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チェックインを終えて,軽く食事をすることにしました。チェックインしたときに聞いたレストランに行くと,ランチには遅くディナーには早いという中途半端な時間で食事ができず,別のレストランを教えてもらいました。改めてそのレストランに行って,ブランチならぬおやつとしてサンドウィッチを食べてから,エアーズロックの夕日を見にいくことにしました。
この旅の過酷なのは,エアーズロックの見どころというのが夕暮れと夜明けの風景,さらに日没後の星空,そして,早朝まだ暑くなる前のエアーズロック登山というように,朝食と夕食を食べる時間がない,ということなのです。この到着した晩もまた,夕暮れを見にいくのはいいけれど,ではいつ食事をするのか,ということが問題でした。いつでも食事ができるようなファミリーレストランやファーストフード店があるのならともかくも,エアーズロックリゾートにあるのは数件の,それも決して安価でないレストランと,ただ1軒のスーパーマーケットだけでした。そこで,この晩はレストランで食事をとるのはあきらめて,スーパーマーケットでなにか適当なものを買って,それを夕食にすることにしました。
とはいっても,スーパーマーケットに日本のそれのようなお弁当を売っているわけでもなし,やっと見つけたサンドウィッチを買い込みました。

さて,エアーズロックの夕暮れです。
エアーズロックには夕日を見るのに適した展望台と朝日を見るのに適した展望台がそれぞれあって,ともに広い駐車場がありましたが,どのぐらい混雑するのかは予測不能でした。
それにしても,私はこの時まで勘違いをしていました。エアーズロックで夕日を見るというのは,エアーズロックと夕日を同時に見ることではないのです。エアーズロックの反対側の地平線に沈んでいく太陽の光がエアーズロックを赤く照らすのを見るのです。しかし,この日,空を見上げても結構雲があって,これで太陽がエアーズロックを照らすのかしら,というような天気でした。
オーストラリアのど真ん中の砂漠地帯なんていつも晴れ渡っているような気がしていたのですが,どうもそうでもないようです。天気予報を見ると,あいにく私の滞在する数日は天気がよくなくて,しかもお昼間は40度を越すほど暑く,1週間もすると毎日快晴で気温も30度を下回るようでした。それでも,せっかく来た以上可能性に賭けるしかありません。

日没1時間ほど前に夕日に照らされるエアーズロックを見る展望台に到着しました。もうすでに数台の車が停まっていました。SUVに乗ってきた人たちは屋根の上に登ってエアーズロックを見る準備をしていました。以前行ったアイスランドでもそのような装備をした車がたくさんあって,そこに登って星を見ようとする人が大勢いました。レンタカーを借りるときに,屋根には登らないように言われて,変なことを言うものだと思ったのですが,その理由がわかりました。
次第に人が増えてきて,いよいよ日没になりました。
エアーズロックは少しは色が変わってきましたが,それほど感動するようなものではありませんでした。やがて日が沈み,期待外れだったなあとホテルに戻ることにしたころ,にわかにエアーズロックが真っ赤になりました。
以前,バーモント州のシャンプレーン湖の夕日クルーズに乗船したとき,日が沈むころ,というか,沈んだあとに太陽とは別の方向の地平線が赤くなったのを思い出しました。夕焼けというのは快晴ではだめで,適当に雲があって,その雲に乗って沈んだばかりの太陽の光が拡散すると赤くなるのです。その意味では,この日は絶好の条件だったのです。また,後で知ったことには,こうしてエアーズロックが赤く輝くのはそれほど多いことではないらしく,私はずいぶんと運がよかったのです。
という次第で,到着早々,絶景を見ることができて,気持ちよくホテルに戻って,わびしい食事をしたのでした。
明日は,日の出を見にいって,そのあとエアーズロックに登れるのなら登ることにしました。

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