりつつあるのですが,こうした企業のサービスの在り方を考えるだけでも,日本の企業がどんどんと世界から取り残されていくことを痛感するわけです。ちなみに私が昨年ニコンに修理に出したカメラのバッテリーの不具合は2か月近くが過ぎても何の返事もありません。時折催促に出かけてもぐたぐた言い訳をするだけでなんの解決も得ることができません。こういう対応を慇懃「無礼」と言います。
ちなみに,私はこのように AppleShop に持っていきましたが,友人によると,ウェブで連絡をすると運送費無償で取りに来てくれて数日で新品に交換されて戻ってきたのだそうです。