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●モロカイ島で唯一のパン屋さん●
 午前9時ころ,予定より早くカウナカカイに戻ってきた。昨日到着したときはもう遅かったので多くの店が閉店していたから,今日はカウナカカイの商店をウィンドウショッピングしつつ,朝食を食べるお店探しであった。しかし,朝食らしい朝食が食べられそうだったのは,カネミツ・ベーカリー&コーヒーショップだけだった。
 カネミツ・ベーカリー&コーヒーショップはモロカイ島で唯一のパン屋さん。翌日の朝に並べるパンを仕込んでいる夜の時間帯に,焼き立てを求めて店の裏側にまわって行列を作ると「地球の歩き方」には書いてあった。
 朝7時から店内のカフェスペースで食事ができるということだったので,勇気を出して中に入ってみた。

 古ぼけた店内は,地元の人でごった返していた。そもそもこの島にこのような店はここしかないのだから,みんな知り合いのようなものだ。私だって,ここに住んでいたら常連になるだろう。
 しかし,いらっしゃいませでもなければ,店員が案内してくれるわけでもない。知った人なら,また来たぞ元気かとかいう声をかけるところだろうが,私のようなよそ者が入るのはまさに場違いな感じで,それは,日本の田舎のカフェもまた同じようなものだ。
 適当に座っていたが,一向に店員が注文を取りに来ない。要するに私は空気なのだった。店員はみな忙しくしていて,声をかける間すら見つからない。それは決して感じが悪いとか,ぞんざいということではない。日本のような営業スマイルがないだけのことだ。

 少し待って,やっとひとりの店員と目があって,メニューを見せてもらうことに成功した。そして, 私はモーニングセットを注文した。モーニングセットとやらは,写真のようなもので,まあ,マシな朝食にありつくことができたわけだった。
 このようにして,ともかく朝食を終えて,お金を払うとき,はじめてこの島に来たと言ったらドーナッツを勧められたので,ひとつ買うことにした。
 昭和のころの日本みたいなところだった。


 私はこれまでさまざまところを旅行したが,モロカイ島ほど食事に困ったところはなかった。なにせ,島なので,この島になければどこへも行くことができないのだ。
 私は日常も食事は質素だし,旅行に行く目的もグルメではないから,おなかが満たされればそれで十分なのだが,そんな私でも困るほどだった。
 それにしても,モロカイ島に限らず,アメリカは食事に関してはとにかく最低である。その点,ヨーロッパはすばらしい。ホテルでも,すばらしい朝食が提供される。物価が高いというアイスランドでも,お金さえ出せは満足な食事をとるところはいくらでもあった。むしろ日本のほうがよほど貧弱だ。食後の紙コップにコーヒーなんて,海外では考えられないことである。日本人は,こうして,ある大切な一線を無意識に容易に越してしまうことがある。
 話は横道にそれるが,私がときに国内を旅行するときに,伝統的な日本食の朝食が提供されるような温泉宿は別として,バイキング形式の朝食が提供されるような場で,ずいぶん多くの日本人が朝からご飯と味噌汁,玉子焼きに納豆に漬物といった食事をしているのに,私は驚くのだ。こういう人が海外旅行をすれば,そりゃ戸惑うことであろう。


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