ツアーは開始15分前に200インチ反射望遠鏡の入口に集まってほしいと言われていたので,20分くらい前に行ってみました。このツアーの参加者は10人以上いました。中には専門家のような人もいました。ツアーが終わったときに天文台にはずいぶん多くの見学者が来ていたので,おそらく,次のツアーの参加者は相当な人数であっただろうと思われます。
こんな不便なところに,それも,目新しい施設ならともかくも,これほど多くの人が来るというのは,アメリカに行くといつも感心するのですがすごいことです。これはフラグスタッフのローウェル天文台に行ったときも同様ですが,知的好奇心の高さは日本とは大違いです。他人との点数争い,順位争いが目的である日本との教育の違いでしょう。
ツアーではかなり高度な説明をしてくれたので,私には最高でした。インストラクターは何人もいて,わからないことがあれば親切に何でも答えてくれました。また,私が日本から来て,しかも昨年天文台が閉まっていたということを知っていて,特別にお土産をくれました。

200インチ反射望遠鏡のドームの入口に集合したツアーでは,まず外でこの天文台についての概要の説明からはじまって,いよいよ中に入って,1階,つまり舞台裏にある反射望遠鏡の鏡のアルミ蒸着装置やドームの仕組みも含む専門的な説明をしながら,次に階段で2階に登って待望の望遠鏡の見学へと進みました。
それにしても巨大な望遠鏡でした。この望遠鏡を見学したことのあるさほど天文に詳しくない人のブログも多々あるのですが,実際に望遠鏡を目の当たりにすると,そうしたブログに書かれたことではわからない感動がありました。なんでも本物を見ることはとても大切です。
この望遠鏡は今でも現役で,多くの貴重な発見に貢献しています。いくらロサンゼルスから200キロメートル以上も離れているとはいえ,作られたころに比べれは大都会の光の影響で空が明るくなって条件が悪くなっているのは事実ですが,それでも,日本では考えられないほどの山の中に作られているので,まだ十分に活用できるわけです。
残念だったのは,ここで見学できるのはこの望遠鏡だけで,私が関心をもっている,惑星探しをしている広視野の口径48インチ(122センチメートル)サムエルオシンシュミットカメラが公開されていないことでした。

見学を終えて,山を下りました。
パロマ天文台へ行く途中にパロマ山麓のレストランがあることは毎回通っていて知っていたのですが,今回はじめて開いているときにそこを通ったので,帰りに立ち寄って昼食をとりました。
結局,昨年パロマ天文台に行けなかったのが逆に功を奏して,今年,それも偶然週末に行ったことでツアーに参加して,ガラス越しではなくあこがれだった5メートル反射望遠鏡の見学が十分にできたし,さらに,フラグスタッフまで足をのばして,ローウェル天文台にもバリンジャー隕石孔にも行けたので,むしろ昨年パロマ天文台の見学ががお休みだったことがよかったと思いました。
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今回の旅の予定はすべて終了しました。私はこの旅で,こうして50年間ずっと思い焦がれていた様々な場所にすべていくことができたのでした。

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