滞在2日目。
今日はキングスキャニオン国立公園とそれに隣接するセコイア国立公園に行くことにしました。
宿泊していたのはベーカーズフィールドで,そこから北に2時間30分ほど北上して北のゲートから国立公園に入って南のゲートに抜けるコースを取ることにしました。
キングスキャニオン国立公園が隣接していることは知りませんでしたが,私はセコイア国立公園は子供のころからずっと行きたかったところなので,ついに念願がかないました。
それは小学何年生だったか忘れましたが,国語の教科書に,この国立公園のことが書かれてありました。セコイアの広い幹をくり抜いてそこに車が走っているという衝撃的な写真でした。アメリカは途方もない国だとそのとき思いました。
ちょうどそれを習った年の夏,クラスに本間さんという女の子がいて,彼女は父親がアメリカに赴任中だということで,数カ月間学校をお休みしてアメリカへ行くことになったのです。帰国してから,その体験報告と質問会がありました。そのときの質問で今でも記憶に残っているのは,何か英語で話してみてください,というのと,セコイア国立公園へは行きましたか,というものです。彼女は流暢そうな英語でひとこと話しましたが,当時の私はすごいなあと感心しました。そして,彼女はセコイア国立公園には行けなかったとも言いました。私はアメリカといったって広いから,そりゃ無理ないなあと思いました。しかし,セコイア国立公園がどこにあるかなんていうことはまったくわかりませんでした。
その後,車が通れたというセコイアが枯れてしまったというニュースを聞きました。あんな穴を開けられたからに違いない,かわいそうにと思いました。そしてあれから50年以上して,私はついにセコイア国立公園に行くことができました。あのときのセコイアは今も横たわったまま風化していました。ふたたび,かわいそうにと思いました。