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 2019年2月18日の早朝,今度は金星と土星が大接近しました。
 金星(Venus)は、太陽系で太陽に近い方から2番目の惑星で,太陽との平均距離は108,200,000キロメートルで地球の約3分の2,地球に最も近い公転軌道を持つ惑星です。太陽系内で大きさと平均密度が最も地球に似た惑星であるため「地球の姉妹惑星」と表現されることもあります。地球よりも太陽側にあるので,地球から見ると金星は明け方と夕方にのみに見ることができます。明け方に見えるのを「明けの明星」,夕方に見えるのを「宵の明星」といいますが,現在は明け方,太陽が昇る前に東の空に昇ってくる「明けの明星」です。
 一方,土星(Saturn)は太陽から6番目,太陽系の中では木星に次いで2番目に大きな惑星です。太陽との平均距離は1,400,000,000キロメートルで地球の約10倍になります。また,巨大ガス惑星に属する土星の平均半径は地球の約9倍にあたりますが,平均密度は地球の1/8に過ぎないので軽く,水に浮くという説明がされています。私が子供のころに読んだ図鑑には土星が水槽に浮いている絵が描かれていたのですが,土星が入るような水槽などありえないし,土星の重さなどどうやって測るのだろうと,私は納得がいきませんでした。要するにこれを書いた大人は,土星の比重が1より小さいといいたかったのでしょうが,こういうたとえは子供の頭を混乱させます。土星といえば恒常的な環をもっていることで有名ですが,この輪ができたのは最近のことで,地球上では恐竜が闊歩していたころということが近ごろわかりました。土星の環は小さな望遠鏡でも美しく見ることができます。
 金星はマイナス4等星と明るく,土星は1等星ほどですが,現在は明け方の東の空,地平線に近いので,地平線付近まで晴れ渡っていないと,都会では土星が見にくいものです。また,写真に撮っても,輪のある土星を写すには露出を切り詰める必要があり,そうすると金星も暗く写っていまい,せっかくふたつの惑星を入れた写真を写してもほとんど小さな点になってしまいます。しかし,今日の写真のように十分な露出で写すと土星が露出オーバーになってしまうので,改めて土星の写真を別の露出で写して合成してみました。

 ところで,2月19日は「スーパームーン」でもあります。日本時間では午後6時3分に月が最も地球に近づきます。2019年は1月21日についで2回目の「スーパームーン」となります。月と地球との距離は1月の「スーパームーン」では357,700キロメートル,今回が356,800キロメートルなので,2月の「スーパームーン」のほうが若干近いです。
 「スーパームーン」というのは,もともとは天文学の用語ではなく占星術の用語です(今回もまた占星術が出てきてしまいました)。この言葉を広めたのは,NASAの研究所のひとつであるジェット推進研究所(JPL)で,地球と月の距離が近いときの満月が平均的な満月よりも大きくそして明るく見えるために,これを「スーパームーン」とよぶとしています。しかし,地球と月の距離がどれだけより近い満月を「スーパームーン」とよぶかという明確な定義はなく,概ね月と地球との距離が360,000キロメートル以内の満月を「スーパームーン」とよんでいるらしいというのが実情です。
 残念ながら明日2月の「スーパームーン」は雨で見ることができないという予報なので,その前日2月18日に左下がわずかに欠けた月を写しました。今日の写真はその月齢13.6の月です。

☆ミミミ
やっと晴れたか?冬2019④-火星と天王星の大接近