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 新型コロナウィルス騒動でもなければ,私は,ここにもJRで行こうと考えていました。考えていたルートは次のものでした。
 まず,名古屋から中央本で塩尻まで行きます。そこで大糸線に乗り替えて糸魚川まで行くのです。この行程だと6時間くらいで行ける感じでした。そして,糸魚川の確か2,3駅手前に,ひなびた温泉宿を見つけました。そこは雪を見ながら温泉に入れるという触れ込みでした。ならば,雪の深い季節のほうよさそうだなあ,いつ行こうかなあと考えていました。そこで1泊して,翌日,糸魚川からは日本海に沿って「あいの風とやま鉄道」とかいう第3セクターの列車で親不知駅で降り,親不知海岸を散策して,再び親不知駅から列車に乗って富山まで行き,富山からは高速バスで帰ってくるのです。
 今年の冬まで待って,このコースを実現してもよかったのですが,去る3月6日に車で片道4時間以上かけて日帰りで余部鉄橋を見にいった結果,親不知子不知のほうが余部よりずっと近いではないかと思うようになり,ならばついでに行っちゃえということで,すぐに行動に移したのです。
 今回のドライブコースは,東海北陸自動車道を一直線北に終点の富山まで行って,富山からは北陸自動車道でどこから適当なところまで行ってそこで一般道に降りて,日本海沿いを走るというものでした。これまで東海北陸自動車道は郡上八幡のあたりまでは使ったことがあるのですが,その先を走ったことがなかったので,一度利用してみたかったということもありました。そしてまた,富山という町にも行ったこともなかったので,けっこうこの計画は魅力的に思えました。

 ところで,今,この文章を書いていて気づいたのですが,東海北陸自動車道と北陸自動車道って,名前のつけ方がかなり紛らわしいです。知らない人にはわかりません。混乱します。道路に限らず,日本では名前のつけ方に全体を見渡す配慮がなさすぎます。
 話は脱線しますが,政党の名前も同類です。自由民主党と国民民主党,立憲民主党,さらには,前にあった民主党っていう名前も,考えてみれば意味不明です。みんな民主党のあたまに2文字つけただけではないですか。なのに,どうして自由民主党だけ略称が自民党となるのでしょう? ならば,国民民主党は国民党だし,立憲民主党は立民党です。選挙で民主党と書いたら票数は3等分するのでしょうか? 自由民主党だって,そもそも,もともとは自由党と民主党が合併してできた政党です。
 同じように,東海北陸自動車道だって,北陸自動車道と名前が被っています。
 少し話はずれますが,これまで何度も書いたことがあるように,京都に行って名古屋や東京方面のJRに乗ろうとしても,東海道線というものがありません。京都の人は東海道線を「琵琶湖線」とよぶのですが,こんなもの,名古屋や東京の人にはわかりません。それなのに,東海道新幹線はそのままです。京都の人でも琵琶湖新幹線とはいいません。

 話を戻します。
 早朝自宅を出て,東海北陸自動車道に乗りました。あとはずっと北上するだけでした。ずっと以前に走ったときはほとんどの範囲が片側1車線でしたが,今回走ってみて,おおよそすべての区間が2車線に拡張されていたのにおどろきました。
 このごろ日本国内を車で走ってみたら,私が知らないうちにやたらと道路ができていたのに驚きました。確かに早くて便利です。どこへもすぐに行くことができます。こうして車で走ってみると,私はここ10年以上だだっ広いアメリカばかりをドライブしていたので,それに比べて日本の狭さが身に染みます。車を使えばすぐに日本横断なんてできてしまいそうです。
 これまで,列車を使ってちんたらちんたら旅をしていたのでけっこう広い国だと思っていたのですが,列車で旅をすることがすごく非効率なことだと感じます。これでは,私のような,時間つぶしで旅をする人以外にはローカル線もローカルバスも乗らなくなるはずです。
 しかし,こんなにたくさん道路を作ってしまって,そうした道路の維持がこれからもできるのでしょうか? 日本はこの先急激に人口が減ります。そして,しばらくは年寄りだらけになります。福祉の予算もかかるし,労働者が激減します。現状を保つことすら困難になってくるのです。しかし,依然として,国土を壊し,高速道路を作り需要もなさそうな新幹線を建設しています。そんなことをして,この先維持できるわけないじゃないかと心配になってしまいます。