DSC_1485

######
 退職して仕事を離れると「毎日が日曜日」といわれます。であっても,やりたいことがあり過ぎる人から,毎日が退屈で仕方がない人まで,人それぞれです。おせっかいにも,よほど本が売れないのか,企画がないのか,あるいは,暇な人しか読者がいないのか,こうした「毎日が日曜日」の人向けの生き方の本がたくさん出版されています。かくいう不良老人の私も「毎日が日曜日」のような生活をしています。
 私にも,かつてはやりたいことがたくさんありました。そうしたやりたいことをほぼ実現してしまった今は「ステージ1」を卒業して「ステージ2」にステップアップ,そんな状況となりました。そこで,この先10年ほどをいかにより楽しく過ごそうか,そうしたことを考えながら過ごすようになりました。
 
 これまでずっと海外にだけ関心があった私ですが,昨年あたりから,私は,日本にも関心が戻ってきました。とはいえ,いつも書いているように,私は日本の旅にさほどの魅力を感じているわけではありません。そうでなく,考えてみれば,これまで行ったことがない場所が結構あることに気づいて,元気なうちに一度は行ってみようと思うようになった,というだけのことです。
 おそらく,そうした場所のどこへ行ったとしても,日本では同じようなところばかりでしょうが,これもまたいつも書いているように,日本の旅はこころでするものです。それは,まさに,NHKBSPで放送されている「こころ旅」という番組名が示すように,単なる風景であっても,その人の思い出がまつわると懐かしくなるというものと同じです。
 私の場合は,思い出というよりも,その地の歴史やら風土を思い浮かべるということになります。そこで,訪れる場所の歴史やら文化を知れば知るぼど,行った場所が光り輝くことになります。

 今,旧街道が再び脚光を浴びています。昔の状態に復元するような活動をしている場所もけっこうあります。しかし,そうした場所にも二面性があります。そのひとつは,観光地として人を集めることが目的で,テーマパークのようになってしまった場所です。テーマパークのようになってしまった場所には,団体ツアーをはじめとして,多くの観光客が訪れます。そうした場所は,伊勢であり,私が以前行った大内宿です。馬籠宿もそれに近い状態です。私が行きたいのは,そうした場所ではありません。
 もうひとつは,明治以降,新しい道路や鉄道が作られたときにその場所を避けて作られたために取り残されたために,期せずして昔のままの姿で取り残されたところを,近年になって整備している場所です。私は,これまで数多くの宿場町に行きましたが,そうした場所の中で,これは,と思ったのは,旧東海道の土山宿や旧中山道の大湫宿でした。私が行きたいのは,むしろそうした場所です。
 このようなところは情報も少なく,そこで,私が知らないだけのすばらしいところがまだ多く残っているように思います。そうした場所をこころであじわうためにも,日ごろは,これからも,歴史や文化を楽しく学んでいきたいものです。

◇◇◇
藤井聡太新棋聖誕生

おめでとうございます。