予定していた便には乗り遅れたものの,どうにかアリススプリングス経由でエアーズロックに行くことができました。こうした方法があるのなら日本の出発時にそう話してくれればいいものの,日本の「おもてなし」やらはどうでもいいことだけは親切でも肝心なところがいつも抜けています。
ケアンズからはカンタスリンクで,機内の雰囲気もジェットスターとは大違いでした。食事も出て,やっとまともな飛行機に乗った気がしました。そもそも,私はまだ数週間前にデルタ航空のファーストクラスでハワイに大名旅行をしてきたばかりなので,飲み物すら有料のジェットスターとの落差に戸惑いを感じました。
それはそれとして,ケアンズからアリススプリングスまで座席は窓際で,オーストラリア大陸がずっと見えていました。オーストラリアはアメリカと面積はほとんど同じであっても人口が決定的に違うので,この大きな国土を持て余しているようにすら感じます。赤茶けた大地だけがずっと続いているのを見ていると,絶望的にすらなりました。そのうちに家が見えはじめました。アリススプリングに到着したようです。それにしても,オーストラリアのど真ん中にこうした町ができて,そこに人が住んでるという現実が不思議でなりません。

アリススプリングス(Alice Springs)は単に「The Alice」ともよばれる人口3万人程度の町です。古くからこの地に居住するアボリジニのアレント (Arrente) 族は,ムバーントゥワ (Mparntwe) とよんでいるそうです。もともとはスチュアート (Stuart) と名づけられ,アウトバックの南北交通の拠点として建設されました。湧き水があり,当時の南オーストラリア州郵政局長チャールズ・トッド(Charles Todd) の妻アリス・トッド(Alice Todd) にちなんでアリススプリングスと名づけら,次第にスチュアートよりもアリススプリングスが一般的な呼称となって,1933年に正式にスチュアートはアリススプリングスに名称変更されました。アデレードからアリススプリングスを通ってダーウィンにいたる道路は現在もスチュアート・ハイウェイとよばれています。アリススプリングスの主要産業は観光業です。
のどかな空港のタラップを降りて歩いてターミナルに行くと,建物のなかにはイカしたカフェがあったので,そこで次のエアーズロック便を待ちました。この時点ではあまり気にならかなったのですが,小さなハエのような虫がうっとおしく飛び回っていて,しかも気温も高く,建物の外にもベンチがあったのですが,出るのをためらいました。

そこで,これもまた,後で調べてみました。
 ・・・・・・
オーストラリアでええ加減にせいと思うほど生息するコバエは「bush fly」というものだそうです。ハエを追い払う仕草がAustralian Salute(オーストラリア式敬礼)といわれるほどにオーストラリアでの暮らしの中で避けることができないものだそうです。夏がハエの季節です。
このブッシュフライはオーストラリア国内にいる2,000万頭もの牛の糞を繁殖場にし大量発生します。ブッシュフライは冬の間は暖かい西オーストラリア州北東部の大規模な畜産農場で死に絶えることなく冬を越し,9月10月に気温が上昇し始めると活発になり急速に繁殖し急増するのだそうです。そして,毎年10月上旬に風に乗って南西のほうに運ばれて来るのです。オーストラリアの夏12月にはピークに達し,その後は夏の暑さで牛の糞が乾燥してくるため繁殖率が低下していくそうですが,私の行った3月はまだ異常な状況でした。オーストラリアは夏(日本の冬)に行くところではないようです。
戸外でバーベキューの肉などに群がるのは卵を産むのにタンパク質を必要としている小さいメスのハエで,人の汗や唾液を目当てにしつこくまとわりつき,特に口をねらってくるので私は何匹食べてしまったことか! そしてオスがメスに群がるのは人間だけでなくハエも同様です。
 ・・・・・・

IMG_1166IMG_1169IMG_1181

IMG_1183IMG_1188IMG_1197IMG_1198IMG_1200IMG_1202IMG_1203IMG_1204IMG_1206IMAG6325_1-245x300