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 昨年12月下旬,木星と土星が大接近をしましたが,その後はともに西空に低くなってきました。また,水星は明け方の空から夕方の空に移ってきました。そこで,2021年早々,1月上旬から中旬ごろ,夕方の西南西の低空に木星,土星,水星が大接近して見えるようになりました。最も接近するのは1月10日から11日ごろで,直径3度の視野の中に3つの惑星が収まってしまうほど近づきます。とはいえ,日の入り30分後の水星の高度はわずか5度ほどと低く,西南西の空が開けたところでないと見ることはできません。
 幸い私が住んでいるところは,東から南,南から西が開けているので,冬は日の出から日没まですべて見ることができます。また,西の空は,明かりがなく,山があるだけなので,3度くらいの高度以上なら見渡すことができます。ただし,冬場の西空は雲が出ます。

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 水星(Mercury)は太陽に最も近い公転軌道を周回している惑星です。岩石質の「地球型惑星」で,惑星の中で大きさと質量はともに最小のものです。直径は4,879.4キロメートルで地球のわずか38パーセントしかなく,木星の衛星であるガニメデ(Jupiter III Ganymede)や土星の惑星であるタイタン(Saturn VI Titan)よりも小さいのです。
 水星の見かけの明るさは,地球からの位置によってマイナス0.4等から5.5等まで変化します。また,水星は太陽に非常に近いために,ほぼ2か月ごとに日の出前と日没直後のわずかな時間しか観察できません。太陽の周りを88日で公転し,地球から見たとき太陽からもっとも離れても28.3度に過ぎないためです。
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 とはいえ,そんな知識がいくらあろうと,見えるか見えないかは実際に見てみないことにはわかりません。そこで私は1月8日から水星を探していたのですが,1月8日は西の空だけ曇っていて,水星どころか土星も見えませんでした。ただし,木星だけはかろうじて沈む直前に確認できました。
 そして,1月9日。太陽が沈むところは見えたので大いに期待して木星が見えるほど空が暗くなるのを待ちましたが,やはり,西の空には雲がありました。そのうちに木星,そして,土星が見えるようになってきましたが,やはり水星は雲に隠れているようで,確認できませんでした。
 やがて,水星が沈む直前,その姿が見えたときは感動しました。写真にもしっかり写りました。

 知らなければ何も写っていないような写真ですが,私には見たとおりに木星と土星と水星を写すことができてとてもうれしいものでした。そしてまた,どのくらいのものが見られるのかということが実証できたことが,それ以上にうれしいことでした。
 1月10日はさらに水星の高度が高くなって木星と土星に接近するので,雲が切れるのを願っています。


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