シドニー天文台の庭からは,シドニー湾が美しく見えました。天気もよく,すばらしい景観でした。ただし,オペラハウスは見えませんでした。私は大都会には興味がなく,シドニー観光をする予定もなく,唯一行きたかったシドニー天文台に行くことができたので,それで満足でした。ただし,あまりにも有名なシドニーのオペラハウスの外観だけは見たい,というよりも,どこにあるのかな,という好奇心がありました。
シドニーは今から36年前に一度訪れたことがあって,その時にオペラハウスも見たことがあります。そのオペラハウスがどこにあるのだろう,と思ったわけです。シドニー湾にあることは知っていたので,おそらく近くだろうと思って調べてみると,やはり徒歩圏内だということがわかったので,歩いて行ってみることにしました。
およそ15分くらい坂を下って歩いていくと,やがてオペラハウスが見えてきました。
この旅はこれまで人の少ないところばかりに行ったので,シドニーの都会,特にオペラハウスの近くにあまりに多くの観光客があふれていてびっくりしました。
シドニーのオペラハウス(Sydney Opera House)は20世紀を代表する近代建築物で,オペラ・オーストラリア,シドニー・シアター・カンパニー,シドニー交響楽団の本拠地です。設計者は建築家ヨーン・ウツソン(Jorn Utzon)というデンマーク人です。独創的な形状と構造設計の困難さなどで工事は大幅に遅れ,1959年に着工したものの竣工は1973年となりました。今は世界で最も建造年代が新しい世界遺産です。
それにしても,このオペラハウス,建物はあまりに有名ですが,このホールで演じられるオペラというのを私はほとんど知りません。それが,昨年私が行ったウィーンの国立歌劇場とは大きく異なる点です。そもそもシドニー交響楽団,というもの自体が無名です。というのは私の認識不足なのでしょうか…。
湾の向こうに美しいオペラハウスが見えて,その前を船が頻繁に行き来していました。そして,港にはたくさんのオープンカフェやレストランがありました。
話は飛びますが,アメリカのフィラデルフィアに,映画「ロッキー」で有名になったフィラデルフィア美術館があります。この美術館に至るロッキーステップとよばれる階段もまた観光地で多くの観光客であふれていますが,美術館に入る人はまれです。これとよく似た感じでしょうか?
オペラハウスを見終えて,私はすっかり満足しました。これで簡単なシドニー観光は終わり,ホテルに行くことにしました。この旅もこれで終わりです。この日の晩に宿泊するのはシドニー国際空港の国際線のターミナルからほど近い場所にあります。そこで,先にレンタカーを返して歩いてホテルに行くことにしていました。
まず,空港の近くのガソリンスタンドに行って給油をしました。そして,レンタカーを返却しました。レンタカーの返却はシドニー国際空港の国内線ターミナルにあるのですが,この空港は,国内線と国際線のターミナルがかなり離れているのです。何でも,以前はこの国際線と国内線のターミナル間の移動手段であるシャトルバスは有料!,しかもかなり高く不評だったそうです。今は無料ですが,私はこのこと自体が信じられず,これではターミナル間の移動が不便な成田空港や羽田空港のことを悪くいえないなあと思ったことでした。アメリカの空港に慣れた私には,ターミナル間の移動というのは無料の地下鉄があるのが常識だからです。
バスを探して乗り込んで国際線ターミナルに移動してバスを降りると,目の前にホテルがありました。確かに便利な場所にあるホテルでした。さっそくチェックインをしました。すばらしいホテルでした。ホテルのスタッフの女性はカナダ生まれで,日本に住んでいたことがあるということを言っていました。