この旅も最終章です。
朝クーナバラブランを発ってシドニーへ行き,シドニーで1泊して次の日の朝,JALで日本に戻ります。1泊しなくても夜シドニーから成田に行くANAのフライトがあったのですが,私はそれを知りませんでした。ここ3年で6回もオーストラリアに行ったのに,日本とオーストラリアを結ぶフライトは何が便利か,どの都市を結んでいるのか私にはよくわかりません。いずれにせよ,私が利用したくないのはセントレア発であれど香港乗り換えのキャセイパシフィック航空です。それは香港の空港が生理的に嫌いだからです。香港で乗り換えるくらいなら成田や羽田で乗り換えるほうがずっと楽です。
シドニーから成田までの帰国便をカンタス航空が運用していると思っていたのですが,探しても見つからず,結局,私にはめずらしくJALになりました。シドニーから日本に行くカンタス航空のフライトは成田空港着ではなく羽田空港着だったことをあとで思い出しました。昨年利用したばかりなのにうっかりしていました。しかし,そんなフライトを運用するくらいなら,成田だの羽田だのといわず,1便くらいはセントレアに飛ばせばいいのにと思ったことでした。名古屋からオーストラリアへ直行便がないのが本当に不便です。
クーナバラブランのモーテルで朝食をとり,チェックアウトをしてシドニーに向けて出発です。クーナバラブランからは5時間くらいでシドニーに到着するので,シドニーに着いたらホテルにチェックインする前に少しだけシドニーの観光をしようと思いました。私がシドニーで行きたかったのはシドニー天文台です。
私がシドニーで借りてクーナバラブランまで乗ってきた車は三菱のSUV,ピッカピカの新車でした。この車はiPhone を接続すると車のディスプレイに iPhone の画面が同期されて,iPhone の Google Map がそのままカーナビになりました。私はこれまで海外旅行では電話やインターネットでさんざん苦労していましたが,この2月にハワイに行ったときからは Glocalme という Wifi ルーターを使っています。このWifi ルーターは現地でスイッチを入れるだけで常時私の iPhone がインターネットに接続されるので,ものすごく便利です。こうするとIP電話も常に利用できるので,電話も困りません。このように,旅をするたびに便利になっていきます。
昨年2月にオーストラリアに来たときにもクーナバラブランまで来たのですが,そのときはクーナバラブランから2時間くらい北に行ったナラブライに宿泊しました。ナラブライで1泊してからバランディーンまで戻りそこで3泊してからブリスベン経由で帰国する予定だったのが,急用ができて急遽帰国することになってしまいました。そこで,ナラブライから深夜のオーストラリア大陸を7時間走って早朝にブリスベンに戻ったので,真っ暗な中を走っただけでほとんどオーストラリアの風景を見ることができませんでした。今回はお昼間に5時間かけてシドニーに戻るので,オーストラリアの風景を味わうことができる楽しみがありました。
途中,何度か小さな町で休憩をしながらのどかなオーストラリアを走り,やがてニューカッスルというオーストラリアの西海岸にある街に到着しました。ここから海岸に沿って南にハイウェイを走り,シドニーに向かいました。大都会シドニーに近づくにつれて車も多くなり,ついにシドニーの高速道路に入りました。
シドニーのダウンタウンに入りました。こうなると車を停めるのにひと苦労です。どの町もそうですが,旅行者にとっては特に都会で路上駐車をしたときパーキングメーターのシステムがよくわからないので困ります。私は面倒なので駐車場を探して停めることにしましたが,シドニーの民間駐車場の法外な値段には驚きました。わずか数時間で何千円もしたのです。
駐車場に車を停めて歩いて天文台に向かいました。
シドニー天文台はNHKBSで放送されている「コズミックフロント☆NEXT」という番組で知りましたが,その番組を見たときはシドニーに行く予定すらなく,「まさか」そこに来ることができるとは,そのときはまったく思いませんでした。エアーズロックもそうですが,この旅では,こんな「まさか」ばかりです。
シドニー天文台はシドニー湾に沿ったシドニーの中心部ハーバーブリッジの側の丘の上にあって,その近くには有名なオペラハウスもあります。この天文台はオーストラリアで最も古い天文台で,シドニーの砂岩を使いイタリア式の建築で作られています。
1858年に作られて,実際に天文台として使用されていましたが,都市の近代化で天文台としての役割を果たすことが難しくなって,1982年以降は博物館として運営されています。天文台として使用されていた当時は,天文台としての役割のほかに,19世紀から20世紀初頭にかけて世界の港湾で船舶に正確な時刻を知らせる目的で設置されていた「報時球」(Time ball)として,ここも重要な役割を担っていました。今でも屋根の上にその十字の棒と丸い玉を見ることができます。
天文台は,展示を見るだけなら無料ですが,有料のプラネタリウムや観望会もあります。日本でいう科学館みたいな場所です。私は,別ここでプラネタリウムを見たいとも思いませんでしたし,星が満足に見られないシドニーの都会で星を見る気もないので,無料の展示だけを興味深々でたっぷり見学しました。
