パークス天文台から2時間あまり北に走って,クーナバラブランに来ました。クーナバラブランは口径3.9メートルのアングロオーストラリアン望遠鏡で有名なサンディングスプリング天文台のあるところで,天文愛好家にとっては聖地のような場所です。
1986年ハレー彗星が地球に接近したときはあいにく地球と彗星の位置関係が悪く,肉眼ではほどんど見ることができませんでしたが,それに加えて北半球ではさらに条件が悪く,多くの天文ファンは少しでも条件のよいところへと南半球まで見にいきました。その頃の私は仕事が忙しく,かつ,旅慣れていなかったので,南半球は今よりずっと遠いところでした。行ってみようとはまったく思いませんでし思いもよらないことでしたが,もし今なら簡単に出かけていたことでしょう。
しかし,南半球に行ったところで,はじめて出かける人には南半球のどこに行けばいいのかわかりません。そこで雑誌にはいくつかの候補が挙げられていたのですが,そのひとつがクーナバラブランだったのです。当時の雑誌などを今読み返すと,クーナバラブランについてさまざまな記事が出てきます。そんなわけで,私はクーナバラブランという地名になじみがあり,一度は行ってみたいとずっと思っていました。
昨年の3月オーストラリアに来たとき,ブリスベンから車で8時間走って,念願のクーナバラブランとサンディングスプリング天文台に行くことができました。クーナバラブランは予想以上にすてきな町だったので愛着をもちましたが,日帰りだったので,天文台に行ったくらいでそれ以上のところに行くことはできませんでした。そこで今回,ブリスベンより少しだけ近いシドニーに行った機会に,再びクーナバラブランに行ってこの町に泊ってみようと思ったのです。

私が予約したのは,クーナバラブランでもっとも評判がいいと書かれてあったモーテルでした。
このモーテルは町から少し離れたところにあって,モーテルの庭から満天の星空が見られるものだと思っていました。そういうイメージでした。しかし,懐かしいクーナバラブランの町に到着して,予約したモーテルを探すと,前回私がこの町に来たときに最初に行った観光案内所のすぐ近くの,町の中央にあったので驚きました。
フロントに入るとたくさんの星の写真がかかっていました。とてもきれいなモーテルでした。チェックインをして入った部屋にまた驚きました。その部屋はものすごく広く,また,寝転がれるほどのバスタブがありました。モーテルにはレストランもありました。このモーテルは老夫婦がふたりで切り盛りしていました。
私はこんなすばらしいモーテルにはこれまで泊ったことがありません。ただし,いくら星のきれいなクーナバラブランとはいえ,ここは町の中央にあるので天の川すら確認できず,モーテルの庭から満天の星空が見られる,という夢だけはかないませんでした。

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