hiroshige046_main2020-01-18_12-10-47_5862020-01-18_11-59-45_8652020-01-18_12-13-04_6592020-01-18_13-43-33_5552020-01-18_13-07-36_213

 昨年の4月20日,現在の静岡県にあった新居宿から県境を越えて愛知県にあった二川宿まで歩きましたが,このときのことはすでにブログに書きました。夕方二川宿に着いたとき,予想に反して宿場の面影がずいぶんと残っていて驚きました。そして,今度は二川宿をゆっくりと訪ねてみようとずっと思ったので,今回,それが実現しました。
 二川宿は東海道五十三次の33番目の宿場でした。当時は幕府の天領であった場所で,現在の愛知県豊橋市の東部に相当します。JR東海道線は浜名湖を過ぎ,新居町の駅を越えると,豊橋に向かって北西に進路を変え,旧東海道と別れます。旧東海道は新居宿の次が白須賀宿ですが,海側を通っているので交通の便が悪く,現在では陸の孤島のようになっています。そこで街道歩きをすると,JRの新居町から二川駅までの長い距離を歩く必要があります。前回,この間を歩いてそうしてようやくたどり着いた二川宿だったというわけです。

 JR蒲原駅から電車に乗って静岡駅で豊橋行きに乗り換え,JR二川駅に着きました。
 蒲原では小雨でしたが,浜名湖を過ぎたら急に青空になって,すっかり雨が上がりました。
  ・・
 二川宿は,1601年(慶長6年)の東海道設定当初から西側の大岩村と東側の二川村のふたつの村で宿場として人馬継立業務を担当していたのですが,ともに小さな村でしかも1キロメートル以上離れていて負担が大きく,江戸幕府は1644年(正保元年)に大岩村を東に二川村を西に移動させてくっつけて加宿大岩町と二川宿として再構成しました。つまり,むりやり作った宿場というわけです。
 明治になって旧東海道沿いに鉄道が敷設されて,駅が作られることになったのですが,二川宿跡の中心あたりは住民の反対にあって駅は町の西のはずれに作られました。よくある話です。そこで,JR二川駅は西のはずれにあって不便なのですが,皮肉にもそのために町は発展から取り残され宿場町の雰囲気が現在まで残ったのです。
 江戸時代宿場だったところはどこも車がすれ違いないくらいの幅で狭く,宿場を外れると道路が広くなって歩道ができます。そうした宿場町のなかには道路を拡張してしまい,そのために宿場にあった家々が無残に取り壊されてしまったところも少なくないのですが,二川宿は現在県道404号線となっている道路は宿場の中だけはそのままの幅で残っています。しかし,そうした道路にも現在生活道路としてけっこう車の行き交うところとそうでないところがあって,この二川宿は頻繁に車が行き交うので歩いていてとても不快になります。こうした町を歩くときはあえて左側を歩くほうが楽で,右側を歩くと常に車と対面してしまいます。

 江戸時代,二川宿には本陣と脇本陣がそれぞれ1軒,旅籠が約30軒ほどありました。二川宿の本陣は数度の大火に遭いながらもそのたびに再建されてきましたが,明治後も取り壊されずに残った本陣の一部が1988年に改修,復元が行われました。また,本陣のとなりには旅籠も当時のように再現されていて,その両者が「豊橋市二川宿本陣資料館」として公開されています。また,ここにはレストランがあって,手作りの昼食をとることができました。
 食事を終えて,資料館と本陣を再現した建物の中を見学しました。作り直した感がありありなので,昔のままの建物を期待する人には残念でしょうが,江戸時代の様子がとてもよくかわって興味深いものでした。聞いてみると,江戸時代に旅をしていた庶民は意外にも女性が多く,行商などでお金を稼ぐことができたので,それで旅をしていたということです。また,旅籠といっても,1晩に宿泊していた客というのは4,5人程度ということだったので,想像していたよりも快適だったように思いました。
 もし,今,江戸時代にタイムトラベルしたら,いったいどんな感じなのかなあと思うのですが,私の子供のころを思い出すに,それはわずか50年ほど前のことなのに,そのころのお風呂とかトイレを考えると,それを知らない今の若い人は驚くほど旧時代のものでした。電化も自動化もされていなかったのは50年前も200年前もそれほどの違いはなさそうなので,江戸時代は私の子供のころと同じようなものだったのでしょう。ここ50年の変化がすごいのです。
 さらに,二川宿には宿場で有数の商人だった田村家の店舗兼住居の「駒屋」も復原され公開されていたので,見学することができました。

 旧東海道歩きをしていると,静岡県は宿場町を観光用に整備して情報も多いのですが,愛知県に入ると宿場町についての情報も少なくなってしまうのが残念です。そのためにこれまで知らなかった二川宿ですが,ここは,本陣と旅籠屋,そして商家の3か所を見学できる日本で唯一の宿場町となっているいいところでした。