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 東尋坊はずいぶん昔に行ったことがあるという記憶だけですが,どういうところだったかはまったく覚えがありませんでした。知っているのは,そこが自殺の名所,あるいは「サスペンスドラマの聖地」とかいう噂だけです。しかし,もちろん私はそういうものではなく,単に時間つぶし,そして,東尋坊がどういうところかを確認することだけが目的でした。

 世界的にも珍しい断崖絶壁の絶景が臨めるという東尋坊は,その荒々しさや迫力からサスペンスドラマのラストシーンで多く使用されていて,ドラマでは,ここで犯人が自供するシーンがたびたび現れます。
 東尋坊は「輝石安山岩の柱状節理」という珍しい奇岩で構成されている海食崖です。こうした奇岩が大規模に広がっているのは朝鮮半島の金剛山とスカンジナビア半島のノルウェーの西海岸,そして東尋坊しかないそうです。
 崖は1キロメートルにわたり,最も高い場所で25メートルもの垂直の崖です。東尋坊は今から約1,200万年前から1,300万年前の新生代第三紀中新世に起こった火山活動でマグマが堆積岩層中に貫入して冷え固まってできた火山岩が日本海の波による侵食を受け地上に現れたものとされています。

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 昔,福井県東部の山間「奥越」に「平泉寺」という大きな寺に,東尋坊という極悪非道の僧侶がいました。東尋坊は暴れ出すと手がつけられないほどの怪力の持ち主で,悪事を重ね近隣の民を苦しめていました。東尋坊にはあや姫という思い人がいて,恋敵である真柄覚念という僧侶といがみ合っていました。
 平泉寺の僧侶たちが東尋坊を海辺見物に誘い出し,崖の上で酒盛りをしていたとき,真柄覚念が泥酔した東尋坊を絶壁から突き落としてしまいました。すると,東尋坊が海に沈むやいなや,それまで晴天だった空に俄かに暗雲が立ち込め,豪雨と雷が地上を襲い,ついに東尋坊を突き落とした真柄覚念も絶壁の底へと落ちていき,それ以降49日間にわたって東尋坊の無念により海は大荒れとなりました。
 それ以降,崖が広がる一帯が東尋坊と呼ばれるようになったということです。
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 公共の駐車場は有料らしかったのですが,東尋坊に続く道の一番手間にあるお店が無料駐車場の看板をかかげていました。商売上手で,駐車してもらって,帰りにその店で食事をしたり土産を買ってもらおうということのようでした。私もそこに車を停めると,さっそくどこからか店員さんが出てきて,お店の中を通ると東尋坊まで近道だと案内してくれました。
 私はずうずうしいので何も買わずに店を通りぬけ,東尋坊に向かいました。お寺の参道のようにまわりに多くのお店が並んでいて,いかにも昔からある日本の観光地でした。しかし,なにせ,朝早すぎてまだほとんどのお店は準備中でした。そうした参道のような道を過ぎると,海岸に出ました。そこが東尋坊でした。
 もっと雄大なのかと思っていたので拍子抜けをしたのですが,それは,私が海外でとんでもない風景を見慣れているからでした。私以外に観光客もおらず,写真を撮ってもらうにも頼む人がいませんでしたが,かろうじて若者がひとりやってきたので,写真を撮ってもらいました。
 太平洋岸は晴れていたのに,この日の日本海側は天気が悪く,それがまた日本海らしいというか…。
 短い時間でしたが,東尋坊がどういうところなのかわかったので納得して,丸岡城に戻ることにしました。
 帰りも親切なお店の中を何も買わずに通り抜け,車に乗ってそのまま丸岡に戻りました。