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 今年も忘れずに秋が来ました。
 日ごろあまり世間とは関わりがないのでついつい忘れがちになるのですが,世の中はおかしな病禍がいまもだらだらと続いているようで,今もって海外旅行もできません。私も,本来ならこの時期はチェコのプラハに行くことにしていたのですが,それもかないませんでした。しかし,その反対に,Go To トラベルとやらで,安価に旅行ができることと海外に行くことができないことで,裕福層が国内の高級な宿泊施設を予約して旅行を楽しんでいるようです。
 私は豪華な温泉旅館旅館に宿泊して大浴場でゆったりしたり,食べきれないほどの食事を味わうような趣味もなく,ツアー旅行をする気もなく,また,寂しん坊でありながら人嫌いという困った性格なので,自分でも身の置き所がないのが悩みです。しかし,めっきりすずしくなったこのよい時期に家に籠っていてはもったいないという気になって,いつものように,人の少ないところを選んで,秋の紅葉を味わいに出かけることにしました。
 …ということで,10月15日木曜日から10月16日金曜日にかけて,木曽駒高原まで車で出かけて,いつもの定宿で1泊です。
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 こうしてさらに人の少ない郊外に出かけると,日本はもともと国土が狭いのに山ばかり,なのにやたらと人が多いので,どんな山奥までも,少しでも土地があれば人が住んでいるのにあきれるというか,感心します。よくもまあこんな崖っぷちに,というところまで家が建っています。そこに住み着いた必然性というか,そうしなければならなかった歴史的な経緯がいろいろあると思うのですが,ともかく,すごいものです。

 これまでは中津川まで高速道路で行ってそこから国道19号線を走ったのですが,今回はいつもと趣向を変えて,飛騨川沿いを走り,下呂を過ぎ飛騨小坂まで行って,そこから右折して木曽路に向かうことにしました。
 以前,高山には車で行ったことがあるのですが,東海北陸道経由だったので,飛騨川沿いの国道41号線は走ったことがありませんでした。結構近いところでも知らない場所が多いものです。
 ところが,飛騨小坂で右折して入った道路のどれも,少し前の豪雨災害の影響が残っていて,途中で通行止めになっている箇所がいくつかあって,行きどまりばかりでした。まるで迷路のようで,どこを進めば木曽路に行けるのかさっぱりわかりません。車のカーナビは突然この先通行止めという標示が現れるので頼りにならず,かといって,iPhone の Google Maps を頼りに走っていくと,これもまた通行止めが反映されておらず,なんど行きどまりにであって引き返したことか,…という感じで,なかなか木曽路に行くことができませんでした。それでもなんとか国道361号線に出ることができたので,どうにか開田高原までたどりついてほっとしました。ここまで山深くなると,昨年走ったオーストラリアのド田舎の山道を思いだしました。日本にもこんなところがあるんだあ,と感慨深くなりました。
 ともかく,気温は9度しかなく,もう,晩秋といった感じでした。

 幾度かの通行止めには参りましたが,途中で角の生えた大きなシカには遭遇するし,サルは駆けまわっているし,さすがにクマは見ませんでしたが,走っていてなかなか楽しい道路でした。しかしまあ,オーストラリアのド田舎と違って,日本という国は,どんな山奥に行っても,なんらかのリゾート開発をした跡があるのです。その多くはすでに廃墟と化しているし,現存していてもさびていているものばかりでした。まったくもっていただけません。
 おそらくそれらはバブル景気のころに開発したのでしょうが,都会から行くのに3時間もかかるような場所に,しかも,行って何か楽しみがあるわけでもないところにリゾートを作ったところでうまくいくわけがないことくらい,はじめっからわかりそうなものなのに,と思います。おまけにゴルフ場でもこしらえたなら,もう絶望的です。こうして,日本中,いたるところで自然が破壊され,その結果,自然災害が起き,餌場を失くした動物が集落までおりてきてしまうのでしょう。
 日本はそんななさけない国だということは,今さらここで愚痴ってもはじまらないのでそれには目をつぶり,遠くの山々を見渡すと,色づいた紅葉の美しさにこころが癒されました。
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 奥山にもみぢふみわけ鳴く鹿の
 こゑきく時ぞ秋はかなしき
   猿丸大夫
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💛