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 日本国内を旅行しようと計画しても,観光地はどこも混雑しているし,公共交通も混んでいるし,道路は渋滞しているし,しかも,高級旅館は高いし,そうでないところは当たり外れが大きいし,地方では未だに現金しか使えないお店が多いし,となって,私はいつも,こんなことなら外国に行ったほうがいいや,という結論になってしまうのです。考えてみれば,ずっとこんなことだから,日本国内でまだ行ったことがないという場所が決して少なくないことに思い当たりました。
 たまに日本を旅すると,電車の乗り方もよくわからず,宿泊先を探すのにもとまどってしまうくらいなのです。しかも,どこに行っても空き地はゴミだらけだし,潰れたテーマパークや廃墟となった旅館,それに,有名なところはどこも外国人観光客だらけ。これでは行く意欲も湧きません。リゾートやらオートキャンプ場やらと,名前だけは立派な施設がたくさんあっても,所詮,海外のそれとは比較にもなりません。
 しかし,いくら期待していないとはいえ,子供の頃から地名だけはよく知っている場所だから,元気なうちに一度は見ておきたいものだと,このごろ急に考えるようになったので,ならば,なるべく時間とお金をかけないで,できるだけ多くの場所に行ってみようと思うようになりました。
 そこで,今日は,時間とお金を極力かけないで,日本国内を旅する方法についてというお話です。

 はじめに考えるのは交通機関です。直接車で目的地に行くなど,日本の旅の楽しみとしてはまったく論外です。高速道路は渋滞し運転は荒く,一般道路はせまく走るのに難儀します。目的地が観光するのに公共交通では不便なところなら,しかたなく現地でレンタカーを借りればいいのです。近場なら在来線や私鉄などを利用し,少し遠くまで足を延ばすときは夜行バスが一番です。
 私は夜行バスに乗るのを苦にしません。夜行バスなら夜出発すれば翌朝到着するので,時間的にも無駄がありません。それに安いです。夜出かけて早朝に到着し,そこで1日観光して現地で1泊,翌日も1日観光して,行きと同様に夜行バスで帰ることにすれば,まる2日現地で十分に楽しむことができます。つまり,1泊4日でたっぷり2日間観光できる,ということになります。しかし,私の住む愛知県からこうして行くことができる場所は,四国や中国地方,北陸地方,そして,東京近郊で,東北地方となると,まず,東京へ行く必要があります。すべて東京中心,これが日本のだめなところです。また,九州はバスではちょっと遠すぎます。
 とはいえ,ビジネスで使うならともかく,観光で使う交通手段として最も意味がないと思うのは新幹線です。先に書いたように,日本の東京を中心とする交通網では,名古屋から東北に行こうとすれば,ともかく東京へ行かなくてはなりません。東北にバスで行こうとしても,まず,東京へ行かねばならず,これではものすごく手間がかかります。新幹線を使えば,東海道新幹線と東北新幹線や山形新幹線,秋田新幹線と乗り継ぐ必要があるのですが,これがまたものすごく高価であり,かつ,夜行でないのでお昼間に時間がかかります。むしろ,名古屋から直接格安航空を利用したほうがずっと早く,しかも新幹線の半額ほどと安価なのです。
 そうしたわけで,日本国内の移動は,在来線と夜行バス,そして,格安航空,これが交通手段の選択肢となります。

 私は,宿泊地として,大きなホテルや旅館は苦手です。大広間でずらっとならんで朝食のバイキングなどというのはできればご遠慮申し上げたいものですし,たかが国内旅行をするのに,何万円も出す気にもなりません。日本の旅館は,素泊まりなら安いのに,温泉と夕食をつけただけで5倍以上に宿泊代が跳ね上がるというのは,トッピングをすると急に高価になるメシやと同じ商法です。ならば,素泊まりにして現地で日帰り温泉を探し,食事も外で食べたほうがずっと安価に済みますし,むしろ,このほうが現地の人と交流できて楽しいものです。
 そこで,地方の都市で1泊するなら東横イン,ここは朝食が混雑するのが難点ですが,それ以外は無駄がなく安価なので満足できます。そして,田舎であれば,小さな家族経営の民宿のような宿をさがして,そこでゆっくりと滞在するのが最高です。そうしたところだと,うまくいけば,ずいぶんと安価においしい食事つきで宿泊することもできます。しかし,これは当たり外れが多いので,行ってみるまでわかりません。まあ,これこそが行き当たりばったりの旅の醍醐味であると思えば,それなりに楽しいものです。
 今年は,海外に出かける合間に,そんな旅もしてみたいものだと思っているのです。
 それにしても,近年は,京都に奈良,高山,伊勢などの観光地は,どこもかもテーマパークのように改造されてしまい,これでは,まったく旅情もなにもあったものではありません。日本の観光地はどこもディズニーランドです。これこそ,おもてなしというオブラートにつつまれた,本音は金儲けが目的なだけで歴史や文化をリスペクトしていない日本らしい姿ですが,このような場所は「自撮り棒をもって黒いレンズの入ったサングラスをかけやたらと声のでかい」某大国の団体さんにお任せするとして,私は,そうしたこととは無縁の場所を求めるのです。